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神戸:ファルコンの散歩メモ

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  • ハッシュタグ「#本」の検索結果1154件

今年の読書(120)『世界記憶コンクール』三木笙子(創元推理文庫)

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今年の読書(120)『世界記憶...
明40年頃を舞台として、小さな出版社「至楽社」の記者<里見高広>を主人公に据え、探偵ホームズ役を担っています。

<高広>の雑誌の表紙絵を描いている絵師<有村礼>は美麗の顔立ちで、人気画家の立場でワトソン役を務めています。

副題として<帝都探偵絵図>と銘打たれ、明治の世相を反映した5編が納められていますが、市井の中で起こる事件を人々の交流、父と子の関係を通して解決に導いていきます。

本書は『人魚は空に還る』に続く2巻目ですが、<高広>を取り巻く脇役も個性があり、あえて時代設定を明治時代にしたことが楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(119)『カラット探偵事務所の事件簿2』乾くるみ(PHP文芸文庫)

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今年の読書(119)『カラット...
本書は前作の 『カラット探偵事務所事件簿1』 に次いでの第2巻目になります。

所長の<古谷謙三>と<俺>こと元新聞記者の<井上>は30歳、高校の同級生ですが、よくある浮気調査や信用調査などを行わず、「謎解き専門の探偵事務所」として閑古鳥がなく体裁ですが、資産家の<古谷>は気にもせず、自分の頭脳を駆使できる事件だけを楽しみにしています。

本書も前作同様に<古谷>が推理して解決した事件を、<俺>の語り口で事件簿として記録されています。

殺人事件などの推理物ではなく、日常生活の中から起こる何気ない事件を取り上げていますが、読者にも推理の種を提示しながら構成は、さすがと感じさせる<乾>ワールドが楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(118)『浮かぶ瀬もあれ』白川道(幻冬舎文庫)

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今年の読書(118)『浮かぶ瀬...
著者自身の自伝的小説で、ほぼ経歴通りの筋書きの時代背景は、「いざなぎ景気」の昭和44(1659)年を舞台としています。

主人公<梨田雅之>は23歳、大阪でひと稼ぎして師匠<砂押>の薦めで東京の広告会社に入社した新入社員の立場から物語は始まります。

バブル景気で潤う会社の派閥争いと出世競争に嫌気を指しながらも、上司やクライアントたちと銀座のマダムが経営する隠れ雀荘で一晩300万が動く賭博麻雀を楽しむかたわら、ママの妹の大学生<水穂>と、会社の同僚<めぐみ(通称ベティー)>との逢瀬を楽しむ地墜落的な心の動きを『病葉』に例えて描き切っています。

大学時代 には、<雀荘荒らし>といわれた麻雀からも遠のく生活をしていますが、麻雀をたしなまない方には理解できない牌の打ち回し場面には、昔の血が騒ぎました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(117)『ダイナマイト・キッドなんか大嫌い』山本甲士(中公文庫)

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今年の読書(117)『ダイナマ...
短篇4話が納められていますが、主人公<鏡愛香>は身長156センチ、体重80キロ近くある刑事組織犯罪対策課に勤める新米巡査です。

上司の<菅牟田>の情報屋の<相賀大>は、ウエイトトレーニングの指導をしながら、顔の広さを利用して各方面の情報を集めるのに秀でており、定年まじかの<菅>は、<愛香>に引き継がせようとします。

この<相模>は、<愛香>が子供の頃に離婚した母親が付き合っていたこともあり、子供心にいい印象を持っていません。
筋肉ムキムキの<相賀>は、ウエイトトレーニング理論を駆使しながら、<愛香>が遭遇する事件の推理を手伝う構成になっています。

ちなみにプロレスファンならご存じだと思いますが、<ダイナマイト・キッド>は日本でも活躍したイギリスの元プロレスラーです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(116)『ルーキー』堂場瞬一(中公文庫)

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今年の読書(116)『ルーキー...
(中公文庫)として著者には、 「刑事・鳴沢了」シリーズ や 「警視庁失踪課・高城賢吾」 シリーズ がありますが、本書も25歳の新人刑事<一之瀬拓真>を主人公に、シリーズ化となりそうな文庫描き下ろし作品です。

3年間の交番所勤務を終えた<一之瀬>は、住居の少ない千代田署刑事課強行犯係に転属、管轄地域はビジネス街で窃盗犯が多い中、配属初日に殺人事件が発生。48歳の先輩刑事<藤島一成>とコンビを組み、初めての殺人事件の捜査に乗り出します。

恋人<深雪>とのデートもままならない中、<一之瀬>は刑事としてのイロハを、先輩刑事の<藤島>から教わりながら、第一歩を踏み出していきます。

物語全体が、<一之瀬>の目線で描かれていますので、新人としての彼の思考過程が読者に共感を覚えさせ、この後一人前になってゆく過程が楽しみな新シリーズになりそうです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(115)『永遠』小手鞠るい(角川文庫)

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今年の読書(115)『永遠』小...
短大に非常勤講師として務める<由樹>は、39歳です。
19歳の時、高校の親友である<菜々子>の下宿先の部屋で、2歳年上の<菜々子>の彼、政治家の秘書をしている<真山昇平>に体を奪われてしまい、<菜々子>とも疎遠になってしまいます。それ以降、心の隅で愛情と憎しみの裏表を<真山>に感じながら、人生を過ごしてきています。

自らも一度は見合い結婚で4年ばかりの生活を海外で過ごすのですが、夫と触れ合う気持ちが生まれずに離婚してしまいます。

32歳の時に再開した衆議院議員の<柏井惇>の愛人としての立場で幸せを感じているとき、その彼の秘書として<真山>が登場、昔の思い出が甦ってきます。

二人の男の間で揺れ動く女性の心理を見事に描き切っており、結末は一抹の安堵感を与えてくれていますが、最後まで展開が読めない緊張感のある文章が続く一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(114)『邪悪領域  新宿署特命捜査班』南英男(徳間文庫)

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今年の読書(114)『邪悪領域...
主人公は新宿署の警部<刈谷亮平>で、キャリアの上司を殴ったことをきっかけに免職の危機のとこ、署長から表に出ない操作をする「密命捜査班」の主任を任されます。

4人のメンバーは表向きは捜査資料室のスタッフという閑職ですが、それぞれに個性ある人材で、各種の事件をスピード解決してきています。

今回は、元ショーダンサーで<刈谷>の情報屋だった女性が扼殺され、同時に麻薬捜査官が一人拉致される事件が起こります。

二つの事件につながりを感じた<刈谷>は、メンバー共々地道な捜査を始めていきます。
警察関連モノがお得意な著者だけに、捜査の流れや警察内の隠語などが随所に散りばめられ、小気味よい文章で楽しめました。
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今年の読書(113)『化学探偵Mr.キュリー』喜多喜久(中公文庫)

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今年の読書(113)『化学探偵...
著者は東大大学院薬学系研究科修士課程修了の経歴を持ち、現在は大手製薬会社の現役研究員として小説を書いています。

本書は、四宮大学の理学部化学科の<沖野春彦准教授(通称Mr.キュリー)>を探偵役に、庶務課に勤務する新人職員の<七瀬舞衣>とのコンビで、大学内で起こった5つの事件を解決する短篇集です。

校内で掘られた穴から見つかった化学式の暗号、癌に対する「ホメオパシー」での医療問題、「クロロホルム」の実際の効用等、理系でなくても楽しめる内容です。

著者の得意分野である化学の知識をわかりやすく散りばめ、事件の推理の元となる構成は、面白く読めました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(112)『日本の聖域』「選択」編集部編(新潮文庫)

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今年の読書(112)『日本の聖...
本書は、会員制情報誌「選択」に掲載された26の組織や制度の裏面を暴く、緻密な取材記事でまとめられています。

全体は3部の構成で組まれ、第1部は「生命保険業界」の名ばかりの<総代制度>や、「パチンコ業界」と警察との関係といった<欲望が生み出す闇>の世界、第2部は外務省の裏金作りの砦「国連大学」をはじめ「ペットブーム」にまつわる<とがめるものなき無為無策>の世界、第3部は「医系技官」や「食品安全委員会」などの<国民の背信行為は続く>の世界とまとめられています。

単行本は平成22年に刊行、文庫本は加筆訂正されて平成24年11月に発行されていますが、今読み直しても体質的に官僚主義や護送船団方式の体制は変わることなく続いています。

現状の詳細を掲載できない新聞やマスメディアのジャーナリズムとしての使命感を疑問視すると共に、地道に告発を続けている「選択」というメディアが存在することに、一抹の希望を感じました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(111)『シングルマザー』真田コジマ(ポプラ文庫)

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今年の読書(111)『シングル...
30歳を過ぎた<枝里>は、子供に暴力をふるう夫と別れ、一人で子育てをしています。
就職の面接活動のときにベビーシッターを雇うのですが、来たのは20歳の専門学校の男の子<知己>でした。

何回か会ううちに<知己>に恋心を抱くのですが、一回り年上ということもあり、本気になれないまま自然と別れることになるのですが、この話がいい伏線になっています。

この伏線の物語と、子供のいるサラリーマン家庭の家族の状況や夫側からみた夫婦感の物語が交互に8編納められています。どのような結末になるのか、読者に疑問を感じさせながら、最終章で「あっ」と驚かせるまとめ方で感心しました。

市井の家族の絆を中心に据え、恋愛や家族の感情をうまく表している作品でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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