先ほど紹介した 「オクラ」 の株の最上部に、体長5ミリほどの昆虫を見つけました。
一瞬カメムシ亜目の 「ウズラカメムシ」 かなと思えたのですが、ひし形の体形ではなく、雰囲気的に「ハムシ」の仲間かなと調べてみましたら、やはりハムシ科の【ブタクサハムシ(豚草葉虫)】でした。
北アメリカからの外来昆虫として、1996年に東京都や神奈川県で発見され調査が進められています。近年勢力を伸ばし、現在では青森県から鹿児島県まで広い範囲で分布が確認されています。
体色は淡黄褐色、微細な毛におおわれていますので光沢はありません。
上翅に特有の黒褐色の縦縞模様があり、この縞の濃淡や長さには個体変異が見られます。
脚は本体と同様に淡黄褐色ですが、触角は黒く、食草的にはキク科の「ブタクサ」や「オオブタクサ」・「ヒマワリ」などを好んで餌としています。
夏から秋にかけての【ナミアゲハ】は、「キアゲハ」と同じように翅色が黄色っぽくなりますが、右前翅の上側の部分に横筋が見えていますので、写真の<蝶>は【ナミアゲハ】だと同定できます。
チョウ目(鱗翅目)の<蝶・蛾>の大部分は植食性で、その多くの幼虫は棲み分けの自然淘汰でしょうか、特定の植物のみを食べるという性質を持っており、アゲハチョウ類は「ミカン科」を食草としています。
孵化したての幼虫は体長も小さく移動性に乏しいので、産卵する<メス>は幼虫の餌となる植物種を正確に探してその葉に 産卵 します。
アゲハチョウには、前脚先端部にある<ふ節>と呼ばれている組織に味覚感子があり、前脚で植物の葉を叩く<ドラミング行為>によって「味覚」を確認して見分けています。
チョウ目(鱗翅目)ヤガ科アオイガ亜科に分類されている【フタトガリコヤガ】の終齢幼虫(写真下段)は、体長40ミリばかりで、黄・緑・黒のコントラストが強い派手な配色模様をしており、お尻に赤色斑があります。
今回、写真中段の終齢幼虫手前の幼虫と、前回写せませんでした「終齢幼虫」のお尻にある赤色斑の<肛紅板>が写せましたので、成長過程として並べてみました。
チョウ目の幼虫は胸部に3対の胸脚と、腹部の第3節~第6節に4対の腹脚、第10節に1対の尾脚を持つのが一般的ですが、この【フタトガリコヤガ】の幼虫は、第3節・第4節の腹脚がありません。
「シャクトリムシ」 では、第3節~第5節の腹脚が退化していて、尾脚と第6節の腹脚だけになっていますが、本種は普通の「毛虫・イモムシ」と「シャクトリムシ」の中間的な存在で、脚の構造上「シャクトリムシ」と似た歩行をします。
2年ぶりに確認できました 「マメアサガオ(豆朝顔)」 でしたが、雨に濡れたあとできれいな状態の花を探していましたら、【ヤマトシジミ(大和小灰蝶)】が葉にとまりました。
「マメアサガオ」の葉は長さ5センチ前後、広卵形から3裂するものまで、いろいろな形状がありますが、雨後の活動の休憩でしょうか。
弱肉強食の自然界の過酷な状況でのできごとですが、かわいそうに後翅の中央部が欠如していました。
翅の欠如は、過去にも 「ヒメウラナミジャノメ」 や 「モンシロチョウ」 ・ 「ホシミスジ」 などでも見られましたが、このように翅の中央部が筋で欠けているのは初めてです。
どのような旅路を過ごしてきたのかはわかりませんが、元気にこのたくましさを、子孫に残してほしいモノです。
今年としては、9月14日が 【イチモンジセセリ】 の1回目の登場になりましたが、そろそろ見かける機会が多くなる時期に入ったようです。
「ヤナギトウワタ」の花に、吸い蜜にきた【イチモンジセセリ】ですが、同定の要となる後翅裏側の白銀紋が消えかかっていて、一瞬どの「セセリチョウ」かと悩んでしまいました。
地味な茶色の翅色と太い胴体のため、<蛾>と間違われやすいのですが、<蝶>の仲間です。
一般的に触角の先端が「棍棒状」なら<蝶>、それ以外「 糸状 ・櫛状 」なら<蛾>とされていますが、どちらも同じチョウ目(鱗翅目)で動物学上の分類では区別はありません。
チョウ目は日本では約6000種、そのうち<蝶>は約200種強ほど、「セセリチョウ」は4亜科37種が日本では分布しています。
布団に横になり本を読んでいますと、どこから紛れ込んだのか、全長3ミリほどの【ルリアリ】の<オス>が二匹、蛍光灯の下に飛んできました。
年に一度一定の期間、成熟した巣から翅をもつ<処女女王>と<オス>アリが多数飛び出し、<結婚飛行>を行い空中で交尾します。
<結婚飛行>の時期は、違った種が混じらないように進化したのか、種類や地域によって大きく異なり、春から秋に行われ、体形や体色と合わせて種の同定の目安になります。
5~6月頃には「クロオオアリ」、6~7月頃には「クロヤマアリ」、7~8月頃には「アシナガアリ」などが交尾期で、9月~10月にかけては、「キイロシリアゲアリ」や「サクラアリ」などが<結婚飛行>を行います。
二匹の<オス>たち、女王蟻を見失い、わからない所に紛れ込んで困惑しているのか、お互いに接触行為で仲良く情報交換を行っているようでした。
春から秋にかけて、年5~6回発生する【ヤマトシジミ(大和小灰蝶)】ですが、そろそろ繁殖期も終わりごろかもしれません。
幼虫の食草の「カタバミ」の葉の上ではありませんでしたが、仲良き光景の【ヤマトシジミ】と遭遇いたしました。
表翅の色を見れば <オス> と <メス> を見分けるのが簡単ですが、結合部を見ますと左側が<オス>で、右側の腹部の太いのが<メス>です。
無事に次世代の卵が、「カタバミ」の葉の裏に産卵できればと眺めておりました。
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以前、網戸にとまる成虫の 【クサギカメムシ(臭木亀虫)】 をアップしました。
夜間でのストロボ撮影でしたので光で反射、体表の模様があまりきれいにとれませんでしたが、自然光のもとでの撮影ができました。
刺激を受けると悪臭を放ち、その匂いは強烈で「もっとも臭気の強い」種のひとつです。
越冬した成虫は春になると出現して飛び回り、多種な植物に取りついて樹液を吸収しながら夏まで生存、交尾と産卵を繰り返し、秋の初めごろには死に絶えます。
産卵は宿生植物の葉の裏側に産み付けられ、その数は約28個あり、直径1ミリの黄緑色の卵が集まった形で、約一週間で孵化、幼虫は約35~40日かけて5齢を重ねて成虫となり、その年は生殖行為を行わずに越冬します。
農作物や花壇などに植えられている園芸品種などを食する害虫の1種ですが、今回も好物の「アオジソ」の葉の上で仲良くいて、どこかにくめない【オンブバッタ】です。
「カマキリ」のように<オス>が<メス>の背中に乗るのは、一生に一度の交尾だけから比べますと、<オス>を乗せている大きな<メス>との仲良き光景は、幸せな雰囲気を漂わせています。
背中に乗っている<オス>は、前脚と中脚の関節を直角に曲げて<メス>の体をしっかりと挟み、脚先には柔らかくて平たい<爪間盤>があり、その付け根の両側に鉤のような爪があり、しっかりと<メス>の体に引っ掛けて落ちないようにしています。
作業台の縁に突然現れた<オス>の【ミスジハエトリ】ですが、急いで撮影しましたので、少しぶれてしまいましたが特徴はわかると思います。
クモ目ハエトリグモ科スジハエトリ属の<蜘蛛>で、<オス>と<メス>では性的二形が顕著です。
<オス>は頭部に橙色の帯が横に入るのが特徴で、胸部から腹部にかけて縦筋がの明暗がはっきりとしています。
<メス>は比較的に均一な体色で、斑紋があまり目立ちません。
同じハエトリグモ科の 「アンダーソンハエトリ」 が、元は生息していない本州北部へ分布を広げつつあるようで、本種は勢力争いに負けつつあるようです。
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