多くのバッタ類は、環境に合わせて<擬態>した体色を見せてくれます。
土の上にいますと目につかない 「イボバッタ」 を代表に、この【ショウリョウバッタ(精霊蝗虫)】も、多くは周囲の環境に合わせて <緑色> が多いのですが、「茶色」の【ショウリョウバッタ】を枯葉の上で見つけました。
さすが擬態色で、枯葉に交じり分かりづらい色合いをしています。
バッタ目バッタ科ショウリョウバッタ属に分類されていますが、日本に分布するバッタの中では最大種(メス)で、斜め上に尖った頭部が特徴的です。
成虫の(オス)は体長が5センチ前後ですが、(メス)の成虫は8~9センチと大きく、写真の【ショウリョウバッタ】は(メス)のようです。
「オンブバッタ」も雌雄の体長が大きく違いますが、こちらは翅がありますが飛ぶことはできないため、(オス)は大きな(メス)の上に乗って移動するという、手抜き行為が面白いです。
山道の階段の手すりに、【ゴマダラカミキリ(胡麻斑髪切)】を見つけました。
木の幹を模倣した親柱の上で、うろうろとせわしなく動いておりました。
甲虫目(鞘翅目)カミキリムシ科ゴマダラカミキリ属の昆虫で、ミカンやクリ、イチョウやプラタナスなど、果樹の木や街路樹等いろんな木を食べますので、都会でもよく見かけ馴染みのある種類だと思います。
体長は4センチ弱ですが、触角が体長の1.5倍はある長さを持ち、全身の黒さと相まって貫禄ある姿を見せてくれます。
前翅には光沢のある黒色に白い斑点が並んでよく目立ち、和名の由来そのものです。
長い触覚の各節の根本にも青白い毛がありますので、黒と青の縞模様の触角も、面白い形態だと思います。
手に持ちますと、「ギィ~ギィ~」と威嚇する声を出すのですが、鳴くことなく手の上で遊んでおりました。
体色が灰褐色と土色をしていますので、地面の上などにいますと、分かりにくい【イボバッタ(疣飛蝗)】です。
近くを通りますと、ぴょこんと飛び跳ねて移動しますので、なんだいたのかと驚かされます。
バッタ目バッタ科トノサマバッタ亜科に分類されており、日本産のトノサマバッタ類としては体長がオスで25ミリほどですので、最小の部類に入ります。
人の気配ですぐに飛んで逃げるのですが、夏バテでしょうか、じっとしてくれていて、大きくアップで撮影できました。
ぜひ、写真をクリックして「眼」を見ていただきたいと思います。
体色だけでなく「目玉」までも土色をしていますので、目立ちません。
多くの昆虫の捕食者はひと目見た瞬間、「眼」をパターン認識して獲物を見つけると考えられており、「眼」の場所が判りにくいということは、それだけ捕食者を惑わし有効に働きます。
頭部の後ろ側、前胸背面にイボ状の突起があるために「イボバッタ」との和名が付けられていますが、このイボもまた、飛び出した「眼」だと誤魔化すための擬態だと見ています。
山道を歩きながら足を下ろそうとしたとき、足元で【トラフムシヒキ】が交尾中でした。
思わず足を避けましたが、なんとか踏むことなく、やり過ごせました。
ハエ目(双翅目)ムシヒキアブ科ムシヒキアブ亜目の昆虫です。
記録写真をと近寄りますと、何と上側の【トラフムシヒキ】は、捕獲した「黒アリ」を口にくわえたままです。
オス・メスの形状の特徴的な性差は少なく、わたしには区別が出来ませんが、餌を放さないで交尾をしているのは、オス・メス、どちらなのか興味があるところです。
一見コガネムシ科の昆虫にによく似ていますが、胸部が大きく、体色も違います。
【センチコガネ(雪隠黄金)】は、甲虫目(鞘翅目)カブトムシ亜科センチコガネムシ科の昆虫で、25属約600種を数えています。
昆虫の餌としては、<植物の葉を食べる>・<花の花粉を食べる>・<樹液を吸う>・<動物の死骸を食べる>等がありますが、この【センチコガネ】は<動物の糞を食べる>、「糞虫」と呼ばれる昆虫です。
「糞」と関係するところから、名前の「センチ」は、厠や便所を指す「雪隠(セッチン)」の呼び名が変化した名称です。
メスは「糞」を地中に埋め込んでその中で産卵をし、幼虫は「糞」を食べて育ちます。
自然環境の中で、「糞」の処理をするという物質循環に果たす「糞虫」の役割は、とても大きいのです。
ファーブルの観察記録で「フンコロガシ(糞虫)」が有名ですが、日本には「マメダルマコガネ」一種のみで体長2~3ミリしかなく、まだ見たことはありません。
< 画面をクリックしていただきますと、大きな写真で見れます >
「フウセントウワタ」の花では、よく 「キイロスズメバチ」 を見かけます。
花が下向きに咲いていますので、吸い蜜行動を取るにも逆様の姿勢になり、見るたびに大変だなと眺めています。
今回は、なんと【ヤブキリ(藪螽斯)】が、逆様にしがみついて花の中に頭を突っ込んでおりました。
バッタ目(直翅目)キリギリス科キリギリス亜科の昆虫ですが、幼虫の時は草食性ですが、成虫になると肉食性が強くなると思っていましたので、意外なお食事光景です。
以前に紹介した ど根性な植物(8)「フウセントウワタ」 の花は、横断歩道の真横に咲いています。
蜜がおいしいのでしょうか、【キイロスズメバチ(黄色雀蜂)】が、複数で飛び交っていますので、小さな子供が横断歩道を渡るたびに、ひやりとしてしまいます。
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科スズメバチ属に分類され、日本に分布する5種のスズメバチの中では最も小さい蜂ですが、攻撃性においては引けを取りません。
小さくても「働き蜂」としては、25ミリ前後の体長で、素早く動き回る姿は気持ちのいいものではありません。
「フウセントウワタ」の花は、下向きに咲いていますので、蜂はみな逆さ吊りの姿勢で吸い蜜をしています。
どうしても空に向かっての撮影になり、逆光のなかしゃがみ込みながらの体制ですので、蜂の縞模様がきれいに撮れるのかと心配です。
以前の <後姿> よりは、それらしい感じの【キイロスズメバチ】が納められたと思います。
灯火によく飛来してきます、夜行性の【アオドウガネ(青銅鉦)】です。
甲虫目(鞘翅目)コガネムシ科スジコガネ亜科の昆虫で、成虫の体型はずんぐりと丸く、前胸背板輪郭の両端は角張りません。
体色は、鈍い光沢の鮮やかな緑色の金属感があり、腹部には長い毛が生えています。
成虫は幅広い植物の葉を食べ、幼虫は地中で植物の根を食べる<草食昆虫>で、畑などを荒らす害虫として嫌われ者です。
緑色の体色ですので、葉や茎の上にいても、なかなか見つからない曲者でもあります。
道の真ん中で、【コクワガタ(小鍬形)】の(メス)が、じっとしていました。
甲虫目クワガタムシ科オオクワガタ属コクワガタ亜種の一種で、5亜種に分類されています。
「カブトムシ」と並んで「クワガタムシ」も子供たちには人気の昆虫で、(オス)は大きな顎の特徴からすぐに種類が同定できますが、(メス)の形状は【コクワガタ】・「ヒラタクワガタ」・「オオクワガタ」等、どれもよく似ていますので、戸惑います。
【コクワガタ】は<頚節(けいせつ)>がまっすぐで、「ヒラクワガタ」はやや曲がっており、また上翅(背中)の感じが【コクワガタ】の方がザラザラした感じです。
卵から1~2年かけて成虫になります。夏に蛹になり、秋頃に羽化して成虫となり、そのまま越冬します。
この時期に見かける【コクワガタ】は、昨年からの越冬組です。
クヌギやコナラ・カシなどの広葉樹の樹液を吸い、広く日本に分布しています。
暑いアスファルトの上ではかわいそうで、また車に轢かれてはと、近くの木にとまらせてあげました。
階段横のネットフェンスに、【アカヒゲヒラタコメツキ】がお昼寝のようでした。
上手く足でしがみついて、落ちないものだと感心してしまいます。
普段は、葉の上や樹などにとまっているはずですが、不思議な所にいるものです。
甲虫目(鞘翅目)カブトムシ亜科コメツキムシ科の昆虫で、日本では約600種が生息しています。
体長は25ミリほど、よく似た姿の「コメツキムシ」もおりますが、触角と足が赤茶色をしていますので、見分けはつきやすい一種です。
じっとしている状態では、触角をたたみ込んでいるようで分かりませんでしたが、手に取りますと見分けがつきました。
手にするときには、もちろん「パチン」と飛び跳ねられ、足を閉じて死んだふりを見せてくれる、かわいい昆虫さんです。
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