著者の代表作ともいえる 『ストロベリーナイト』 で始まる<姫川玲子>シリーズの 『ルージュ 硝子の太陽』 に次ぐ最新刊『ノワール』の広告の横に本書が出ていました。未読(2013年4月25日文庫本刊行)ということで読んでみたのですが、「誉田哲也史上最大の”問題作”のコピー通り、私は、好きな内容ではなく、最後まで楽しむことはできませんでした。
高校の同級生の少年が運転するバイクで、自宅近辺とは関係ない遠方地で、轢かれ死亡した姉<涼子>の死の真相を探ろうと妹の<結花>は、姉と同じ高校に入学し同じ写真部に入部します。
やがて姉が音楽教師の<羽田>と不倫関係にあり、校内で現場を目撃された同級生の<菅井清彦>と<香川瞬>に口止めとして体を提供していた事実を知らされます。また<菅井>は盗んだバイクで姉をひき殺した人物でした。
私としては、優柔不断の音楽教師の<羽田>や、<涼子>をもてあそぶ<菅井>や<香川>の行動が胸糞悪く、文中<涼子>自身の性格描写が少なく人物像がつかめない展開で、妹の目線だけの姉の描写では、市の真相を読者に分からせるには無理があるように思え、エンタティメントとして楽しむことができませんでした。
たしかに小説としての構成自体の賛否両論というよりも、好き嫌いのが出る問題作だと思います。
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