以前に紹介しました 「ヒナタイノコヅチ」 の花ですが、その時の写真では花穂全体を写していますので、淡緑色の花そのものは分からなかったと思います。
今回、運良く花穂に【シマアシブトハナアブ】が止まりましたので、小さな5弁花と5本の雄しべ、真ん中の雌しべの花姿と一緒に紹介できる機会に恵まれました。
ハエ目(双翅目)ハナアブ科の昆虫で、体長は15ミリ程度、花の蜜や花粉を食用にしています。
腹部背面には、橙黄色で中央に大きく波打つ黒い模様があり、胸部背面には、黒色で、4本の黄褐色の縦線が入ります。
大きな複眼が太陽光の加減でしょうか、黄色く輝き、黒い目のときとは違う印象を与えてくれます。
花壇に植え込まれた 「ペンタス」 の花の回りを、【クマバチ(熊蜂)】がせわしく飛び回っていました。
体長20ミリほどの蜂ですが、全体にずんぐりとした体型と黒い色合い、そして大きな羽音が印象的な蜂です。
ハチ目(膜翅目)コシブトハナバチ科クマバチ属に属する昆虫で、日本固有種の蜂です。
花の上から吸い蜜行動をとらずに、頭を突っ込んで花の根元を噛みちぎり蜜を吸う行動を取りますので、大きなお尻ばかりが目立ちます。
体全体が黒く、翅も黒い中、胸部の毛は黄色ですので、良く目立つと共に同定しやすい蜂です。
この大型の体と小さな翅では、「航空力学的に飛べるはずがない」とまじめな論争がありましたが、<レイノルズ数(空気の粘度)>を計算に入れることで、いまでは飛行法が証明されています。
こちらからいたずらしない限り、攻撃性のある蜂ではりませんが、重量感のある黒い体型は、名称と共にやはり不気味です。
9月も終わりに近づいていますが、まだまだ【ヤマトシジミ】は元気に飛び回っています。
先程紹介しました 「ヒナタイノコズチ」 の花穂の先端に、【ヤマトシジミ】が止まりに来ました。
本来「ヒナタイノコズチ」は、虫を媒介とする<虫媒花>で受粉をせず、<風媒花>として受粉行為を行いますので、昆虫を誘うようなきれいな花を咲かす必要がありません。
目立たぬ小さな花ですが、咲かせる以上おいしい蜜もあると推測してしまいますが、おいしい蜜であればいいなと眺めておりました。
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イネ科の 「アキノエノコログサ」 の花穂に 【クモヘリカメムシ】 さんがニ匹、お食事中でした。
ひとつの花穂の上で<口吻>を突き刺し、大好物の汁を仲良く吸っているようです。
体長2センチにもなりませんが、長い二色の触角がかわいらしい昆虫です。
死んでしまいますと、淡い緑色の体色が黄色に変色してしまう特性を持ちます。
蜂と言えば、腰のくびれた姿を思い浮かべてしまいますが、この【ジガバチ(似我蜂)】は、爪楊枝の棒のような細長い胴体を持っています。
細長い胴体といえば、 「ヒメコンボウヤセバチ」 なども思い出しますが、どちらも「狩りバチ」の仲間です。
ハチ目(膜翅目)ジガバチ科ジガバチ属の昆虫で、<捕食寄生者>と呼ばれる類の寄生動物です。
黒地の体色で、腹部の上側が赤くなる特徴を持った、蜂です。
地面を這いまわり、少し飛んで移動しては、獲物(蛾の幼虫)の糞などを目印に相手を見つけ、長い体長(45ミリ前後)を有効に使い、抱え込むようにして、地面に開けた巣穴まで運んでいきます。蛾の幼虫に産卵して、これが孵化したあとの餌として利用されます。
刺されることは無いと思いますが、結構大きな羽音を立て動き回りますので、気合いを入れて近付きなんとか画面に収めることができました。
色とりどりに色付く 「観賞用トウガラシ」 の花に、【ヤマトシジミ(大和小灰蝶)】が、止まりました。
一瞬、「辛いのになぁ~」と驚いたのですが、実が辛いとしても、蜜までは辛くはないはずです。
ナス科らしい小さな紫色の花ですが、【ヤマトシジミ】の中にもひっとして、わたしのような辛党がいるのかなと、眺めておりました。
蜂には腰のくびれたタイプと、腰のくびれていないタイプがありますが、【ルリチュウレンジ(瑠璃鐫花娘子蜂)】は腰がくびれていません。
腰のくびれていないタイプは、一般的に団体での社会生活を営むことはなく、葉に卵を産み、幼虫は自力で成虫に羽化します。
ハチ目(膜翅目)ミフシハバチ科ミフシハバチ亜科の昆虫で、日本には約20種が生息しています。
体長9ミリ前後、体全体は黒い紺色で光沢があり、翅は黒色半透明です。
触角は3節で、3節目が非常に長いところから「ミフシハバチ」の名が付けられました。
憶測ですが和名の名称には「鐫(のみ)」の字があてがわれていますが、この幅広い触角を「鐫の刃」にたとえたのかなと見ています。
葉の組織内に卵を産みつけますすので、目で観察することはできません。
幼虫は、ツツジやサツキの葉を食草としており、かなりの被害をもたらす害虫です。
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「蛾」は、翅を開いた状態で止まりますので、表側の翅の模様が直接楽しめますが、「蝶」は翅を閉じ立てて止まりますので、なかなか翅の表の紋様を眺める機会は少ないです。
この時期盛んに活動している「イチモンジセセリ」ですが、ようやくオシロイバナの葉の上で、翅をひろげている姿が撮影できました。
割と長時間止まっていましたので、写真を撮ったあとしばらく観察していたのですが、目から鱗の出来事が起こりました。
いままで気にもしなかったのですが、【イチモンジセセリ】が首を動かして私の方を、ジロリと振り向いたのです。
蝶の首が回るものとは・・・、「エッ!」と目を見張る驚きの一瞬でした。
イソップ寓話の『アリとキリギリス』では、分の悪い【ニシキリギリス】ですが、<ギィ~~チョン>という鳴き声は、それなりに情緒を感じさせてくれます。
バッタ目キリギリス科キリギリス属の昆虫のうち、日本の本州~九州に分布しています。
蝶の 「キタキチョウ」 と同様に、遺伝子分析の成果で1997年以降は「ヒガシキリギリス」(青森県~岡山県)と【ニシキリギリス】(近畿地方~九州地方)に名称が使い分けられています。
よく似たキリギリス科の仲間に 「ヤブキリ」 がいますが、後翅の付け根から第一関節までの<腿節>の長さが、前翅よりも長いのが【ニシキリギリス】です。
また、写真の【ニシキリギリス】はメスですので、産卵管の形状でも見分けることができます。
写真をクリックしますと画面が大きくなりますので、触角の長いことや、前脚の2対には長い棘が生えているのを確認してみてください。
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全身が黒い点々でおおわれた、【ツチイナゴ(土蝗)】の幼虫です。
バッタ目イナゴ科ツチイナゴ属のバッタで、成虫は土色の茶褐色色をしており、背中に白い筋が入ります。別名、「セスジツチイナゴ」と呼ばれる所以です。
【ツチイナゴ】は、他のバッタと異なり10月頃に成虫なる、珍しい生態を持っています。成虫のまま枯れ草の下などに隠れて越冬します。
翌年の5月頃に産卵し、7月頃に短い生涯を閉じます。
幼虫ですので翅も生えていませんが、複眼の下にある青黒色の涙のように見える模様と、全身に生えている細かい毛は成虫になっても変らず、【ツチイナゴ】の特徴です。
幼虫の間は葉の緑色に合わせた緑色で、成虫期の秋には枯れ草の色に合わせて茶褐色になる保護色の手際の良さには、驚くばかりです。
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