201缶 ネクストミーツ・Nextツナ 代替肉ツナ缶の実食
7月
29日
こんなツナ缶です
■おねだん
そこそこ高い(400円弱)
■
魚を使用していません!
植物性の原材料です
■身のほぐし方
細かいほぐし肉
■おすすめの食べ方
冷たい料理(サラダや冷やし中華)との相性よし
そのまま食べるのはおすすめしない
解説:ツナ缶に現れた代替肉
「畑の肉」と呼ばれた大豆を加工して、肉の味に近づける──代替肉の試みはツナ缶の産業化より古く、1907年にJohn Hervey Kellog氏が小麦と牛乳の成分で畜肉っぽい食感を再現して特許を取り、09年にBeyond Meat社が肉らしさを先鋭的に進化させて代替肉のハンバーガー用パティを発売した。このように、代替肉はアメリカが世界を牽引している。
大豆をはじめとした植物性の原材料でコンビーフの味を再現する先駆者がいて、ツナ缶も大豆で代替肉というと昔の映画やゲームに取り上げられた「完全な栄養食」としての代替肉が真っ先に思い浮かぶが、現状の代替肉は「食感の代替とアレルギー等への対応」の段階にある。将来的に完全な栄養食になるかどうかは未だ決まっていない。
植物性原材料のみで作ることによって得られるメリットとして、
・原材料マグロの政治的な事情(ex.水産資源、不漁や豊漁)に影響されない
・マグロアレルギーへの対応
・ヴィーガン対応、ハラル対応が著しく容易になる
ツナ缶すなわちマグロかカツオが必要、という常識を打ち破って、新たな消費者への、新しいアプローチが可能になるということだ。
逆にデメリットは、
・代替肉はみんな高い。本物を使うほうが安いのはツナ缶も同じ
・大豆原料のGMO(遺伝子組換え)に新たなトレーサビリティが求められる
・加工の難しさから「数」を作れない(これは価格に転嫁されている)
・相対的に限られた流通経路(数を作れない、価格が高いという単純な二点と商品価値をはかりにかけて、ニッチになってしまった)
名前こそ代替肉だが、様々な事情でマグロ・カツオを食べられない消費者にとって、唯一ツナ缶にアクセスできる手段であることは留意したい。
なお、製造元の三育フーズはベジツナという製品を出していて(賞味期限2年)、NextツナのあとにOmniツナという代替肉ツナ缶が参入している。NextもOmniも入手が難しい製品のため、買って食べるのはけっこう大変そう。
保守的だったツナ缶業界にこれら代替肉ツナ缶が入ることで、どのような波を起こすのか。ベルカ人に倣って「実食で確かめよう」。刻印が2024.1なので、たぶん2022.1製造。
フタにべったりくっついている。ツナというよりはマヨネーズの香辛料のような香りを感じる。
箸で掴むが、非常に硬い。カツオより硬い。噛んでほぐしてみると、火の通ったたまねぎのような味がする。もちょもちょして、ツナの肉の感触をやわらかくしたような食感。そのまま一缶で食べるのに適さない感じ印象を受けた。
なのでツナサラダにした。野菜にNextツナを乗せ、そこにドレッシングをかける。
ドレッシング、野菜、どちらとも相性が良い。だいぶツナっぽくなってきたし、冷たい料理でツナの代わりに使う分には有効活用できそう。温かい料理(とくに汁物)に使うと繊維が分離してしまう気がする。
「ツナ水煮缶から覇気と動物性タンパク質を取り除いたやつ」。革新的なプロダクトは、本来のツナ缶はマグロやカツオの命の一部を頂くものだったのを強く実感させた。現状オーガニックな(つまり動物性原材料を使った)ツナ缶に味でかなわないが、すみわけは十分できていると思った。
再度言うが、「様々な事情でマグロ・カツオを食べられない消費者にとって、唯一ツナ缶にアクセスできる手段である」。
…たとえ代替肉ツナ缶だとしても、販売元がツナ缶を目指して製品化したのだから。私はツナ缶の一種に組み入れ、シーズン3の始まりを告げる「ツナ缶」として実食して、ここに筆をおくことにする。
☆各種評価
・グレード ★★★★☆ 4.0
・価格 ★★★★★ 4.5 #390円/缶
・味覚評価 ★★★★☆ 2.5
・入手性 ★☆☆☆☆ 1.3 #自社通販、一部の小売店
・原産国 国産
☆スペック
固形量70g/内容総量90g
219kcal/缶 食塩相当量1.45g タンパク質13.1g
原材料 粒状大豆たん白(国内製造)、植物油脂、粉末状大豆たん白、植物性粉末ブイヨン(小麦を含む)、香辛料、砂糖、塩、さとうきび抽出物/香料
※動物性の原料は一切使用しておらず、パームオイルや、牛骨炭を用いた白砂糖も使用していません。
JAN:4573534570296 製造固有記号なし
販売者 ネクストミーツ株式会社(東京都新宿区新宿一丁目 34-16 清水ビル2F) 商品ページ
製造者 セブンスデー・アドベンチスト教団食品事業部三育フーズ(千葉県袖ケ浦市浦拓1-1-65)
Tuna canning review No.201
■参考資料
・「令和元年度新たな種類の JAS 規格調査委託事業調査報告書」17-24p 日本能率協会 2020.3
https://www.maff.go.jp/j/jas/attach/pdf/yosan-25.pdf
・「代替⾁の開発と今後の展開―植物⾁と培養⾁を中⼼に―」国立国会図書館 調査と情報 No.1113 2020.9
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11538934_po_1113.pdf?contentNo=1
☆イベント参加予定
■委託参加
・8/1(月)~14(日)おもバザハンズ 静岡・広島
(静岡会場)東急ハンズ静岡店 新静岡セノバ3階
(広島会場)東急ハンズ広島店 広電立町電停そば
→ だいたい評論・情報ジャンルの本のストア販売イベントです
→ https://omobaza.com/
■直接参加
・9/25(日) 関西めしけっと6(たびちけっと5in関西)
(会場は京都)京都パルスプラザ第一会場 竹田駅からちょっと歩く感じ
→ 飲食ジャンルオンリー(二次創作可)と旅行オンリーの併催になった即売会です
→ http://meshiket.dojin.com/
・10/30(日) 九州コミティア6
(会場は小倉)西日本総合展示場AIM3階
→ 一次創作オンリーの即売会です
→ https://www.q-comitia.com/event/6_2022/
・12/29~31 コミックマーケット101
→受かったら
ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ