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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(61)『流星の絆』東野圭吾(講談社文庫)

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今年の読書(61)『流星の絆』...
神奈川県横須賀市にある洋食店「アリアケ」の三兄妹、<功一>、<泰輔>、<静奈>は、夜中に家を抜け出してペルセウス流星群を観に出掛けている間に、両親が何者かにより刃物で惨殺されている現場に帰宅してしまいます。

三兄妹は身よりが無く養護施設で幼少期を過ごし、<静奈>が美容詐欺に会い、強く生きるためいつしか彼ら自身も詐欺師となり、裕福な男性を騙していくことに手を染めていきます。

事件から14年経過し時効を迎えようとしていた時期に、洋食チェーン「とがみ亭」の御曹司の<戸神行成>を次なるターゲットにした3人は、彼の父親の<政行>が、両親が惨殺された時間に家から出てきた人物に似ていることに気付くとともに、店の名物のハヤシライスの味が、「アリアケ」の味と同じだということが分かり、3人は<政行>が両親を殺害しレシピを盗んだ犯人だと確信するに至ります。

事件の犯人との確証がないまま<行成>に接近して<政行>を陥れるための罠を張り、警察に対して<政行>に目を向けさせるように画作じますが、<静奈>が<行成>に恋心を寄せてしまう誤算が生じます。

早読みの読者に対しては途中から犯人は<政行>だと思わせる構成で 三兄弟の奮闘が続きますが、真犯人と事件の真相は意外な結末を迎えます。
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今年の読書(60)『若冲』澤田瞳子(文春文庫)

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今年の読書(60)『若冲』澤田...
江戸時代の画家<伊藤若冲>の名前を、初めて知ったのは『なんでも鑑定団』の番組でした。日本画担当の<安河内眞美>が、鑑定されていた場面を記憶しています。

本書はその<伊藤若冲>の絵師として生きた人生を、妹<お志乃>の目線で語り、見事な構成で描かれています。

京の錦高倉市場の青物問屋「枡源」の長男<源左衛門>(=若冲)は、妻の<お三輪>の自死を契機に絵を描くという自分の世界に没頭していきます。

<お三輪>の弟<弁蔵>は、<若冲>を姉の仇と憎み、<若冲>の贋作を造り続けていきます。

早く隠居した「枡源」との確執、当時を代表する画家<池大雅>・<与謝野蕪村>や<丸山応挙>などの実在の画家との交流を絡め、京で起きた天明の大火などの史実と合わせ、壮大な物語が最後まで生き抜くことなく楽しめた一冊でした。
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今年の読書(59)『一朝の夢』梶よう子(文春文庫)

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北町奉行所の同心<中根興三郎>は、閑職の姓名掛りを務め、趣味である 「変化朝顔」 の育種に生きがいを見出し、いつかは黄色い朝顔を作り出すことを夢見ている男です。

時代は、井伊大老と水戸徳川家の確執や、尊皇攘夷の機運が高まり不穏ですが、<中根>には関係ないことでした。

「変化朝顔」の品評会などのつながりで、<飯島直孝>を通じ<宗観>という茶人と知り合ったことから、<中根>は思いもよらぬ形で江戸幕府の政情にかかわっていくことになります。

文化期から天保期にかけて江戸で流行した「変化朝顔」の話を縦糸に、開国にまつわる世情を絡めた壮大な時代構成は、なるほど「第15回松本清張賞受賞作品(2008年)」だと納得ができる密度の高さでした。

ちなみにタイトルの「一朝の夢」は一日花としての 「朝顔」 の別名であり、「変化朝顔」については、<朝井まかて>の 『ぬけまいる』 や<田牧大和>の 『花合せ 濱次お役者双六』 などにも面白く登場しています。
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今年の読書(58)『職業としてのAV女優』中村淳彦(幻冬舎新書)

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今年の読書(58)『職業として...
本書『職業としてのAV女優』は、アダルトビデオの現場で起きていることはすべて、需要と供給の市場原理で説明できることを教えてくれています。

21世紀に入ってからのAV業界の大きな変化は、供給の爆発的な増加です。かってAV女優になるのは、家庭などに複雑な事情のある女性たちでした。今では、インターネットに「モデル募集」の広告を出すだけで、AV女優志願者がいくらでも集まるそうです。

自分の性を晒すことに抵抗がなくなったこともあるでしょうが、著者は、一番の理由はデフレ不況だといいます。最近のAV女優の典型は、地方から東京に出てきて、働きながら看護士などの資格を取ろうとする真面目な女の子たちです。
時給900円のアルバイトでは家賃を払うと生活が成り立たない。かといってバイトの時間を増やすと学業と両立できない。こんな悩みを抱えた女の子が、短時間でできる仕事をネットで検索してAVに辿りつくとか。また、ごく普通の主婦にも広がっているとか。これもデフレ不況の影響で、夫の収入が減る一方で子どもの教育費がかさみ、生活費の不足から消費者金融でつい借金をしてしまう。その返済に困った主婦も、子育てと両立できる仕事を探していて、ネットで「モデル募集」の広告を見つけると続々と応募があるようです。

AV女優の供給過多の一方で、需要側の変化は市場の縮小とユーザーの高齢化だ。どんな作品でも売れた時代もありましたが、今はネットに無料の動画が溢れていて、若者はAVにお金を払おうとはしない。高齢化した消費者が若い女性を好まないことで、需要と供給のミスマッチはさらに拡大する。こうしてAV女優の「品質」が上がると同時に価格(出演料)が大きく下がっていきます。

デフレ不況のAV業界では、若くてかわいいだけでは相手にされない。時間や契約を守り、礼儀と常識をわきまえ、プロフェッショナルな仕事ができなければ生き残れない世界になりつつある現状が、よく理解できました。
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今年の読書(57)『ティファニーで昼食を』七尾与史(ハルキ文庫)

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<オードリー・ヘップバーン>主演の名画『ティファニーで朝食を』(1961年)を、もじったタイトルですが、室田署の新人刑事<國吉まどか>27歳は、「警視庁一のグルメ刑事」と呼ばれ、おいしいランチに目がありません。

相棒として組む35歳の<高橋竜太郎>と、ランチ談義に余念がありません。本書の副題は、「ランチ刑事の事件簿」となっています。

そんなおり、警察署の地下食堂に「ティファニー」という値段の高いレストランがオープン。天才コックの<古着屋護>は、「絶対味覚」の持ち主で、一度食べた味のレシピは完璧、相手を見ると、ピンポイントでその人物の好きな味を作り出してしまうという人物です。

<まどか>と<高橋>が担当する事件を、<古着屋>の造る料理で、解決してゆくという構成で、気楽に楽しめました。

文中 「ドS刑事」 のドラマが登場、著者の遊び心に、ニヤリとしてしまいました。
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『ジーヴズの事件簿シリーズ』@文藝春秋

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『ジーヴズの事件簿シリーズ』@...
文藝春秋は26日、皇后<美智子>さまが誕生日に公表されたお言葉にあった「ジーヴズ」が注目を集め、1週間で2度の重版を決定したと発表しています。<美智子>さまは10月20日の誕生日の際に、来年の退位後に多忙で出来なかった読書を楽しみにしていることや、すでに待機している本があるとコメント。その本の中にジーヴズがあると明かされていました。

文藝春秋は<美智子>さまのお言葉を受けて、<ペルハム・グレンヴィル・ウッドハウス>『ジーヴズの事件簿 才知縦横の巻』『ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻』(ともに文春文庫)の重版を決定しました」と文書で発表。累計発行部数も「才知縦横」が7万8000部、「大胆不敵」が6万4000分となったといいます。

<美智子>さまのお言葉が発表されてから、全国の書店、読者から問い合わせが相次いだといい、22日にそれぞれ1万5000部の重版を決定しましたが、その後も勢いは衰えなかったことから、さらに各2万部の重版を決定しています。

「ジーヴズ」は、英国のユーモア小説の巨匠、<P・G・ウッドハウス>(1981年10月15日~1975年2月14日)が生み出したスーパー執事のシリーズで、本場・英国でも根強い人気を誇っています。ミステリーの女王として知られる<アガサ・クリスティ>もファンでした。「ジーヴズ」シリーズは、若き貴族<バーティ・ウースター>が語り手となり、彼が巻き込まれるさまざまなトラブルを、スーパー執事の<ジーヴズ>が解決するのが定番。この2人のコンビは英国では国民的人気を誇っています。
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今年の読書(56)『優雅で野蛮な女になる方法』光野桃・齋籐薫(新潮文庫)

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今年の読書(56)『優雅で野蛮...
著者のお二人は、20代半ばの頃に同じ雑誌部編集部の同僚だったようです。

本書は、1998年7月から2001年1月まで雑誌『フィガロ・ジャポン』で連載されていたエッセイを本にまとめたものです。同じテーマで、「私はこう思うの、あなたはどう思う?」「そうね、私は・・・」というお手紙のやりとりのような構成になっていて、女性同士の会話のスピード感そのままの文章で、ハイレベルな「女の井戸端会議」という印象が残りました。

特に色に関する項目「赤の口紅」・「グレー」・「白い服」・「色もどり」などは、男と違った視点が感じられ、面白く読めました。

常にョ性の美と生き方に前向きな姿勢に、お二人のエネルギッシュさがあふれている一冊でしたが、男性としては少し肩がこる内容でした。、
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今年の読書(55)『世界から猫が消えたなら』川村元気(小学館文庫)

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今年の読書(55)『世界から猫...
主人公は郵便配達員として働く30歳の<僕>で、猫と<キャベツ>と暮らしています。

そんな<僕>が、脳腫瘍で余命わずかと宣告されます。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分と同じ姿をした男が待っていました。その男は「悪魔」だろいい、「この世から、何かを消す。その代わりに寿命が一日伸びる」という取引を持ちかけられます。

<僕>は、「何かを得るためには、何かを失わなくてはならな」ということで、悪魔との取引に応じてしまいます。

まずは電話・映画・時計と消していきますが、その過程で、<僕>は大切なことに気が付くのです。
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今年の読書(54)『幻のお好み焼きソース』松宮宏(徳間文庫)

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今年の読書(54)『幻のお好み...
「そばめし」 発祥の地として神戸新長田地区界隈を舞台としているだけに、神戸っ子としてはすごく楽しめました。

長田のお好み焼きに欠かせないソースを造り続けている間口ソースが、高利貸しから借りた借金のためにつぶれるということを知った人情暑い三代目川本組の親分<川本甚三郎>は、伝統ある間口ソースを絶やさないためにも会社再建のために一肌脱ぎ、神戸で開催されるB級グランプリに出場するお好み焼き「駒」のために子分共々奔走します。

登場してくる地名や企業名が神戸に密着しているので思わず「ニヤリ」としてしまいます、

「そばめし」の元祖はお好み焼き「青葉」ですが、B級グランプリの会場として登場してくるのが、「青葉小学校」、「伍福」は 珍味処「伍魚福」 のもじり、「オリーブソース」は 「オリバーソース」 かなと思わせます。

また実際に建設される兵庫県と神戸市との 「新長田合同庁舎」 なども登場、粉もん文化の下町の熱い思いが詰まったグルメ人情物語が面白く楽しめました。
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今年の読書(53)『置かれた場所で咲きなさい』渡辺和子(幻冬舎文庫)

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今年の読書(53)『置かれた場...
2012年に刊行され200万部を超えるベストセラーになった本書ですので、すでに読まれた方も多いと思います。

著者の<渡辺和子>(1927年2月11日~2016年12月30日)さんは、キリスト教カトリック修道女 (修道女名:シスター・セント・ジョン)であり、1963年、36歳にて 岡山県ノートルダム清心女子大学の学長に就任。1990年、学校法人ノートルダム清心学園の理事長に就任という経歴の持ち主です。

本書で初めて知りましたが、陸軍教育総監だった父<渡辺錠太郎>は、昭和11(1936)年2月26日、自宅で青年将校らの銃弾を浴びて射殺されましたが、彼女は座卓の陰に隠れその現場を目撃、難を逃れたという2・26事件の悲惨な経験者という事実に驚愕するとともに、本書にて述べられている言葉の一つ一つが心に重く響く一冊でした。
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