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ツナ缶レビュー zu-mix3.0

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  • ハッシュタグ「#めずらしいツナ缶」の検索結果46件

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■初めての方は、国産ツナ缶の面白いとこをつまみ食いできる #めずらしいツナ缶 がおすすめです。
ゴースト「ツナ缶にしき」にご用の方は、←からどうぞ。

 おしらせ
 ・zu-mix3.0自家通販でツナ缶解説本を手売りしています。クレカ対応。
 ツナ缶レビューに大ボリュームの解説を交えた「ツナ缶の本 The Unlimited」が人気です。

211缶 日本産ツナ缶の黎明・焼津水産高校まぐろ油漬(ソリッド)の実食

スレッド
焼津水産高校の伝統の缶詰です。... 焼津水産高校の伝統の缶詰です。

焼津水産高校 まぐろ油漬
びんながまぐろ綿実油漬ソリッド・普及品


こんなツナ缶です



おねだん
200円くらいの価格設定だが
きわめて入手困難
魚の種類
ビンナガマグロ(ホワイトミート)
液汁の種類
油漬け(綿実油)
身のほぐし方
きれいなかたまり肉

おすすめの食べ方
リーフレタスの上にのっけて
油ごと豪快にいきませんか





☆解説:あらゆる国産ツナ缶のルーツになった製品



 静岡県の焼津水産高校(水高)が実習科目で製造するツナ缶。毎年製造され、毎年学園祭などで保護者や地元住民にふるまわれる。
 
 実習科目であるから、現代のサプライチェーンと効率的な生産過程とは距離を置き、より古いツナ缶の製造法に沿ってつくられて。海洋科学科の生徒が漁獲したビンナガマグロを、食品科学科の生徒がツナ缶へ加工される。
 水高はツナ缶産業化の礎となったFujimaruブランドの(事実上の)製造元。Fujimaruの成功を見て清水水産や後藤罐詰(現はごろもフーズ)、名前を挙げきれないほど数多の缶詰会社が興り、競ってツナ缶を作ったのだから、今に続く国産ツナ缶の源流といっても過言ではあるまい。そんな産業化の礎となったものと変わらない製造法を百年近くにわたって堅持している。スペックから見えるかたまり肉のソリッド缶、原材料はビンナガ・綿実油・塩のみからという点で読み取ることができよう。
 
 実習のために手作業で作られるツナ缶ゆえ、生産量と販路はきわめて少ない。他の水産校ツナ缶同様に保護者と地元民で消費されるため、めったに外に出回らないツナ缶というのが筆者(静岡市)の印象だった。
 部外者は事実上入手困難なツナ缶である。それを佐賀転居の折、ツナラボのS氏から分けて頂いた。
 2020.8製。東京水産振興会焼津水産ブランドの紹介ページではF3号印刷缶となっているが、この年の製造分からラベル巻きに変わったのだろうか?

☆缶を開けたところ(開けてそのままの様子)
  
 大きなかたまりが綺麗に詰められている。しっかりした食感と下味がしみついている。
まったく生臭くない。綿実油漬の中ではあっさりした後の引き方をしていて、同じカテゴリのシーチキンファンシーや由比缶詰所の白いやつとは離れた性格だ。

 生食が一番わかりやすいが、道楽にちょっと足を突っ込んでいそう。加熱系の料理か、加熱しないならレタスやパスタにかけるだけで良いかもしれない。
 焼津の地酒と一緒にぐいっといったらどうだろうか…

 

☆参考資料(2023.2閲覧)
■一般財団法人東京水産振興会 水産・海洋高校缶詰瓶詰図鑑
https://canbin.suisan-shinkou.or.jp/
https://canbin.suisan-shinkou.or.jp/24/

■焼津水産ブランド 静岡県立焼津水産高等学校 びんながまぐろ油漬缶詰シリーズ
http://brand.yaizucci.or.jp/maguro/701/



☆各種評価
・グレード ★★★★☆ 4.0
・価格   【N/A】 #だいたい200円くらいだったはず
・味覚評価 ★★★★★ 4.8 #時は巡れど中身は変わらず
・入手性  ☆☆☆☆☆ 0.1 #ほぼ水高関連のイベントのみ
・原産国  国産

☆スペック
固形量65g / 内容総量90g
---kcal/缶 食塩相当量-g
原材料 びんながまぐろ(焼津産)、綿実油、食塩
JAN:なし 製造固有記号AC1
製造者 静岡県立焼津水産高等学校YSKG(静岡県焼津市焼津5-5-2) 製品ページ
Tuna canning review No.211

☆ツナ缶スーパーリンク!!

(No.182)KOマートのまぐろソリッド

→焼津でよく見かけるスーパーの自社ブランド。旧パッケージから数えて10年以上のロングセラーであり、帰省客が都市部への手土産として持っていくこともあるとか。水高ソリッドに味が似てると思うが、入手も容易で価格も手ごろ。いわゆるカジュアルなお土産枠。

(No.146)シーチキンファンシー

→近代ツナ缶の祖。崩さずに出すなら缶の底(シーチキンファンシーって書いてあるほう)に缶切りを当てよう。
日本のツナ缶を日本人向けにローカライズした製品の走りがシーチキンファンシーとプリンス赤缶(No.69)。両社の違いはローンチ後の戦略がマスかニッチかという感じ。
 
(No.200)おりづるソリッド

→男前で味の濃いソリッド缶。
#びんながまぐろ #めずらしいツナ缶 #ソリッド #水産校ツナ缶 #綿実油漬

ワオ!と言っているユーザー

201缶 ネクストミーツ・Nextツナ 代替肉ツナ缶の実食

スレッド
100%植物性で低脂質コレステ... 100%植物性で低脂質コレステロールゼロ。なのにタンパク質もしっかり補給できます。

ネクストミーツ Nextツナ
代替肉ツナ缶・高級品


こんなツナ缶です


おねだん
そこそこ高い(400円弱)


魚を使用していません!
植物性の原材料です

身のほぐし方
細かいほぐし肉

おすすめの食べ方
冷たい料理(サラダや冷やし中華)との相性よし
そのまま食べるのはおすすめしない


解説:ツナ缶に現れた代替肉



 「畑の肉」と呼ばれた大豆を加工して、肉の味に近づける──代替肉の試みはツナ缶の産業化より古く、1907年にJohn Hervey Kellog氏が小麦と牛乳の成分で畜肉っぽい食感を再現して特許を取り、09年にBeyond Meat社が肉らしさを先鋭的に進化させて代替肉のハンバーガー用パティを発売した。このように、代替肉はアメリカが世界を牽引している。
 
 大豆をはじめとした植物性の原材料でコンビーフの味を再現する先駆者がいて、ツナ缶も大豆で代替肉というと昔の映画やゲームに取り上げられた「完全な栄養食」としての代替肉が真っ先に思い浮かぶが、現状の代替肉は「食感の代替とアレルギー等への対応」の段階にある。将来的に完全な栄養食になるかどうかは未だ決まっていない。
 
 植物性原材料のみで作ることによって得られるメリットとして、
 ・原材料マグロの政治的な事情(ex.水産資源、不漁や豊漁)に影響されない
 ・マグロアレルギーへの対応
 ・ヴィーガン対応、ハラル対応が著しく容易になる
 ツナ缶すなわちマグロかカツオが必要、という常識を打ち破って、新たな消費者への、新しいアプローチが可能になるということだ。
 
 逆にデメリットは、
 ・代替肉はみんな高い。本物を使うほうが安いのはツナ缶も同じ
 ・大豆原料のGMO(遺伝子組換え)に新たなトレーサビリティが求められる
 ・加工の難しさから「数」を作れない(これは価格に転嫁されている)
 ・相対的に限られた流通経路(数を作れない、価格が高いという単純な二点と商品価値をはかりにかけて、ニッチになってしまった)
 
 名前こそ代替肉だが、様々な事情でマグロ・カツオを食べられない消費者にとって、唯一ツナ缶にアクセスできる手段であることは留意したい。

 なお、製造元の三育フーズはベジツナという製品を出していて(賞味期限2年)、NextツナのあとにOmniツナという代替肉ツナ缶が参入している。NextもOmniも入手が難しい製品のため、買って食べるのはけっこう大変そう。
 
 保守的だったツナ缶業界にこれら代替肉ツナ缶が入ることで、どのような波を起こすのか。ベルカ人に倣って「実食で確かめよう」。刻印が2024.1なので、たぶん2022.1製造。


 フタにべったりくっついている。ツナというよりはマヨネーズの香辛料のような香りを感じる。

 箸で掴むが、非常に硬い。カツオより硬い。噛んでほぐしてみると、火の通ったたまねぎのような味がする。もちょもちょして、ツナの肉の感触をやわらかくしたような食感。そのまま一缶で食べるのに適さない感じ印象を受けた。


 なのでツナサラダにした。野菜にNextツナを乗せ、そこにドレッシングをかける。
 
 ドレッシング、野菜、どちらとも相性が良い。だいぶツナっぽくなってきたし、冷たい料理でツナの代わりに使う分には有効活用できそう。温かい料理(とくに汁物)に使うと繊維が分離してしまう気がする。

 「ツナ水煮缶から覇気と動物性タンパク質を取り除いたやつ」。革新的なプロダクトは、本来のツナ缶はマグロやカツオの命の一部を頂くものだったのを強く実感させた。現状オーガニックな(つまり動物性原材料を使った)ツナ缶に味でかなわないが、すみわけは十分できていると思った。
 
 再度言うが、「様々な事情でマグロ・カツオを食べられない消費者にとって、唯一ツナ缶にアクセスできる手段である」。

 …たとえ代替肉ツナ缶だとしても、販売元がツナ缶を目指して製品化したのだから。私はツナ缶の一種に組み入れ、シーズン3の始まりを告げる「ツナ缶」として実食して、ここに筆をおくことにする。

☆各種評価
・グレード ★★★★☆ 4.0
・価格   ★★★★★ 4.5 #390円/缶
・味覚評価 ★★★★☆ 2.5
・入手性  ★☆☆☆☆ 1.3 #自社通販、一部の小売店
・原産国  国産

☆スペック
固形量70g/内容総量90g
219kcal/缶 食塩相当量1.45g タンパク質13.1g
原材料 粒状大豆たん白(国内製造)、植物油脂、粉末状大豆たん白、植物性粉末ブイヨン(小麦を含む)、香辛料、砂糖、塩、さとうきび抽出物/香料
※動物性の原料は一切使用しておらず、パームオイルや、牛骨炭を用いた白砂糖も使用していません。
JAN:4573534570296 製造固有記号なし
販売者 ネクストミーツ株式会社(東京都新宿区新宿一丁目 34-16 清水ビル2F) 商品ページ
製造者 セブンスデー・アドベンチスト教団食品事業部三育フーズ(千葉県袖ケ浦市浦拓1-1-65)
Tuna canning review No.201

■参考資料
・「令和元年度新たな種類の JAS 規格調査委託事業調査報告書」17-24p 日本能率協会 2020.3
https://www.maff.go.jp/j/jas/attach/pdf/yosan-25.pdf

・「代替⾁の開発と今後の展開―植物⾁と培養⾁を中⼼に―」国立国会図書館 調査と情報 No.1113 2020.9
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11538934_po_1113.pdf?contentNo=1




☆イベント参加予定



■委託参加
・8/1(月)~14(日)おもバザハンズ 静岡・広島
(静岡会場)東急ハンズ静岡店 新静岡セノバ3階
(広島会場)東急ハンズ広島店 広電立町電停そば
→ だいたい評論・情報ジャンルの本のストア販売イベントです
→ https://omobaza.com/

■直接参加
・9/25(日) 関西めしけっと6(たびちけっと5in関西)
(会場は京都)京都パルスプラザ第一会場 竹田駅からちょっと歩く感じ
→ 飲食ジャンルオンリー(二次創作可)と旅行オンリーの併催になった即売会です
→ http://meshiket.dojin.com/

・10/30(日) 九州コミティア6
(会場は小倉)西日本総合展示場AIM3階
→ 一次創作オンリーの即売会です
→ https://www.q-comitia.com/event/6_2022/

・12/29~31 コミックマーケット101
→受かったら
#めずらしいツナ缶 #ヨドバシドットコムで買えるツナ缶 #哲学 #気合の入ったツナ缶レビュー

ワオ!と言っているユーザー

200缶 サスナ・おりづるソリッド(8年弱熟成) 日本にこれだけのツナ缶があるって、誰が知っていただろう

スレッド
200缶 サスナ・おりづるソリ... びん長まぐろの白身が輪切り状に... びん長まぐろの白身が輪切り状になっています。ボリューム感のあるお料理に。

サスナ SHC おりづる印 まぐろ油漬(2014)
(おりづるソリッド(ホワイトミート))
びんながまぐろ綿実油漬けソリッド・準高級品



こんなツナ缶です


おねだん
かなり(100円ちょっと)
魚の種類
ビンナガマグロ(ホワイトミート)
液汁の種類
油漬け(しっとり綿実油)
身のほぐし方
年輪状のかたまり肉(ソリッドタイプ)

おすすめの食べ方
感傷にひたりながら
白飯と一緒に黙々と


 

従業員向けの福利厚生・極


 関係者や近隣住民向けに直販されているおりづるシリーズのうち、最古参と思われる製品がこのおりづる印まぐろ油漬。通称「おりづるソリッド」。2022年現在、一箱24入で買った単価は200円を切り、ギリ200円超えの由比缶詰所をしのいで最安価のビンナガ綿実油漬ソリッド(小型缶/F3号)になっている。BtoCとして開かれた販路を求めていった由比缶詰所が価格へ転嫁できているのに対し、どこまでもBtoBを貫くことで価格を据え置いたサスナ。
 
 かつて、拙著「ツナ缶の本 The Unlimited」で同社へお手紙をしたためた際「他社にない製品」が同社の魅力であるとお答えいただいた。確かに、これは他社にない製品だ。黙して裏方に徹する、福利厚生を極めたツナ缶であるといえよう。

 今回はツナ缶レビュー200缶記念で、珍しく・おいしく・高品質な・スタンダードなツナ缶を食べたくて、ツナ棚から2014年製造のおりづるソリッドを持ってきた。EOフタのデザインに00年代を感じるし、賞味期限が新しい割にクラシカルな魅力に溢れている。
 そして。2014年の購入当初、やはり200円いかないくらいの金額だったような記憶がある。今も「200円いかないような金額」。送料は実費となるが、取り寄せると由比缶やシーチキンファンシー(F3)にない独特の魅力を感じ取れると思う。
 2014.7製造。製造から8年弱経過した、長期熟成品のおりづるソリッドを実食する。
 
 

缶を開けたところ


  
 年輪状の身が入っている。
四年置いていたことで油と身がよく馴染んでいて、とてもやわらかい。
 白飯に合う。新しい味は以前の由比缶詰所に近いと考えると、熟成はプラスに効いていたようだ。6年以上の熟成で味に精彩を欠くイメージを持っていたが、おりづるソリッドはきちんと味を保っていた。

 ……本記事が、静岡で最後のツナ缶レビューとなる。
 ツナ缶ブログも200缶を一区切りにして、休養期間を挟んでから、また月1~2缶くらいのペースで再開していきたい。戻る時期は未定で、もしかたら4月かもしれないし、年内に復帰できないかもしれない。一身上の事情が片付いて、落ち着きを取り戻したら、戻ってくる。それまで筆をおくことにする。

☆各種評価
・グレード ★★★★☆ 4.4
・価格   ★★★☆☆ 3.8 #197円/缶
・味覚評価 ★★★★☆ 5.0
・入手性  ★☆☆☆☆ 1.0 #自社通販、直売
・原産国  国産

☆スペック
固形量70g/内容総量90g
252kcal/缶 食塩相当量0.7g タンパク質18.6g
原材料 びんながまぐろ、綿実油、野菜汁、食塩、椎茸エキス、昆布エキス
JAN:4560253750023 製造固有記号なし
製造者 株式会社サスナ(静岡県焼津市中里824)
Tuna canning review No.200

~~

■Season1 No.001~No.100



・2013.11.04~2017.12.04 4年1カ月
・10,025g 23,344kcal/Season 27,507円
・国産ツナ缶比率 82%


■Season2 No.101~No.200



・2017.12.31~2022.03.31 4年3カ月
・国産ツナ缶比率 78%

■8年4ヵ月のうちにレビューした国産ツナ缶:

160缶




 ツナ缶は、次の季節(Season)へ。
#びんながまぐろ #めずらしいツナ缶 #サスナ #ソリッド #綿実油漬

ワオ!と言っているユーザー

ツナ缶レビューブログで「瓶」を実食 宮古島の洋食てぃん・カツオビン

スレッド
宮古島近海で一本釣りしたカツオ... 宮古島近海で一本釣りしたカツオのオイル漬けの瓶詰めです。

洋食てぃん カツオビン(小)
かつお油漬けチャンク瓶詰・高級品

 

こんなツナ瓶です


おねだん
ものすごく高い(千円オーバー)
魚の種類
カツオ(ライトミート)
液汁の種類
油漬け(だいぶしょっぱい)
身のほぐし方
ブツ切りのようなかたまり肉

おすすめの食べ方
そのまま食べる。しょっぱいしあぶらっこいため、液汁の処遇はよく考えよう


宮古島発:とれたてカツオのツナ瓶


 東京からまっすぐ1800キロの南の島、宮古島。東京から1000キロ南の島・小笠原諸島父島より遠いが、空路の発達によって父島よりずっとずっと近い島になった。宮古島のすぐ近くに伊良部島・下地島があって、そこの滑走路を使ってLCC(格安航空会社)が東京と宮古島を(成田・下地島経由で)結んでいる。行こうと思うには遠い島だが、いざ行ってみれば精神的にあんがい近い島なのだ。
 宮古群島では伝統的にカツオの遠洋漁業が行われていて、立派なカツオをトビダイと呼ぶ。春のシーズンには伊良部島佐良浜でカツオの血肉が飛び交う祭り「オーバンマイ」があるくらい、カツオとともに発展してきた島だ。宮古島内においてもカツオ料理を出す飲食店は数多いし、現代は宮古・伊良部・下地島は道路でつながって一体的に観光できるようになった。
 その宮古島で、個人経営の洋食屋が作っている「カツオの瓶詰」が、このカツオビンである。宮古近海のカツオを使って、刺身のような大きさの肉を油・調味料とともに瓶に詰めた。見た目からして缶詰にない高級感と、カツオビンのラベルがレトロ調で異国情緒を演出している。
 
 スペックに着目しよ……食塩相当量とタンパク質が規格外だ! 食塩の3.6g・タンパク質の52.9g、いずれも一般的なツナ缶70g換算しても平均値の倍くらい。カロリーは誤字を疑ったが、瓶ラベルには一個あたり180kcalと書いてある。
 塩コショウとにんにくで味付け、ローズマリーで香味付けされている。化学調味料不使用、アレルギー27品目不使用。
 宮古島の洋食てぃん、下地島空港売店のほか、本州では焼津市のツナラボで購入可能。2021.9製。

 ☆瓶を開けたところ

 非常に大きなカツオの身が入っている。塩や香味が効いていて、身もほんのりやわらかい。とてもカツオを食べている感じがする。ごはんにあわせると、一切れ二切れ程度でおなかいっぱいになる。


 カルボナーラパスタに乗せて食べた。カルボナーラというといまいちツナとの相性がよくないとされるが、かたまり肉のボリュームとしょっぱさのおかげで良く個性が出てくれる開拓になった。カルボナーラのたまご感がカツオ感をつつみこむような印象。


☆各種評価
・グレード 【N/A】 ツナ缶ではない 評定不可
・価格   【 高 級 品 】 10.8 #1,080円/瓶
・味覚評価 ★★★★☆ 4.6
・入手性  ★☆☆☆☆ 0.5 #直売、本州なら焼津のツナラボ
・原産国  国産

☆スペック
固形量100g / 内容総量180g
180kcal/瓶 食塩相当量3.6g タンパク質52.9g
原材料 カツオ(宮古島産)、なたね油、オリーブ油、食塩、にんにく、カエンペッパー、ローズマリー(宮古島産)
JAN:4580080560022  製造固有記号なし
製造者 洋食てぃん(沖縄県宮古島市平良字西里397-1)
Tuna canning review No.X20211118
#xナンバー #かつお #めずらしいツナ缶 #チャンク #油漬

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189缶 Wild Planet:Albacore Solid Wild Tuna In Extra Virgin Olive Oil 5oz 淡白なツナ缶の実食

スレッド
“刺身用の美味しいマグロを高品... “刺身用の美味しいマグロを高品質のオーガニック・エクストラバージンオリーブオイルに漬けて、抜群の旨みとコク、しっとりした食感に仕上げたツナ缶です。”
(ホームページの意訳)
Wild Planet:Alb...

Wild Planet:Albacore Solid Wild Tuna In Extra Virgin Olive Oil 5oz
びんながまぐろオリーブオイル漬けソリッド・高級品


こんなツナ缶です


おねだん
たぶん5ドルくらい?
魚の種類
ビンナガマグロ(ホワイトミート)
液汁の種類
油漬け(さっぱりオリーブオイル)
身のほぐし方
かたまり肉が二つ、その隙間にほぐし肉が詰まってる

おすすめの食べ方
肉の代わりにして料理に入れるといい感じ


 日本国内では手に入らない、輸入卸のない海外ツナ缶。Wild Planetはアメリカの高級品レンジに相当するブランドの模様。
 パッケージのうたい文句によると小型のビンナガマグロを使っている様子。海外ツナ缶のため、十分なリサーチができていない点ご容赦願いたい。アメリカ語英語の情報源も探したが、書けそうな情報は見つからなかった。
 
 Twitterフォロワーのくりす氏から頂いたツナ缶。氏とのリモート飲み会のついでに開けた。2023.1.19が賞味期限になっている。

☆缶を開けたところ

 小さなかたまり肉が二つ入っている。下味は十分しょっぱくて、食感も硬い。
 油がさっぱりしている。オリーブオイルの香りはほとんどなくて、由比缶詰所の「綿実油」ソリッド缶(No.143)に近い味の印象。ソリッド缶を2つあわせたようなイメージ。向こうのほうがしっかりツナの味するけど。
 淡白ゆえに使う料理はあまり選ばないはず。

 物足りないのでツナマヨ丼にして食べた。魚の臭みが少ないため、マヨネーズの酸味がストレートに届く。
 かたまり肉であることを活かし、肉の代用品として活躍させたい。この使い方なら日本人でもそこまで味の違和感を感じないと思う。
 

☆各種評価


・グレード ★★★★☆ 4.3
・価格   N/A
・味覚評価 ★★★★☆ 4.0
・入手性  N/A #海外ツナ缶
・原産国  メキシコ

☆スペック
内容量 142g
220kcal/缶 食塩相当量0.8g たんぱく質26.0g
原材料 びんながまぐろ、有機オリーブ油(遺伝子組換えでない)、食塩
EAN:829696000572 製造固有番号MI N11ASG NC T1KA1
輸入者 Wild Planet Foods Inc.(1585 Heartwood Dr, McKinleyville, CA 95519) 製品ページ
Tuna canning Review No.189

「ツナ缶スーパーリンク!!」



(No.143)由比缶詰所のソリッド缶

→料理への汎用性(非加熱系の料理)が、このWild Planetより広い。

(No.146)シーチキンファンシー140g

→大きさで競合。5ドル弱くらいのはずだから値段でも競合する。私はこっちのほうが好き。

(No.114)SALICA: Campos VENTRESCA DE ATÚN CLARO EN ACEITE DE OLIVA

→Wild Planetと同じく、輸入卸のない海外ツナ缶。中身はシーチキンとろの海外リージョン版みたいな感じ。これがスペイン人の好むツナ缶ということだろうか。
#びんながまぐろ #めずらしいツナ缶 #オリーブオイル漬 #ソリッド #海外ツナ缶

ワオ!と言っているユーザー

67缶 かもめ屋・ライトツナフレーク(食塩不使用) 高価格・高性能な塩抜き水煮缶の実食

スレッド
魚のくさみや、パサつきがなく、... 魚のくさみや、パサつきがなく、まぐろ本来のうま味がギュッと詰まっています。魚の旨味が染み出たスープも捨てずにお使い下さい。

かもめ屋 ライトツナフレーク水煮・食塩不使用
まぐろ水煮フレーク・準高級品


こんなツナ缶です


おねだん
ちょっと高い(250円くらい)
魚の種類
生産状況に応じてキハダマグロ、メバチマグロを併用(ライトミート)
液汁の種類
水煮(食塩を使わず、塩分のない野菜スープのみで調味)
身のほぐし方
やや細かいほぐし肉

おすすめの食べ方
高性能なツナ缶で、サラダやサンドイッチなど冷たい料理にとどまらず、お茶漬けなど温かい料理も好適。
離乳食の適性あり。食塩相当量1缶0.1g。



解説:こだわり炸裂のライトミート塩抜き水煮缶


 かもめ屋は油漬・水煮の二本立でツナ缶を企画するファブレス企業。「美味しくて安心安全」を至上命題としたツナ缶を市場に送り出し、一定のファンを獲得している。本品は6年ほど前の2015年春に取り上げたかもめ屋ライトツナ(水煮)を2017年にリニューアルしたもので、食塩不使用への転換によって介護食や離乳食にたいへん使いやすい製品になった。中身にも缶にもこだわった結果。ライトミート内でぶっちぎりの高価格220円/缶になってしまった。食塩相当量もツナ缶ブログ全百八十数缶の中でぶっちぎり最少の「0.1g」。0.1g入る理由は、マグロの身にある海水の塩分から。
 それでも缶詰に詳しい方ならこの価格でも相当無理をしているということがおわかりいただけるはずだ。ツナ缶ではめっきり見なくなった北海製罐製のアルミ缶胴。台形になる独特なフォルムが特徴的で、ついでに全部アルミ缶で捨てられる。

 伊藤食品のOEM。宝幸の国産ツナ缶もここが作ってる。本品はかもめ屋直売のほか、一部オーガニック食品店や楽天24でも購入できる。製造から二ヵ月ほどの若いロット。
 

☆缶を開けたところ



 身の細かさは旧製品と据え置き。しかし、塩分を抜いた代わりに野菜の下味が強くなった。塩抜きの水煮で食塩相当量0.1gのスペックとは思えないほど液汁に味が付いている。水煮特有のパサパサも控えめ。野菜スープの味が良い意味で個性的。他の水煮缶と一緒に食べると更に個性が際立つ、しょっぱさベースに少々のすっぱさ。パンチが効いてるため、普通の水煮缶と思っていると度肝を抜かれるだろう。だが、確かに塩の味がほとんどしないのだ。それでいて、油漬缶のノリで料理に使うことができるし、温かい料理冷たい料理どちらにも高い適性を発揮する。
 
 ライトミートとしては高価なツナ缶だが、高価な理由をストーリーと味の両方で説明して、消費者を納得させる。リピーターが多いのも納得のツナ缶に仕上がっている。
 
 なお、本品はソレドコに寄稿した「ツナ缶はこんなにも種類がある……! 160種あまりのツナ缶を食べたツナ缶マニアのおすすめツナ缶10選」でも取り上げている。2021スタイルでの再録と相なった。筆者にとってはいろいろと思い入れのあるツナ缶だ。

(この記事は、「ツナ缶の薄い本 zu-mix vol.2(2017.3発行,絶版)」で実食した(No.67)かもめ屋水煮食塩不使用の再録です。希望小売価格や解説のブラッシュアップをおこないましたが、2021年現在も中身や仕様に違いはありません)
 

☆各種評価


・グレード ★★★★☆ 3.8 
・価格   ★★★★☆ 3.7 #220円/缶 直売の値段
・味覚評価 ★★★★☆ 4.5 #かもめ屋水煮に比肩し、別の方向性を示した
・入手性  ★★☆☆☆ 2.0 #楽天24で買えるだけ良心的か
・原産国  国産

☆スペック


内容量 80g
61kcal/缶 食塩相当量0.1g タンパク質13.8g
原材料 まぐろ、野菜スープ
JAN:4992552000095 製造固有記号なし
販売者 (株)かもめ屋(静岡県静岡市清水区草薙2-18-31) 製品ページ
製造所 伊藤食品(株)(静岡県静岡市清水区幸町2-67)
Tuna canning review No.67b

ツナ缶スーパーリンク!


(No.176)ワイルドアルバコア

→ビンナガ水煮との対比。値段は一回り高い。個人的にはかもめ屋のほうが好き。炊き込みご飯にするならワイルドアルバコアすね。

(No.125)パルシステムの水煮・食塩不使用

→他社で似た仕様の競合品で、こちらのほうが安価。パルシステムも決して悪いツナ缶ではないが、ツナ缶としてのスペックが違いすぎる。ユニオンリアルドとユニオンフラッグくらい違う。

(No.135)モンマルシェ水煮ソリッド

→水煮ソリッドはニッチ市場ですね。高けりゃうまいというわけでもなく、400円で4.3点にとどまる。

(No.46b)JF和歌山 まぐろ水煮

→このくらい本格的だとどうにか比肩するか。

(No.18)まぐろ水煮(旧製品)

→2015年の記事。旧製品は食塩を使っていた。缶のデザインが大きく変わり、銀色ベースから水色に大転換したのがわかる。味の解像度をオミットせずに食塩抜いたのは「魔法」としか言いようがない。いわばリミットレギュレーション前のツナ缶がこいつということなので、食塩あってもいい使い方ならばこっちは4.9点付けられる。
#かもめ屋 #めずらしいツナ缶 #ヨドバシドットコムで買えるツナ缶 #伊藤食品 #気合の入ったツナ缶レビュー #水煮

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185缶 マグロの王様!クロマグロの国産ツナ缶 信田缶詰・本まぐろステーキの実食と解説

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まぐろの王様と呼ばれる“本まぐ... まぐろの王様と呼ばれる“本まぐろ”使用!肉厚にカットした本まぐろをやさしい甘さの醤油だれに煮付けました。

信田缶詰(SIK) 本まぐろステーキ
本まぐろ煮付け・高級品


こんなツナ缶です


おねだん
けっこう高い(500円前後)
魚の種類
クロマグロ(ライトミート)
液汁の種類
甘い醤油ダレ
身のほぐし方
ぶ厚いかたまり肉

おすすめの食べ方
そのまま食べる。あぶらっこいから、リーフレタス添えるといいかも



解説:珍しい国内製本マグロ(クロマグロ)ツナ缶


 青魚の缶詰に定評のある銚子の缶詰会社、信田缶詰の2021春新商品。輸入した本マグロを四角く切って、マグロ味付缶みたいに醤油で漬けたもの。
 本マグロツナ缶について、2021年初めに輸入品が、それより前に味付缶で国産品のものがごく僅か出回っていたことを観測している。本品は、百貨店やヨドバシなど比較的広い販路で流通した点で、それら先発品と一線を画している。
 
 青色のスリーブに、(普通のP4号缶とくらべ)細くて高いT3号缶が入っている。原材料の品目が非常に少なく、缶詰ならではの引き算の美学を体現している。
 味付缶でカロリーをおさえているが、脂質がやや高い(9.3g)ように思える。2021.6製造。

☆缶を開けたところ


  
 タレの良い香りがする。キハダより濃い色。
かたまりの肉がサバ缶のように詰められていて、ステーキの名前から期待できる通りの見た目になっている。身は第一印象より柔らかく、オーシャンプリンセス鮪とろ・炙りビントロといったやわらかツナ缶筆頭を凌駕するほど。そのかわり、これらのツナ缶以上に「あぶらっこい」。カロリーの値からは全く想像できなかった。タレや魚のしょっぱさは気にならない。

 前例がないほどやわらかく、前例がないほどあぶらっこい。料理で使うとなると、この特質をうまく乗りこなす経験と技術が求められる。筆者個人としてはそのまま食べるのをお勧めしたい。
 
 たとえ本マグロでも、ツナ缶としての扱いはライトミート。
 魚体の価格に反して品質を上げづらいことから、多くのプロダクトが企画段階でこけて、うまくリリースできても凡退して、市場に根付くことができなかった。このクオリティを見るに、過去製品とは異なり一定以上のポジションで根付いてくれるだろう。というか根付いてくれ。そうすると「本マグロのツナ缶もあるんだ」って説明しやすいから。おねがいします。
 
 

☆各種評価


・グレード ★★★☆☆ 4.2 
・価格   ★★★★★ 4.5 #449円 ヨドバシ・ドット・コム
・味覚評価 ★★★★★ 4.5 #
・入手性  ★★☆☆☆ 1.7 #自社通販、ヨドバシ、百貨店など
・原産国  国産

☆スペック
固形量65g / 内容総量85g
198kcal/缶 食塩相当量0.9g タンパク質14.0g
原材料 本まぐろ(輸入)、砂糖、醤油(一部に小麦・大豆を含む)
JAN:4907982051203 製造固有記号BTC/A SIK
製造者 信田缶詰株式会社(千葉県銚子市黒生町7400-7) 製品ページ
Tuna canning review No.185

☆参考資料
・「クロマグロを缶詰に/信田缶詰が新発売「本まぐろステーキ」」日刊水産経済新聞 2021.5.26
https://www.suikei.co.jp/?p=82603

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☆補遺


 めざとい方はお気づきかもしれないが、本品は蒸煮(加工前にマグロの肉を蒸す)の是非を明言していない。ゆえにツナ缶の定義から若干ずれた製品だが、マグロを調味液に漬けて密封・加熱殺菌しているため、便宜上味付ツナ缶の仲間に入れた。この若干のレギュレーション違反に目をつぶることで、当ブログは木の屋石巻水産(No.116)黒潮町缶詰製作所(No.89)といった隠れた日本の名作缶詰を収録・網羅できている。狭義のツナ缶のみを取り上げたほうが正確性に長けるのは事実。それはそう。でも、
 
 "ツナ缶(マグロ・カツオの油漬、味付)"

 にして、ツナ缶やツナ缶っぽい水産缶詰、ツナ缶の駅弁まで載ってたほうが、面白いじゃない。(補遺ここまで)
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ツナ缶スーパーリンク!!



(No.44)[EOL]Lily きはだまぐろのとろハラス

→横長の缶にキハダマグロの肉厚たっぷり。そういうツナ缶だ。終売。500円くらいした。

(No.111)FÁBRICA DE CONSERVAS:Filetes De Atum Em Azeite Virgem Extra Bio

→海外ツナ缶。横長の缶にビンナガマグロの肉厚たっぷり。そういうツナ缶だ。入手困難。800円くらいした。

(No.105)伊豆川飼料 とろつな

→丸い缶にキハダマグロの小さいとろ肉。そういうツナ缶。箱付きでありながらスーパーリンクの中で一番安い、実売400円弱が魅力。とにかくカジュアルなお土産に便利。

(No.173)炙りビントロ(2020)

→ツナ缶・オブ・ツナ缶。毎年ロット違いのコレを缶詰の日に合わせて開けるのが恒例だったが、今年は趣を変えて本まぐろステーキになった。600円くらい。
#みなみまぐろくろまぐろ #めずらしいツナ缶 #味付

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176袋 大きな身の水煮ツナパウチ・阿部亀商店 WILD ALBACORE TUNA

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176袋 大きな身の水煮ツナパ... "天然ビンナガマグロに藻塩のみ... "天然ビンナガマグロに藻塩のみで味付け。そのままでも、お料理でも楽しめます。"

阿部亀商店 WILD ALBACORE TUNA
びんながまぐろ調理品(水煮)チャンク・高級品

■阿部亀商店 WILD ALBACORE TUNAの解説:


クラウドファンディングからの刺客


 宮城県は塩釜の水産加工会社によるツナパウチ。はるか昔ツナ缶の黎明期、塩釜にもツナ缶会社が点在していたが、企業の統廃合や気仙沼への移転ほかの事情でむこう半世紀くらいは製品作ったぜという記録がなかった。本品は、各地で興る小ロットツナパウチのトレンドをくみ、そこにクラウドファンディングという新機軸を用い資金を獲得している。インスタでも購入報告がちらほら
 原材料はビンナガと食塩のみ。食品添加物不使用を前面に押し出し、裏面にはアレンジレシピも書いてある。
 
 クラウドファンディングのリターンのため、通常の方法では入手できなかった。現在は阿部亀商店の通販サイトから購入できるものの、珍しいツナパウチなことに変わりない。
 11月1日のおもしろ同人誌バザールでニンジャ一般参加者から差し入れていただいた。入手困難な製品を提供頂いたこと、この場を借りて御礼申し上げたい。2020.5製造。
 

☆袋を開けたところ



 (撮影のため、中身を箸でほぐした)
 チャンクタイプのため身が大きい。塩味がやや強い。水煮の割には脂感があり、マグロの素性の良さが伝わってくる。少ない情報量をピュアに頭に届ける、ストレート系の味がする水煮パウチだ。
白くて固まってる部分はマグロの脂だろうか。

 こってりしたドレッシングよりは、サニーレタスやトマトを乗せたサラダにかけて、岩塩振って食べたいところ。

 ビンナガ水煮ツナパウチとしては、他社普及品の比ではない味。ただしビンナガ水煮というジャンルが相当ニッチなため、広がる余地が少ない点をどうブランディングするかが腕の見せ所だろう…
 シングルフローズン(冷凍が1回だけ)のマグロは三洋食品が先行、ビンナガのツナパウチも三共食品が先行しており、本品の新規性は「シングルフローズンなビンナガマグロの・水煮で・チャンクタイプの・ツナパウチ」という点に集約される。製品の売りどおりサスティナブルではあるが、この点と一食400円弱にはかりにかけ、魅力を感じるかどうか。


☆各種評価


・グレード ★★★★★ 4.6
・価格   ★★★★☆ 4.0 #388円/袋(85g)
・味覚評価 ★★★★☆ 4.5 #水煮パウチとしては優秀
・入手性  ★☆☆☆☆ 1.0 #阿部亀商店の通販サイトで買えるけど、見つけづらい
・原産国  国産

☆スペック
内容量 85g
91.8kcal/袋 たんぱく質20.1g 食塩相当量0.5g(70g換算75kcal)
原材料 ビンナガマグロ、藻塩
JAN:4580116970887  製造固有記号なし
製造者 株式会社阿部亀商店(宮城県塩竈市新浜町1丁目12-31) 製品ページ
Tuna canning review No.176
#びんながまぐろ #めずらしいツナ缶 #宮城勢 #水煮

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173缶「由比缶詰所 炙りビントロ(2020)」 2020年のツナ缶トレンドとともに

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びん長鮪のハラモ肉を軽く『炙り... びん長鮪のハラモ肉を軽く『炙り』、一枚一枚丁寧に手作業ではがしたものを、その香ばしさと共に閉じ込めました。単品ではもちろん、パスタやサラダのトッピングとしてもお使いいただけます。

由比缶詰所 ホワイトシップ印 炙りビントロ(2020モデル)
びんながまぐろトロ肉オリーブオイル漬スライス・最高級品

伝説のツナ缶みたび


 お土産ツナ缶として定着した由比缶詰所が誇るラインナップのうち、門外不出の至宝「炙りビントロ」。炙りビントロそのものの詳しい解説は、一昨年の2017モデルを参考されたい。本稿では筆者から見たツナ缶の総括、2017モデルと2020モデルの違いを中心に紹介している。

 「入手性を無視して、長井さんが最高と思うツナ缶は何ですか?」への答え。ビンナガのとろ肉を炙り、それを一つ一つ剥がし詰め、オリーブオイルに漬けたツナ缶。同様の製法を用いるツナ缶としてシーチキン炙りとろを挙げるが、あちらはキハダのとろを使ったライトミート製品で、こちらはビンナガを使ったホワイトミート製品だ。
 10月10日は筆者の誕生日で、「缶詰の日・まぐろの日」。誕生日には毎回このツナ缶と、その時に飲みたい酒を開けることを目標にして毎年生きていて、今年もこの日を迎えることがかなったのである。公開が遅れたのは単純に忙しかったから。

筆者が思う2020年期(2019.10~2020.10)のツナ缶トレンド


 新型コロナウイルス感染症が日本を脅かして既に半年以上が過ぎ、長期にわたる自粛や巣ごもりによって缶詰全体の需要が急騰した。これは2011年東北地方太平洋沖地震の後にもみられた傾向で、ツナ缶のほかにサバ缶やトマト缶、さらに製菓材料までその特需が及び、震災のころにあった保存食一辺倒の集中でなく裾野の広がりをみせている。
 また、震災当時はミヤカン・気仙沼ほてい・木の屋石巻水産(いずれも宮城県)の被災による操業停止→国産ツナサバ缶生産激減、東洋製罐(仙台工場)被災による缶胴の不足など大きな混乱があったが、今回は各社とも工場をフル稼働させて需要急騰を混乱なく乗り切った……というのが消費者としての肌感覚だ。各社とも相当な努力をもってコロナ禍に挑んだことは想像に難くないし、本ブログを目にかけてくれた関係者がいたら御礼申したいところである。
 各社のプロモーションも「巣ごもりで増える家族分のおかずをツナ缶でカバー」「帰省できない代わりに実家へツナ缶の贈り物を」といったツナ缶の可用性と保存性を前面に押し出し、急伸したサバ缶との差別化を図っていた。
 
 他の青魚缶詰(イワシ、サンマ、サバ)では、サンマの漁獲量が激減し、ミヤカンが原材料サンマの冷凍在庫を払底(アーカイブ)というニュースが影を落とした。気仙沼は10月10日にようやくサンマ初水揚げと相成っているものの、原材料サンマが補充され生産計画が立つまで同社のサンマ缶を頂くことはかなわないだろう。廉価・小型の青魚として親しまれたサンマ缶と、ブーム以降高級志向への転換が進むサバ缶。イワシ缶市場が成長し、第三の選択肢になるかどうか……
 
 また、サバ缶専門レビュアーとしてTwitterで活動を始めたサバ子氏(@sabasaba_mizuni)がサバ缶・シンギュラリティとなった点も注目したい。氏は画像1枚で1種類のサバ缶を紹介するというスタイルを取っており、読みやすいレビューと歯に着せない評価で1万人に迫るフォロワーを獲得している。氏がツルヤ(長野県ローカルスーパー)のPBサバ缶を発見し「この値段で飛び抜けた味」と評した途端、いちローカルスーパーのいちPB製品の名がSNSで轟き、消費者もまた新進気鋭のレビュアーを欲していることが見て取れた。
 
 ツナ缶以外の缶詰が盛り上がるのは需要を食い合う(競合する)のでは、と考えられがちだが、少なくとも製造側からしたら共存繁栄の関係にある。先述のサンマのように不漁が翌年の生産計画に直結するうえ、ブームやコロナの影響で消費者が殺到した時に市場全体の缶詰流通量を急に調整することができず、機会損失が積み上がりやすい。
 いっぽうツナ缶は現状こそ重量シェアでサバ缶の後追いとなっているが、需要の底が硬い。製品の精製度の差(青魚は切り身のかたまり、ツナは剥いてほぐす)から設備は大規模になり、生産量の小回りが効かない(から多めに作る→国産品の安売りが起こり利益率下がる)という欠点が、利点に変わる。ツナ缶は年内を通して需要より多めに作っているから、需給バランスの調整のために安売り競争が起こる……よって、需要急騰時は多めに作った分が安全弁として機能し、価格が元に戻るが「市場在庫の払底」は避けられる。さらにこの後ろには震災で使われた「輸入ツナ缶の輸入量を増やす」という切り札まで残っている。これがツナ缶の供給が他の安定している理由で、同時に切り札を使わなくて済むよう国産ツナ缶を日ごろから食べてほしい理由だ。日ごろから食べないといつか輸入ツナ缶のみが市場を支配しかねない……
 
 与太話はこの辺にして。前年以前のロットと見比べてみよう。

賞味期限がラベルから穴あきに


 2017ロットから再びパッケージが変わり、ラベルで2021年X月と表記していたものが、パッケージ裏面中央に穴をあけて直接缶の賞味期限を見る形になった。これはとろつな(No.105)等でみられる形態だ。また、カロリーも上方修正されている。
 炙りビントロは年を変えるごとに、その年のビンナガの脂乗りなどで味が微妙に変わる。そのため、年式ごとにわけてツナ缶レビューを書いている。本年は今春2020ロットが手に入ったため、2020年製造の炙りビントロを紹介する。

缶を開けたところ



毎年思うが身が美しい。炙り目のスモークのような香りもあるし、目で見ても口に入れても楽しい。
例年に比べ硬い気がするのは、熟成が足りてないからだろうか。

やはりそのまま食べるのが最も味がわかると思う。炊き込みご飯にしたらそのおいしさにひっくり返ってしまう。

 なお、入手性で本品の0.1点を凌駕する製品「枕崎市かつお公社 ツナまよ(No.164)」が登場した。その点数は0.03点。2013年からずっと同じツナ缶を定期的にレビューすることで、相対的にツナ缶トレンドの移り変わりが見えてくる。「伝説のツナ缶」の矜持を、私は見届けていきたい。
 
 ツナ缶に繁栄のあらんことを。

各種スペック



・グレード ★★★★★★ 6.0
・価格   ★★★★★★ 5.9 #594円/個(直売所)
・味覚評価 ★★★★★★ 6.0 #
・入手性  ★☆☆☆☆☆ 0.1 #直売所限定
・原産国  国産

内容量90g 362kcal/缶 食塩相当量0.6g たんぱく質13.8g
原材料 びん長まぐろ(国産)、オリーブ油、食塩
JAN:なし 製造固有記号IM
製造者 株式会社由比缶詰所(静岡市清水区由比429-1)
Tuna canning review No.173

■「ツナ缶スーパーリンク!!」



(No.118)炙りビントロ(2017)

→炙りビントロそのものの解説は本項が詳しい。

(No.03)炙りビントロ(2013)

→7年前に書いた、2013年産炙りビントロの記事。正直このツナ缶があったからツナ缶ブログを立ち上げたと言っても過言ではない。

(No.11)まぐろ油漬フレーク(綿実油)

→みんな好きって言うだけの理由はあるのよ。
#めずらしいツナ缶 #気合の入ったツナ缶レビュー #由比缶詰所

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157缶 和歌山の贅を詰めたツナ缶 JF和歌山・マグロ経済学 まぐろ醤油煮の実食レビュー 

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“まぐろの身を紀伊勝浦の本醸造... “まぐろの身を紀伊勝浦の本醸造しょうゆでじっくり炊きました。ほっくり優しい味わいです。”

和歌山漁業協同組合(JF和歌山)マグロ経済学
紀州の味 まぐろ醤油煮
びんながまぐろ味付けチャンク・高級品

157缶 和歌山の贅を詰めたツ...
 

本州の果てで造られる生マグロの味付缶



(本記事の「勝浦」は、特記ない限り和歌山県の「那智勝浦」です)

 本場静岡県から西に450km弱。和歌山県、那智勝浦町。国産ツナ缶の97%は静岡でつくられている(2018年)が、わずかに別の地域でも製造されている。
 読者にとってなじみ深い宮城県が数パーセント、他に高知県、和歌山県。この風光明媚な場所でごく少量製造され続けているツナ缶がある。
 筆者は過去二度にわたり勝浦へ出向き、このツナ缶を購入しているが、JF和歌山に移管したあとの製品はまだ購入していなかった。そのため、またツナ缶のためだけに勝浦まで足を運び、本缶を手に入れた。しかも今回は日帰り。
 なお、兄弟品に(No.29)オイル漬(No.46b)水煮がある。レビュー当時製造元がJF勝浦だが、現在も中身は変わっていない。
 
 今回の旅程はお礼参りでもある。2016年夏に命を吹き込んだ同人ツナ缶No.1を、十分に熟成させ、生誕の地に巡らせてやりたい。そういう気持ちがあった

 製品に着目しよう。白缶にラベルとJANコードを手貼りしてて、賞味期限は平成表記から西暦表記に変わった。当ロットは2022.6.28(令和元(2019)年6月28日製造)と、製造からまた四ヶ月程度の若い缶詰だった。
 トレードマークの「マグロの身にマグロ経済学という表記」だが、このマグロが細身で、ビンナガのような気がするが、定かでない。
 味付の材料を地場素材にこだわって、
 ・勝浦魚市場で揚がった新鮮な生まぐろ
 ・新宮市・尾崎酒造の酒
 ・那智連峰の伏流水で仕込んだ藤野醤油のしょうゆ
 ・同じく那智の伏流水で仕込んだ醸造酢
 ・海水から煮詰めた熊野黒潮本舗の食塩
 ・海南市・中野BCのみりん
 ・和歌山県産のはちみつ
 と、主要原材料はすべて和歌山県産で固めてある。これらの社名はすべてラベルに記載されているが、その社名を頼りにWebページを探し当て、フレーズを添えた。
 今回購入したのは紀伊勝浦駅から5分の「にぎわい市場」。2017年にまぐろ体験CANの隣に新しくできた観光施設で、ワンストップに勝浦の生まぐろ・お菓子・ツナ缶などを買って食べて帰れる。ただしツナ缶の人気がアツいため、品切れの際は同館の奥まったところにある酒屋さん(堀忠酒店)や、漁港の近くにある木下鮮魚店にも足を運んでほしい。なお、2019年11月現在熊野市駅前のお土産店(熊野市駅前特産品館)にも取り扱いがあったことを付記しておきたい。2019.6製造。
 
 

缶を開けたところ



 サイコロ大にカットされた身が詰められている。味付缶だが、他社普及品のような強いしょっぱさ・甘さはなく、説明文通りのゆるやかなあまじょっぱさに抑えてある。
 この大きな身からくる豊かな食感と、ご飯にも酒にもいける程度の味の濃さが魅力的。ごはん255杯も夢ではない。1杯以上やるにはちょっと少ないけど。
 
 全ラインナップ非常に完成度が高く、ご当地性も強いJF和歌山のツナ缶たち。個人的には、味とリピートしたさでオイル漬と醤油煮が突出して高い。その入手には困難をきわめるが、それだけの価値があるツナ缶である。
 

☆各種評価・スペック


・グレード ★★★★☆ 4.3
・価格   ★★★★☆ 4.5 #280円/個 にぎわい市場直売コーナー 
・味覚評価 ★★★★★ 5.0 #超高級品クラスに比肩する味付缶
・入手性  ☆☆☆☆☆ 0.2 #現地か熊野市駅前
・原産国  国産

内容量 90g
---kcal/缶 食塩相当量-g
原材料 ビンナガマグロ、みりん、しょうゆ、砂糖、はちみつ、片栗粉、酒、醸造酢、食塩、甘味料(ステビア)、調味料(アミノ酸等)
JAN:4580525740040 製造固有記号なし
販売者 和歌山漁業協同組合連合会まぐろ体験CAN(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地7-12) 製品ページ
Tuna canning review.No.157

ツナ缶スーパーリンク!



(No.29)オイル漬

→枯れたはずのびん長綿実油漬に新たな芽吹きを与えたツナ缶。同人ツナ缶1の源流となった。

(No.46b)水煮

→原材料:ビンナガ、塩、以上。ストイックにマグロを愉しむ大人の味。





~~本文ここまで~~

冬コミ(C97)で手に入れたCDの中ではこれが一番よかったです。Ashmint*のmeteor。

https://ashmint.booth.pm/items/58790
 創作女性ボーカル、疾走感のあるロック、この辺のフレーズが好きな方にはハマるはず。私はハマった。
#びんながまぐろ #めずらしいツナ缶 #味付

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