ブログスレッド
- 今年の読書(11)『ノワール 硝子の太陽』誉田哲也(中公文庫)
<誉田哲也>ファンとして、前回読んだ 『月光』 は、あまり評価できませんでしたが、本書は誉田作品を読んできたファンとして楽しめる内容でした。
ただ、本書は登場人物と事件が過去の作品とリンクしていますので、『歌舞伎町セブン』 と 『ルージュ 硝子の太陽』、 できれば『ジウ』シリーズ (Ⅰ) ・ (Ⅱ) ・ (Ⅲ) を読んでから読まれたほうが、登場人物たちの背景が分かり、より楽しめます。
沖縄の反米活動家の老人がが米軍の車で死亡する事故を契機に、反米軍基地反対のデモが各地で起こる中、左翼の親玉<矢吹近江>が公務執行妨害という別件で逮捕されますが、取り調べ中、沖縄問題を取材していたフリーライターの<上岡慎介>が覆面集団にめった刺しされ殺害されます。また彼は犯人は米兵ではないかとと思われる一家殺害事件を追っていました。
殺害された<上岡>は、闇の殺人集団「歌舞伎町セブン」のメンバーであり、首領の<陣内陽一>は、メンバーである<小川>刑事の情報により、仇討ちを図ります。
そんな折、日米安保条約を破棄させることを目的として、官房副長官の娘が誘拐される事件が発生、誘拐メンバーは、<上岡>殺害メンバーであり、<陣内>たちが立ち上がります。
日米間の政治性を含んだ作品ですが、沖縄で繰り返される日米地位協定の矛盾と不幸の歴史は、今回の犯罪グループでなくても義憤に駆られます。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ