こんなツナ缶です ■おねだん 200円くらいの価格設定だが きわめて入手困難 ■魚の種類 ビンナガマグロ(ホワイトミート) ■液汁の種類 油漬け(綿実油) ■身のほぐし方 きれいなかたまり肉 ■おすすめの食べ方 リーフレタスの上にのっけて 油ごと豪快にいきませんか ☆解説:あらゆる国産ツナ缶のルーツになった製品 静岡県の焼津水産高校(水高)が実習科目で製造するツナ缶。毎年製造され、毎年学園祭などで保護者や地元住民にふるまわれる。 実習科目であるから、現代のサプライチェーンと効率的な生産過程とは距離を置き、より古いツナ缶の製造法に沿ってつくられて。海洋科学科の生徒が漁獲したビンナガマグロを、食品科学科の生徒がツナ缶へ加工される。 水高はツナ缶産業化の礎となったFujimaruブランドの(事実上の)製造元。Fujimaruの成功を見て清水水産や後藤罐詰(現はごろもフーズ)、名前を挙げきれないほど数多の缶詰会社が興り、競ってツナ缶を作ったのだから、今に続く国産ツナ缶の源流といっても過言ではあるまい。そんな産業化の礎となったものと変わらない製造法を百年近くにわたって堅持している。スペックから見えるかたまり肉のソリッド缶、原材料はビンナガ・綿実油・塩のみからという点で読み取ることができよう。 実習のために手作業で作られるツナ缶ゆえ、生産量と販路はきわめて少ない。他の水産校ツナ缶同様に保護者と地元民で消費されるため、めったに外に出回らないツナ缶というのが筆者(静岡市)の印象だった。 部外者は事実上入手困難なツナ缶である。それを佐賀転居の折、ツナラボのS氏から分けて頂いた。 2020.8製。東京水産振興会や焼津水産ブランドの紹介ページではF3号印刷缶となっているが、この年の製造分からラベル巻きに変わったのだろうか? ☆缶を開けたところ(開けてそのままの様子) 大きなかたまりが綺麗に詰められている。しっかりした食感と下味がしみついている。 まったく生臭くない。綿実油漬の中ではあっさりした後の引き方をしていて、同じカテゴリのシーチキンファンシーや由比缶詰所の白いやつとは離れた性格だ。 生食が一番わかりやすいが、道楽にちょっと足を突っ込んでいそう。加熱系の料理か、加熱しないならレタスやパスタにかけるだけで良いかもしれない。 焼津の地酒と一緒にぐいっといったらどうだろうか… ☆参考資料(2023.2閲覧) ■一般財団法人東京水産振興会 水産・海洋高校缶詰瓶詰図鑑 https://canbin.suisan-shinkou.or.jp/ https://canbin.suisan-shinkou.or.jp/24/ ■焼津水産ブランド 静岡県立焼津水産高等学校 びんながまぐろ油漬缶詰シリーズ http://brand.yaizucci.or.jp/maguro/701/ ~ ☆各種評価 ・グレード ★★★★☆ 4.0 ・価格 【N/A】 #だいたい200円くらいだったはず ・味覚評価 ★★★★★ 4.8 #時は巡れど中身は変わらず ・入手性 ☆☆☆☆☆ 0.1 #ほぼ水高関連のイベントのみ ・原産国 国産 ☆スペック 固形量65g / 内容総量90g ---kcal/缶 食塩相当量-g 原材料 びんながまぐろ(焼津産)、綿実油、食塩 JAN:なし 製造固有記号AC1 製造者 静岡県立焼津水産高等学校YSKG(静岡県焼津市焼津5-5-2) 製品ページ Tuna canning review No.211 ☆ツナ缶スーパーリンク!! ・(No.182)KOマートのまぐろソリッド →焼津でよく見かけるスーパーの自社ブランド。旧パッケージから数えて10年以上のロングセラーであり、帰省客が都市部への手土産として持っていくこともあるとか。水高ソリッドに味が似てると思うが、入手も容易で価格も手ごろ。いわゆるカジュアルなお土産枠。 ・(No.146)シーチキンファンシー →近代ツナ缶の祖。崩さずに出すなら缶の底(シーチキンファンシーって書いてあるほう)に缶切りを当てよう。 日本のツナ缶を日本人向けにローカライズした製品の走りがシーチキンファンシーとプリンス赤缶(No.69)。両社の違いはローンチ後の戦略がマスかニッチかという感じ。 ・(No.200)おりづるソリッド →男前で味の濃いソリッド缶。