以前までは「キチョウ」と呼ばれていましたが、DNA鑑定の技術進歩で、2005年からは、本土などに生息している「キチョウ」は「キタキチョウ」になり、南西諸島の「キチョウ」は「キチョウ」のままの名称が使われています。 チョウ目(鱗翅目)シロチョウ科キチョウ属に分類され、翅裏は黄色い地に黒点が散らばっています。 ヨモギの葉に隠れて、頭部まできれいに撮影できませんでしたが、写真の「キタキチョウ」は(メス)です。(オス)に比べると翅の色合いが淡く、容易に見分けがつきます。 子供の頃に覚えた名称も、遺伝子分野の進歩で変わるのは仕方ありませんが、つい呼び慣れた名前が浮かんでしまいます。
ヨコバイとしては体長13ミリ前後と大きく、体色が黄色ですので緑の葉の上にいますと、良く目立ちます。 【ツマグロオオヨコバイ(褄黒大横這)】は、カメムシ目(半翅目)ヨコバイ科ヨコバイ亜科に分類される昆虫です。 ヨコバイ科としては、世界中に約20000種、日本にはまだ学名の付いていないモノを含めて約550種が分類されています。 体色が黄色で、頭部に2個、胸部に4個の黒紋があり、羽根の褄部が黒くなった大きなヨコバイです。 身の危険を感じますと横に歩き、すぐに葉の裏側などに隠れることが多いので、「ヨコバイ」=「横這い」と名付けられています。 脚も黒色と黄色が交互に入り、体色のカラフルな色彩と合わせ、かわいらしい昆虫です。 黄色の体色から、別名「バナナムシ」とも呼ばれています。
以前に、 ニ匹の「ヤマトシジミ」 がヒャクニチソウの花の上で、仲良く蜜を吸っている写真をアップしました。 今回も同じ花壇の前を通りますと、【チャバネセセリ】が、口吻を伸ばして蜜を吸っていました。 翅の色と形から、遠目に「セセリチョウ」だと分かるのですが、近付いて翅の模様を見分けるまでは、「チャバネセセリ」かな、「イチモンジセセリ」かなと、胸がときめきます。 斑点の位置や数で、別種の蝶に分類されますので、とにかく蝶が目につきますと写真に収め、記録したいと心がけています。
以前にも枯れた葉の上にいる、茶色の擬態色の 【ショウリョウバッタ】 を紹介しました。 今回も、土の山道を歩いておりますと、わたしの足音に反応したのか、突然バサバサと羽音を立てて、【ショウリョウバッタ】が飛び跳ねました。 ネットフェンスの下枠に止まりましたが、日本最大種のバッタ(メス)らしく、伸ばした後脚の長さだけでも、優に15センチは超えています。 茶色の体色に、茶褐色の筋が縦にきれいに入る模様を持ち、なかなかの貫禄です。
透明な翅を持つ 「クマゼミ」 とは正反対に、【アブラゼミ(油蝉)】は、前翅・後翅とも不透明な褐色の色をした翅を持つ、世界的に見ても珍しい特徴を持つ蝉です。 カメムシ目(半翅目)セミ科アブラムシ属に分類される、大型の蝉です。 鳴き声が、油を鍋で熱すると「ジリジリ」という沸騰音に似ているところから、【油蝉】と名付けられました。 「ジ~、ジジジ・・・」と鳴き出しますが、お昼を過ぎても元気良く鳴いており、熱帯夜などには「夜鳴き」もする、忙しい蝉さんです。 頭部は胸部よりも幅が狭く、上から見ると頭部は丸っこい感じで、体は黒褐色、頭部の下の前胸部の背中には大きな褐色の斑点が2個並んでいます。 抜け殻は「クマゼミ」とよく似ています(「クマゼミ」の抜け殻には、腹部にポツンとでべそ見たいな突起があります)が、全体に艶があり、抜け殻に泥が付かないのが特徴です。 好む土中の湿度が蝉によって違うようですが、約6年間の幼虫生活は、生まれ出た外部環境の変化もあり、蝉にとっても短い命の中で対応するのも、難しかろうなと感じています。
今日金曜日、こちらでは「生ゴミ」収集日の日に当たります。 「生ゴミ」で満足に朝ご飯を確保できたのでしょうか、のんびりと一羽の<カラス(烏)>が、電波塔の避雷針のてっぺんにとまっていました。 足の置き場としては居心地がよくないと思うのですが、360度眺められる展望がお気に入りなのかもしれません。 古来<カラス>は吉兆を表す鳥で、神武天皇の東征の際には、三本足の「八咫烏(やたがらす)」が松明をかかげたという神話があり、また日本サッカー協会のシンボルマークも「八咫烏」が使われいます。 古代エジプトでは「太陽の鳥」、ギリシャ神話では太陽神アポロンに使えていた鳥です。 炎天下の真っ青な空の下、<カラス>を見上げていますと、はるか昔にあがめられていたDNAが甦っているのか、悠々とした雰囲気が太陽とよくお似合いです。
「オシロイバナ」の絞り模様を採集しようとしていましたら、【イチモンジセセリ】と遭遇しました。 チョウ目(鱗翅目)セセリチョウ科セセリチョウ属に分類される、「蝶」の一種です。 前翅長は約20ミリ、翅の表側は暗褐色で裏側は黄褐色の色合いです。 後翅の裏側には4個の銀紋が縦一列に並んでいるところから、<イチモンジ(一文字)>の和名がつけられています。 他のセセリチョウと同様に、「蝶」にしては胴体が太く、翅の色合いも地味ですので、「蛾」に間違われてしまいます。 この時期から秋にかけてよく飛び回りますので、見かける機会が多くなりそうです。
武者小路実篤の有名な言葉に、<仲良きことは美しきかな>がありますが、そんな光景に出合いました。 花壇に植え込まれた「百日草」の花に、仲良く二匹の【ヤマトシジミ】が、並んで蜜を吸っていました。 「暑いでんなぁ~」 「ほんまに、かないませんわ。暑い中飛び回るのも、疲れまんなぁ」 「この花の蜜、甘すぎて喉がかわきまんなぁ」 「ほな、次は水場にでもいきますかねぇ」 暑い日差しの中ヒラヒラと舞っては、また不思議と同じ花にとまります。 よほど気に入った相手なのかなと、蜜を吸っている【ヤマトシジミ】たちを、微笑ましく眺めておりました。
比較的地面の近くを飛んでいる【ベニシジミ(紅小灰蝶):夏型】です。 吸い蜜行為や葉の上での休憩も、他の蝶に比べて長く止まりますので、根気よく待てば、なんとかシャッターチャンスに巡り合えます。 チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ベニシジミ属の蝶で、成虫の前翅長は1.5センチほどと小さな蝶ですが、翅の色合いと模様の美しさが詰まっています。 春の4~6月頃に発生する成虫 (春型) は、翅の赤橙色の部分が鮮やかな色合いですが、夏に発生する成虫(夏型)は、翅の表側が全体に黒褐色になり、帯として入る赤橙色の部分も、落ち付いた橙色です。 秋になりますと、どちらの色合いの成虫も見れますので、夏の暑い気温や、食草としている植物との関連がありそうです。
朝方から昼頃まで、賑やかな合唱の主人公【クマゼミ(熊蝉)】です。 なんとなく「セミ科」だろうとは思いつく人が多いと思いますが、あの匂いで嫌われ者の「カメムシ」と同じ「カメムシ目」だとは、昆虫好きでないと分からないとおもいます。 分類上は、カメムシ目(半翅目)ヨコバイ亜目セミ科セミ亜科クマゼミ属になります。 日本産の蝉の中では、「ヤエヤマクマゼミ」に次ぐ大型の蝉で、体長60~70ミリに達します。 「アブラゼミ」や「ミンミンゼミ」に比べて、頭部の幅が広いのが特徴で、翅は透明で背中側は黒色、腹部に白い横斑が二つ見られます。 羽化から数日の間は、写真のように背中側が金色の毛で覆われています。 神戸市や阪神間では「アブラゼミ」が増加の傾向にあるとの報告が出ていましたが、まだまだ【クマゼミ】の元気な鳴き声が主流のようです。