今年の読書(112)『日本の聖域』「選択」編集部編(新潮文庫)
9月
19日
全体は3部の構成で組まれ、第1部は「生命保険業界」の名ばかりの<総代制度>や、「パチンコ業界」と警察との関係といった<欲望が生み出す闇>の世界、第2部は外務省の裏金作りの砦「国連大学」をはじめ「ペットブーム」にまつわる<とがめるものなき無為無策>の世界、第3部は「医系技官」や「食品安全委員会」などの<国民の背信行為は続く>の世界とまとめられています。
単行本は平成22年に刊行、文庫本は加筆訂正されて平成24年11月に発行されていますが、今読み直しても体質的に官僚主義や護送船団方式の体制は変わることなく続いています。
現状の詳細を掲載できない新聞やマスメディアのジャーナリズムとしての使命感を疑問視すると共に、地道に告発を続けている「選択」というメディアが存在することに、一抹の希望を感じました。