細長い白い花弁のはなを咲かせる 「ザイフリボク」 ですが、なんと【ウメケムシ(梅毛虫)】の大きな巣ができていました。
白い巣の中には体長15ミリほどの幼虫の姿が確認できますが、これだけの巣の大きさですと、きっと何百匹という毛虫の数だと思います。
【ウメケムシ】は、チョウ目カレハガ科の「蛾」である 「オビカレハ」 の幼虫の俗称で、また、糸で巣を作り集団生活をしていますので「天幕毛虫」とも呼ばれています。
夏に羽化した成虫は、細い枝に卵塊で産卵、卵はそのままで夏を越し、越冬します。
早春に孵化した一齢幼虫は、新芽や花蕾を食べ始め、四齢幼虫まで仲間で集合する性格があり、夜になると集団で巣から出て猛烈な勢いで新芽や花蕾・若葉を食害していきます。
梅・桃・すもも・あんず・リンゴ・ナシ・バラなどの「バラ科」などを中心としていますが、ヤナギやクヌギなども食べる雑食性の害虫です。
生け垣にきれいに咲き出しています 「ナニワイバラ」 ですが、昆虫が寄っていないかと花を見ていきますと<ハナバチ>と遭遇いたしました。
<ハナバチ>は、ハチ目(膜翅目)ミツバチ上科の昆虫で、幼虫のために花の蜜や花粉を採集する「蜂」の総称として用いられていますが、7科に分かれ約400種が分類されていますので、同定までには至りません。
<ハナバチ>は<中舌>というブラシ状の細かい毛におおわれた舌を持ち、特にこの舌が長く伸びることにより、花の奥から蜜を吸い出す<口吻>としての構造をもっています。
写真の<ハナバチ>、後脚にたくさんの花粉を付けていますが、この部分は「花粉かご」と呼ばれ、脛節部分に長い毛があり花粉を団子状にして蓄えるのに都合良くできており、「ミツバチ」の花粉団子は「ビーポーレン」と呼ばれる健康食品として利用されています。
野草が芽吹き出している空き地を通るときには、植物の観察と合わせて、昆虫にも注意を向けています。
今回も、水平飛行ではなく、ほぼ垂直な体制で飛行する【ツマグロオオヨコバイ(褄黒大横這)】を見つけました。
カメ目(半翅目)ヨコバイ科オオヨコバイ亜科に分類され、体長15ミリほどです。
黄色い体色と翅をもち、頭部に2個・胸部に4個の黒い斑点が目立ち、名称通り翅の褄が黒い印象的な色合いで、別名「バナナムシ」と呼ばれています。
「ツマグロヨコバイ」は水稲の大害虫ですが、本種も葉や茎の汁を吸いますが、大害虫というほどの被害は出さないようです。
成虫で越冬、3月頃に活動を開始、6月頃に産卵して世代交代となり、8月頃に新成人が不完全変態で誕生してきます。
枯葉の上で、日向ぼっこをしている<ニクバエ>と遭遇しました。
<ニクバエ>はハエ目(双翅目)ハエ亜科(短角亜科)ニクバエ科に属する「ハエ」の総称で、ニクバエ科には「ヤドリニクバエ亜科」と「ニクバエ亜科」の2種類があり、これらに約100属が分類され、日本には約110種が生息しています。
<ニクバエ>のほとんどの種の胸部背板には縦縞がありますが、イエバエ科の 「イエバエ」 のように縦縞を持つ「ハエ」もいますが、他科の「ハエ」は黒の縦縞が4本の偶数ですが、この<ニクバエ>は奇数の3本ですので見分けるのは容易です。
残念ながら、約110種のなかの一種を同定するのは難しく、ただ、体長が15ミリ以上と大きく、「ゲンロクニクバエ」の<メス>かなと眺めておりました。
今年最初の 【モンシロチョウ】 の観察は、3月13日でしたが、今朝方も ヒラヒラと低い位置で飛びながら、「ホトケノザ」 の葉にとまったところを撮影できました。
冬場を「さなぎ」で越冬、春先の陽気とともに羽化した先陣隊だと思います。
翅の表側を広げていますので、名の由来の黒い点と前翅端部の黒い部分がよく観察できますが、翅を閉じた姿 が多いので、この上からの角度では、なんだか別の蝶のように思えてしまいます。
さらに近づいて撮影しようとしましたら、感知されたのか、飛び立たれてしまいました。
気温の高低差が大きい昨今ですが、今年最初の【モンシロチョウ】と遭遇しました。
【モンシロチョウ】としては珍しく翅を拡げていますが、やはり活動時期としてはまだ気温が低いのか、太陽の熱を身体に取り込もうとしています。
冬場は餌もなく、【モンシロチョウ】は蛹のまま越冬をしています。
寿命的には14日前後ですので、うまく相方を見つけることが出来ればいいのですが、はやく羽化するのは自然界ではあまりよろしくなさそうです。
本日3月8日は、語呂合わせから「みつ(3)ばち(8)の日」です。全日本蜂蜜協同組合と日本養蜂はちみつ協会が制定、ちなみに「はちみつの日」は8月3日です。
日本には「ニホンミツバチ」と「セイヨウミツバチ」の2種が飼育されて蜂蜜の採集が行われています。
額面「20円」の<郵便切手>は、1954(昭和29)年1月20日に発行された「中尊寺金色堂」を最初として 「ふじ」 ・ 「ふじ(意匠変更)」 ・ 「松」 ・ 「ゆり」 と続き、6回目の意匠がこの「ニホンミツバチ」で、花は「レンゲソウ」が描かれています。
<蜂>の世界に関しては、学術的な 『ハチはなぜ大量死したのか』 (ローワン・ジェイコブセン)をはじめ、「オオスズメバチ」の世界を描いた 『風の中のマリア』 (百田尚樹)などが秀逸で楽しめる作品です。
昨年10月に、「カイヅカイブキ」の生け垣で見つけました<ミノムシ(蓑虫)>ですが、通勤時に前を通るたびにその後の様子を観察しています。
今朝方久しぶりに、冷たい寒波も無事に耐えた<ミノムシ>を見つけることができました。
ミノガ科の種としては日本では約50種ほどが分布していますが、写真の<ミノムシ>は、角度を45度にして取りついていますので、「チャミノガ」だとみています。
雌は一生<蓑>のなかで生活をし、羽化した雄が雌のところに飛来して交尾、夏ごろに孵化した幼虫は移動して<蓑>を作り、幼虫の状態で越冬します。
長さ4センチばかりの<蓑>の大きさですが、雌か雄か、どちらにしても激減の<ミノムシ>ですので、無事な成長を期待したいです。
昨日の神戸の気温は16度を超え、今日も穏やかな日和で、春だと勘違いしたのか冬眠中の【ムラサキシジミ(紫小灰蝶)】が、ヒラリと舞い降りました。
チョウ目シジミチョウ科ムラサキシジミ属に分類され、表翅は目立たない淡い茶色の地に少し濃いめの紋様が浮かんでいますが、表翅はきれいな青紫色で、周囲を黒褐色の縁取りがあり、写真は青紫色の部分が大きく縁が狭いので<オス>です。
平地の「シイ」や「カシ」などの林縁やその周辺に生息していますが、まさかこの時期に撮影の機会が得られるとは思いませんでした。
裏翅・表翅ともきれいに撮影ができ、幸先の良い今年の<ファルコン昆虫記>のスタートが切れました。
昨日も今日も穏やかな日和で暖かい神戸ですが、舗道のタイルの上をゆっくりと移動している、体長25ミリと<カメムシ>では大型の【キマダラカメムシ】を見つけました。
一瞬 「クサギカメムシ」 かなと思いましたが、体表に黄色の斑紋があり頭部が尖り、頭部から楯版に向かって縦筋が入っていますので、すぐに違う種だと分かりました。
カメムシ目(半翅目)カメムシ科の昆虫で、食草は「サクラ」や「カキノキ」・「ナシ」などです。
南方系の外来種で、日本で初めて確認されたのは長崎県で1770年でした。
その後2006年に岡山県、2010年に東京都で確認されており、地球温暖化の影響で北上しているようで、成虫で越冬します。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ