今年の読書(115)『永遠』小手鞠るい(角川文庫)
9月
26日
19歳の時、高校の親友である<菜々子>の下宿先の部屋で、2歳年上の<菜々子>の彼、政治家の秘書をしている<真山昇平>に体を奪われてしまい、<菜々子>とも疎遠になってしまいます。それ以降、心の隅で愛情と憎しみの裏表を<真山>に感じながら、人生を過ごしてきています。
自らも一度は見合い結婚で4年ばかりの生活を海外で過ごすのですが、夫と触れ合う気持ちが生まれずに離婚してしまいます。
32歳の時に再開した衆議院議員の<柏井惇>の愛人としての立場で幸せを感じているとき、その彼の秘書として<真山>が登場、昔の思い出が甦ってきます。
二人の男の間で揺れ動く女性の心理を見事に描き切っており、結末は一抹の安堵感を与えてくれていますが、最後まで展開が読めない緊張感のある文章が続く一冊でした。