今年の読書(119)『カラット探偵事務所の事件簿2』乾くるみ(PHP文芸文庫)
10月
5日
所長の<古谷謙三>と<俺>こと元新聞記者の<井上>は30歳、高校の同級生ですが、よくある浮気調査や信用調査などを行わず、「謎解き専門の探偵事務所」として閑古鳥がなく体裁ですが、資産家の<古谷>は気にもせず、自分の頭脳を駆使できる事件だけを楽しみにしています。
本書も前作同様に<古谷>が推理して解決した事件を、<俺>の語り口で事件簿として記録されています。
殺人事件などの推理物ではなく、日常生活の中から起こる何気ない事件を取り上げていますが、読者にも推理の種を提示しながら構成は、さすがと感じさせる<乾>ワールドが楽しめました。