「第93回アカデミー賞」のノミネーションが、アメリカ現地時間3月15日に発表されています。
作品賞、主演男優賞、監督賞など最多10部門でノミネートを果たしたのは、第14回アカデミー脚本賞を受賞した脚本家の<ハーマン・J・マンキーウィッツ>が『市民ケーン』(1941年・オーソン・ウェルズ初監督作品)を生み出すまでを描いた『Mank/マンク』です。Netflix作品として初の作品賞受賞に期待がかかっています。
次いで6部門の候補となったのは、現代のノマド(遊牧民)として季節労働の現場を渡り歩く女性を主人公とする 『ノマドランド』 (2021年3月26日・日本公開)です。同作の<クロエ・ジャオ>が監督賞を受賞すると、アジア系女性として初の快挙となります。また過去に2度主演女優賞に輝いている <フランシス・マクドーマンド> が、今回も同部門にノミネートされています。なお同作は、 「第78回ゴールデングローブ賞」映画部門のドラマ部門作品賞 を受賞しています。
さらに<アンソニー・ホプキンス>が認知症の父を演じた 『ファーザー』、アメリカに移住した韓国人一家を描く 『ミナリ』、Amazon Original映画『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』、ブラックパンサー党イリノイ州支部長<フレッド・ハンプトン>と同党に潜入した男の物語『Judas and the Black Messiah(原題)』、Netflix映画 『シカゴ7裁判』 も、それぞれ6つのノミネートを果たしています。
また2020年8月28日に死去した <チャドウィック・ボーズマン> が、『マ・レイニーのブラックボトム』で主演男優賞の候補に。<チャドウィック・ボーズマン>は第78回ゴールデングローブ賞 (前出) でもドラマ部門男優賞 に選ばれています。
第93回アカデミー賞授賞式は、現地時間4月25日に開催。新型コロナウイルス流行の影響で、例年より2カ月ほど遅れて実施されます。
【第93回アカデミー賞ノミネーション】
●作品賞
「ファーザー」
「Judas and the Black Messiah」
「Mank/マンク」
「ミナリ」
「ノマドランド」
「プロミシング・ヤング・ウーマン」
「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~」
「シカゴ7裁判」
●主演男優賞
リズ・アーメッド「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~」
チャドウィック・ボーズマン「マ・レイニーのブラックボトム」
アンソニー・ホプキンス「ファーザー」
ゲイリー・オールドマン「Mank/マンク」
スティーヴン・ユァン「ミナリ」
●主演女優賞
ヴィオラ・デイヴィス「マ・レイニーのブラックボトム」
アンドラ・デイ「The United States vs. Billie Holiday(原題)」
ヴァネッサ・カービー「私というパズル」
フランシス・マクドーマンド「ノマドランド」
キャリー・マリガン「プロミシング・ヤング・ウーマン」
●助演男優賞
サシャ・バロン・コーエン「シカゴ7裁判」
ダニエル・カルーヤ「Judas and the Black Messiah」
レスリー・オドム・ジュニア「あの夜、マイアミで」
ポール・レイシー「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~」
ラキース・スタンフィールド「Judas and the Black Messiah」
●助演女優賞
マリア・バカロヴァ「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」
グレン・クローズ「ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-」
オリヴィア・コールマン「ファーザー」
アマンダ・サイフレッド「Mank/マンク」
ユン・ヨジョン「ミナリ」
●長編アニメーション賞
「2分の1の魔法」
「フェイフェイと月の冒険」
「映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!」
「ソウルフル・ワールド」
「ウルフウォーカー」
以下のノミネーションは略:●撮影賞 ●衣装デザイン賞 ●監督賞 ●長編ドキュメンタリー賞 ●短編ドキュメンタリー賞 ●編集賞 ●国際長編映画賞 ●メイクアップ&ヘアスタイリング賞 ●作曲賞 ●歌曲賞 ●美術賞 ●短編アニメーション賞 ●短編実写映画賞 ●音響賞 ●視覚効果賞 ●脚色賞 ●脚本賞
『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』 (2017年)の<佐古忠彦>監督が、太平洋戦争末期の沖縄県知事<島田叡>にスポットを当て、知られざる沖縄戦中史を描いたドキュメンタリー 『生きろ 島田叡 戦中最後の沖縄県知事』 が、2021年3月20日より全国で公開されます。
1944年10月10日、米軍による大空襲で壊滅的な打撃を受けた沖縄。翌年1月、内務省は新たな沖縄県知事として、当時大阪府の内政部長だった<島田叡>を任命します。家族を大阪に残して沖縄に降り立った<島田叡>は、大規模な疎開促進や、食糧不足解消に奔走するなど、様々な施策を断行します。
米軍の沖縄本島上陸後は、壕を移動しながら行政を続けました。大勢の県民が命を落としていく中、<島田叡>は軍部からの理不尽な要求と、行政官としての住民第一主義という信念の板挟みとなり、苦渋の選択を迫られます。
戦時下の教育により「玉砕こそが美徳」とされた時代、周囲の人々に「生きろ」と言い続けた<島田叡>の生き方、考え方はどのように育まれたのか。沖縄戦を生き延びた県民たち、軍や県の関係者、遺族への取材を中心に、新たに発見された資料を交えながら、その生涯に迫ります。俳優の<佐々木蔵之介>が語りを担当しています。
今夜、「BS-TBS」にて<21:00>より、1989年4月8日より公開されました『極道の妻たち 三代目姐』の放映があります。
極道とその妻たちとの愛や権力争いを描く、『極道の妻たち』(1986年・監督:五社英雄) ・『極道の妻たちⅡ』(1987年・監督:土橋亨)に次ぐ第3弾になります。<家田荘子>の同名ノンフィクションの映画化で、脚本は<高田宏治>が担当し、監督は<降旗康男>が務めています、
関西のヤクザ、坂西組の三代目組長「坂西武雄」(丹波哲郎)が倒れて入院、妻の「葉月」(三田佳子)が一万五千人余の組員を抱えて切り盛りしていました。組長代行の舎弟頭「寺田竜吉」(成田三樹夫)は組の企業化を進めて四代目を狙っています。
そんな時、「坂西」のためなら命もいとわない子飼いの若頭補佐「赤松」(萩原健一)が出所してきます。「赤松」には権力志向ありませんが、一部の幹部に推す者がおり、三代目の死をきっかけに主導権争いが起こります。
また、「赤松」をめぐって「葉月」とクラブ{ローズタトウ}のママ、「野方操」(かたせ梨乃)は激しく女の情念の火花を散らします。「赤松」は瀬戸にある坂西の生家に「葉月」を訪ね、「寺田」が入れ札で四代目組長に決まったことを報告します。「葉月」は「赤松」に3億円を渡し「寺田との戦争に勝て!」と言い放つのでした。
「赤松」は「寺田」の知恵袋「木曽」(浜田晃)を射殺して宣戦布告、アリバイ工作のために「清美」(吉川十和子)という女を利用しますが、健気に生きる姿に惚れていきます。「寺田」は「赤松」を破門しますが、「葉月」から三代目の遺書があることを聞かされ、焦りから「赤松」と「清美」を射殺します。しかし、遺書には「寺田」を四代目組長に、「赤松」を組長補佐に指名していました。「葉月」はその遺書を破り、坂西組を自らの肩に負うことを決心するのでした。
今夜、「BS日テレ」にて<7:24>より、2002年11月2日より公開されました『たそがれ清兵衛』の放映があります。
『男はつらいよ』シリーズの<山田洋次>監督が、<藤沢周平>の短編小説を原作に映画化し、アカデミー外国語映画賞にノミネートされるなど国内外で高く評価された時代劇です。
幕末の庄内地方。海坂藩の下級武士である「井口清兵衛」は妻を病気で亡くし、幼い娘2人や年老いた母と貧しくも幸せな日々を送っていました。家族の世話や借金返済の内職に追われる彼は、御蔵役の勤めを終えると同僚の誘いを断ってすぐに帰宅してしまうため、{たそがれ清兵衛}と陰口を叩かれていました。
ある日、「清兵衛」は幼なじみの「朋江」を救ったことから剣の腕が立つと噂になり、上意討ちの討手に選ばれてしまういます。「清兵衛」を<真田広之>、「朋江」を<宮沢りえ>が演じたほか、世界的舞踏家<田中泯>が映画初出演ながら清兵衛の敵役で強烈な印象を残しています。
窮地に陥った名門サッカーチームを救うべく立ち上がった女性たちの奮闘を描いた2019年フランス制作の『原題:Une belle equipe』が、邦題『クイーンズ・オブ・フィールド』として、2021年3月19日より全国で公開されます。
北フランスのサッカーが盛んな町クルリエール。名門チームSPACの試合中に乱闘騒ぎが起こり、主要メンバー全員が出場停止となってしまいました。このままでは残りのリーグが戦えずにチームは崩壊し、町が大打撃を受けてしまいます。
不甲斐ない男たちに代わって立ち上がったのは、町の女たちでした。専業主婦、シングルマザー、セレブ妻、女子高生らサッカー未経験の彼女たちは、奇跡を起こすべく一致団結します。
出演は『コーラス』(2004年・監督: クリストフ・バラティエ)の<カド・メラッド>、『めぐりあう日』(2015年・監督: ウニー・ルコント)の<セリーヌ・サレット>、『TAXi ダイヤモンド・ミッション』(2018年・監督: フランク・ガスタンビドゥ)の<サブリナ・ウアザニ>、女子サッカーのフランス代表として89試合に出場した<コリン・フランコ>らが名を連ねています。
地下鉄サリン事件の被害者である映画監督<さかはらあつし>が、宗教団体Aleph(アレフ)として今なお活動を続けるオウム真理教の広報部長に迫ったドキュメンタリー『AGANAI 地下鉄サリン事件と私』が、2021年3月20日より全国で公開されます。
1995年3月20日、オウム真理教の幹部たちが東京都心を走る地下鉄3路線の5車両に猛毒のサリンを一斉散布した地下鉄サリン事件。
当時通勤途中で被害にあい、PTSDと神経への後遺症を抱える<さかはらあつし>監督は考え抜いた末、事件やオウム真理教と向き合うことを決意します。
事件から約20年の時を経て、オウム真理教の後続団体であるAlephの広報部長<荒木浩>と対峙します。所縁の地を訪ねる旅の中で、<さかはらあつし>監督は<荒木浩>と対話を繰り返し、友人を諭すように接しながら彼の心の内に迫ります。
今夜、「NHK BSプレミアム」にて<21:00>より、1997年11月8日より公開されました脚本家<三谷幸喜>の映画監督デビュー作『ラヂオの時間』が放映されます。
<三谷幸喜>が主宰していました劇団「東京サンシャインボーイズ」の同名舞台劇をもとに、ラジオドラマ生放送中のスタジオで巻き起こる大騒動を、<唐沢寿明>、<鈴木京香>、<西村雅彦>らの共演で描きます。
ラジオ局「ラジオ弁天」のスタジオでは、まもなく生放送が始まるラジオドラマのリハーサルが行われていました。初めて書いた脚本が採用された主婦「鈴木みやこ」は、緊張した面持ちでその様子を見守っています。しかし本番直前、主演女優が自分の役名が気に入らないと文句を言い出し、急きょ脚本に変更が加えられることになります。
そして辻褄を合わせようと次々と設定を変更していくうちに、熱海を舞台にしたメロドラマのはずだった物語は、いつしかアメリカを舞台にした壮大なスケールのドラマへと変貌していくのでした。
1980年代のアメリカ南部を舞台に、韓国出身の移民一家が理不尽な運命に翻弄されながらもたくましく生きる姿を描いた 『ミナリ』 が、2021年3月19日より全国で公開されます。
2020年「第36回サンダンス映画祭」でグランプリと観客賞をダブル受賞した作品です。
農業での成功を目指し、家族を連れてアーカンソー州の高原に移住して来た韓国系移民「ジェイコブ」でした。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを目にした妻「モニカ」は不安を抱きますが、しっかり者の長女「アン」と心臓を患う好奇心旺盛な弟「デビッド」は、新天地に希望を見い出します。
やがて毒舌で破天荒な祖母「スンジャ」も加わり、「デビッド」と奇妙な絆で結ばれていきます。しかし、農業が思うように上手くいかず追い詰められた一家に、思わぬ事態が降りかかります。
父「ジェイコブ」を、『バーニング 劇場版』 の<スティーブン・ユァン>、母「モニカ」を 『海にかかる霧』 の<ハン・イェリ>、祖母「スンジャ」を 『ハウスメイド』 の<ユン・ヨジョン>が演じています。
韓国系アメリカ人の<リー・アイザック・チョン>(42)が、監督・脚本を手がけました。
<綾瀬はるか>(35)と<西島秀俊>(49)が元特殊工作員と公安エリートの夫婦を演じた人気テレビドラマ『奥様は、取り扱い注意』(原案・脚本:金城一紀・2017年10月4日~12月6日・日本テレビ系)の劇場版 『奥様は、取り扱い注意』 は、コロナ禍の影響で2020年6月5日より公開延期となっていましたが、2021年3月19日より全国で公開されます。
特殊工作員だった過去を持つ専業主婦の「伊佐山菜美」と、現役の公安警察であることを隠しながら「菜美」を監視するやさしい夫「伊佐山勇輝」。半年前、ある出来事により「菜美」は記憶喪失になってしまい、2人は「桜井久実」と「裕司」に名前を変えて、小さな地方都市で新しい生活を始めていました。
2人が新生活を送る珠海市では、新エネルギー源「メタンハイドレード」の発掘をめぐり、開発反対派と推進派の争いが激化していました。そんな中、新エネルギー源開発の裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいる事実を公安が突き止めます。
「勇輝」が公安の協力者になるか特殊工作員だった妻を殺すかの選択を迫られる中、「菜美」は大きな事件へと巻き込まれていきます。
「菜美」役を<綾瀬はるか>、「勇輝」役を<西島秀俊>が演じるほか、<岡田健史>、<前田敦子>、<鈴木浩介>、<小日向文世>らが名を連ねています。
監督は、『カイジ ファイナルゲーム』の<佐藤東弥>(61)が務めています。
多才だがお調子者でドジなネコの「トム」と、見た目はかわいらしいがずる賢く容赦ないネズミの「ジェリー」が繰り広げるドタバタを描き、1940年の誕生から80周年を迎えた『トムとジェリー』を実写映画化された『トムトジェリー』が、2021年3月19日より全国で公開されます。
アニメーションで描かれる「トム」と「ジェリー」が実写映像に融合し、<クロエ・グレース・モレッツ>をはじめとした俳優陣と共演します。ニューヨークの高級ホテルに引っ越してきた「ジェリー」と、そんな「ジェリー」を相変わらず追いかける「トム」。新人ホテルスタッフの「ケイラ」が働くそのホテルでは、世界が注目するセレブカップルのウェディングパーティが行われようとしていましたが、「トム」と「ジェリー」のせいで台無しになってしまいます。
汚名返上のためタッグを組むことになった「トム」と「ジェリー」が、世界一素敵なウェディングパーティを開こうと奮闘します。「ケイラ」役の<クロエ・グレース・モレッツ>ほか、『アントマン』シリーズ(2015年・監督: ペイトン・リード)の<マイケル・ペーニャ>、 『デッドプール2』 (2018年・監督: デヴィッド・リーチ)の<ロブ・ディレイニー>、『ハングオーバー!』シリーズ(2009年・監督: トッド・フィリップス)の<ケン・チョン>らが共演しています。
監督は、『ファンタスティック・フォー 超能力ユニット』(2005年)の<ティム・ストーリー>が務めています。
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