213缶 値上げラッシュで新ジャンル「準廉価品」あらわる STIサンヨー・焼津港のかつおオリーブオイル漬の実食
4月
27日
こんなツナ缶です
■おねだん
ちょっと高い(280円)
■魚の種類
カツオ(ライトミート)
■液汁の種類
オリーブオイル
(スペイン産エキストラバージン)
■身のほぐし方
おおきめのほぐし肉
■おすすめの食べ方
パスタでフレンチ気分に
オリーブの香りが強いので、和食は相性が厳しい
☆物価高騰との戦い(2023.3開缶)
2022年以降の物価高を受け、マグロ類の魚価と物価高騰に歯止めがかからない。多くのメーカーで値上げが発表され、かつて170円/缶(小さい缶、P4号)くらいだった普及品レンジの製品が190~220円/缶くらいまで底上げされてしまった。もはや準高級品レンジである。
そんな中、カツオを使う、液汁の中身を改めるなどしてかつての普及品レンジの指標をカバーする製品がいくつか登場した。いなばヤンニョムツナ(No.207)などがそうだが、この潮流で一番新しく、2023年初頭ローンチの製品が本品「焼津港のカツオ」である。
読んで字のごとく、焼津港で水揚げされたカツオを原材料にしたツナ缶だ。
油漬、オリーブオイル漬、ガーリック(オリーブオイル)がラインナップされており、兄弟品ということになっている。
(自社通販に限るが)200円を切る価格でオリーブオイル・国産ツナ缶という点が画期的だろう。ヨドバシでは1缶から買えて275円だった。2022.10製造。
☆缶を開けたところ(開けてそのままの様子)
身は大きく、オリーブオイルの香りがする。価格で無理をしていない風をひしひしと感じる。もちろん生臭くない。
オリーブオイルの実感が強いツナ缶が好きな人にはよく刺さると思う。パスタに添えてオリーブオイルだけのペペロンチーノを作っても高級感を出せる。そのまま食べてもおいしい。
オリーブオイル漬というカテゴリ自体、高級品と廉価品の二極化が油漬カテゴリの中で最も進んでいて気がかりだった。そのような中で「準廉価品」という普及品に近い価格帯がカバーされたことは歓迎すべきだろう。人に勧めやすくなった。
~
☆各種評価
・グレード ★★★☆☆ 3.2
・価格 ★★★☆☆ 3.5 #275円/個
・味覚評価 ★★★☆☆ 3.0 #無難さとプレミアムを両立
・入手性 ★☆☆☆☆ 1.3 #自社通販とヨドバシで買える
・原産国 国産
☆スペック
内容量 70g 大和製缶アルミ/P4号缶
190kcal/缶 食塩相当量0.98g タンパク質13.4g
原材料 かつお(国産)、オリーブオイル、食塩、野菜エキス/調味料(アミノ酸等)
JAN:4953685005159 製造固有記号なし
製造者 株式会社STIサンヨー(静岡県焼津市焼津5-7-3) 製品ページ
Tuna canning review No.213
☆ツナ缶スーパーリンク!
・(No.133)プリンス銀缶
→より和食に強い。2019年に164円、2023年に237円。73円/缶高くなった。ツナ缶は40~90円近く値上がりしたと考えられ、グレード評価も執筆時点での物価スライドを考慮する。執筆時点でビンナガを使う銀缶のほうが安いのは①製造時期の違いと②新製品のほうは当面価格を改めずに済むようにするためである。つまりここまで読んだ人だけが得をするのだ。
・(No.86)新オリーブオイルツナ
→さらに高級化したもの。2017年執筆当時216円で、2023年に259円。これも2023年春の時点で価格が逆転している。同じくここまで読んだ人だけが得をするのだ。読んでくれてありがとうね。