体長7ミリほどの【ウリハムシ(瓜葉虫)】を、花壇の縁で見かけました。
コウチュウ目(鞘翅目)ハムシ科ウリハムシ属に分類され、非常に活発に動き回り、あまりじっとしていません。
頭部はやや幅が狭く、胸部はそれよりもやや幅広く、前身が黄橙色、腹部は黒色です。
成虫で浅い土の中で越冬、春に「胡瓜」や「カボチャ」・「スイカ」などのウリ科の苗に寄りつき、周囲の土の表面や浅い土中に産卵します。
孵化した幼虫は周りの根を食べ、蛹化は土の中で行われ、新成虫は7月頃に羽化します。
成虫はマメ科やアブラナ科・キク科などの葉も、円形に切り抜くように食べて害を及ぼします。
体長20ミリを超える大型の【ミナミトゲヘリカメムシ】が、「クレマチス」 の花にとまっていました。
目にしたときには、「オオクモヘリカメムシ」だと思いました。
頭部や前胸部が緑色ではなく全体的に茶褐色、それでも細長い体形や触角の第四節の色の切り替えなどの特徴がみられ、変異個体かなと悩んだのですが、胸部左右の突き出した「トゲ」により【ミナミトゲヘリカメムシ】だと同定しました。
本来は南方系のカメムシで、1973~1975年ごろ鹿児島県のミカン畑で発見され、その後大分県・高知県・和歌山県などで発見されてきており、地球温暖化の影響でしょうか、徐々に日本列島を北上中のようです。
「オオクモヘリカメムシ」はかなり強烈な臭いを放ちますが、おそらく同じヘリカメムシ科の仲間として、本種も強烈な臭いの防衛機能を持っているはずです。
いい匂いを芳香させている「ハゴロモジャスミン」の花に、【セマダラコガネ(背斑黄金虫)】が訪れていました。
コウチュウ目コガネムシ科スジコガネ亜種に分類され、フィリピン原産の昆虫で、コガネムシ科の中では比較的に早い5月上旬ごろから、活動しています。
体長8ミリ程度、薄茶色と黒色の斑模様を基本としていますが、個体変異 が大きく、真っ黒い上翅を持つのもあり、先端が3本に分かれたアンテナ状の触角が見分ける決め手です。
雑木林周辺に生息、成虫は広葉樹をはじめ、色々な植物の葉や花を餌とし、幼虫は土中で草の根などを食べて成長します。
近所のお家の生け垣にきれいに咲いています<クレマチス>の花に 「ヤブキリ」 の幼体を見かけて以来、その後の成長はと気になり観察していますが、今朝は【セイヨウミツバチ】が花粉を集めに<蕊>に潜りこんでいました。
【セイヨウミツバチ】の学名は、[Apis mellifera]で、1758年に「分類学の父」と呼ばれたスウェーデンの<カール・フォン・リンネ>によって命名されています。
[Apis]は「ミツバチ」に対応するラテン語で、種小名の[mellifera]は「蜂蜜」を意味する[merlli-]と「運ぶ」を意味する[ferre]から構成されています。
しかしこの後、このハチが運ぶのは「蜂蜜」ではなく「花粉」であることが判明しましたが、国際動物命名規約に従い、先に付けられた名称が優先となるシノニムによりそのまま学名として使用されています。
この働き蜂も朝早くから活動していたようで、両足の「花粉かご」には花粉がいっぱいですが、それでも貪欲に子孫のために働いていました。
昨年の夏は毛虫の最活動時期に雨が多く、遭遇する機会が少なかったのですが、今年は 「オオシマザクラ」 の花や 「ザイフリボク」 に「オビカレハ」の幼虫(毛虫)が観察でき、いいスタートが切れました。
写真の毛虫は体長25ミリ、体全体の剛毛と色合いで、チョウ目(鱗翅目)ドクガ科マイマイガ属の【マイマイガ(舞舞蛾)】の幼虫だとすぐに分かります。
ドクガ科に分類されていますが孵化したばかりの一齢幼虫には「毒針毛」がありますが、二齢幼虫以降は「毒針毛」がなく、それでも刺されますと少し痛みは感じます。
国際自然保護連合(IUCN)が指定している「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定されていて、この幼虫は広葉樹・針葉樹・草本の区別なく食い尽くす「森林害虫」の代表格です。
先ほどは「クレマチス」の花粉を食べていた 「ヤブキリ」 の幼虫をアップしましたが、その近くで、体長6ミリほどの【ササグモ】の幼体がいました。
写真の左上の花弁(蕚)の穴は、「ヤブキリ」の食事跡だと思います。
クモ目ササグモ科ササグモ属の「蜘蛛」ですが、「ハエトリグモ」 と同様に網を張らずに草叢の葉の上などを徘徊して餌を捉えます。
眼はそれほど発達せず8個の単眼が円周上に並び、体色は黄緑色~黄褐色、脚に生えている黒い剛毛が目立ちます。
成体は雌で8~11ミリ、雄で7~9ミリですので、この幼体ももう少し大きくなりますが、6月頃になりますと体の模様もはっきりとしてきます。
生け垣にきれいに咲き出している「クレマチス」の <H.F.ヤング> をアップしましたが、ちょうど【ヤブキリ】の幼虫が雄しべの中に埋もれて食事中でした。
前年度に雌が産卵した卵が翌年に孵化するのは数パーセントで、多くは2年目3年目の3月~4月頃に孵化して地上に這いだし、初齢幼虫は草本上で生活を始めます。
若齢幼虫は体が小さいため、草本植物の種子や花粉・花弁を食べて成長しますが、脱皮して成長するにつれてチョウ目(鱗翅目)の幼虫(毛虫)や小型の他の昆虫を捕食するようになり、共食いも起こります。
キリギリス科において肉食は不可欠で、動物性タンパク質を摂らなければ成長もままならず、また雌においては産卵に支障をきたすことになります。
この幼虫の周りの<クレマチス>の花弁(蕚)は穴だらけでしたので、この幼虫の食欲に驚くばかりです。
ハクモクレン」の葉の間で、獲物を探している【プライアシリアゲ】を見つけ、逃げられないうちにとあわてて撮りましたので焦点が甘くなりましたが、雰囲気はなんとか押さえることができたようです。
シリアゲムシ目(長翅目)シリアゲムシ科に属する昆虫で、属としては日本には 「ヤマトシリアゲ」 を代表として40種ほどが記録されています。
和名の「シリアゲムシ」は「尻揚げ虫」で、雄が腹部端部を背中側に持ち上げている姿から名付けられています。
身体の側面は鮮やかな黄緑色で、長い吻は黒いですが、黄緑色の筋が入っています。
一見 「ホソマダラシリアゲ」 や「キアゲシリアゲ」に似ていますが、身体が大型であること、翅をあまり屋根型にたたまないこと、腹部末端が黄褐色(「ホソマダラシリアゲ」も黄褐色)などから区別ができます。
本種は背中側に黄色い線が入るタイプですが、真っ黒いタイプもあり、また翅の模様も個体変異が大きい種です。
後翅の飛翔機能が退化し、変化した可動器官を <平均棍> といいますが、写真の昆虫も左側側部、真ん中の脚と後脚の間に見てとれますので、まずはハエ目(双翅目)の<昆虫>だと判断できます。
体長20ミリ弱、外観的に「ミズアブ科」の昆虫までは分かり、この科は世界中に約400属2000種が分類され、日本では73種が記録されています。
日本での代表的な「ミズアブ科」の<昆虫>としては、「ルリミズアブ」 がいますが、この種は体長が15ミリ未満と小さく、脚の節ごとに黒色と黄褐色の色となり、「アメリカミズアブ」 は、触角が長く腹部に白い斑紋が二つあり、また足の節ごとに色が違い、「コウカアブ」は第二腹部が白色で、また足の節に黄褐色が入ります。
手持ちの資料では種の同定は難しく、今後判明することを期待し、とりあえず記録です。
コンパクトデジカメを使用していますので、シャッタースピードも速くありませんが、運よく飛行中の<ハナバチ>の後ろ姿を捉えることができました。
<ハナバチ>は、「ミツバチ科」をはじめ「ヒメハナバチ科」や「コハナバチ科」などに分類されている「蜂」たちの総称で、密や花粉を集め幼虫の餌として、それらを蓄える習性を持っています。
ハチ目(膜翅目)の「蜂」の数は、昆虫の中でもコウチュウ目(鞘翅目)に次ぐ大所帯で、世界中に20万種、日本でも4000種以上分類されており、後ろ姿だけで種の同定は無理な作業です。
近づいて撮影しようと試みましたが、「コアオハナムグリ」 のように食事に没頭することなく、残念ながら感づかれて飛び立たれてしまいました。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ