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網戸にて、一休みの【マダラガガンボ(斑大蚊)】です。「ガガンボ(大蚊)」は、双翅目(ハエ目)・糸角亜目・ガガンボ科 に属する昆虫の1分類群です。
「ガガンボ」は、よくにた種類が多く同定が難しい科で、本種は大きさと翅模様の特徴からから【マダラガガンボ】とすぐに同定できました。体長40m近くあり、日本最大級の大型ガガンボです。体長は「ミカドガガンボ」に一歩譲るものの本種の翅には特徴的な斑紋があり、腹部が長く、翅からはみ出しています。腹部の先端部分が尖がっていませんので、「オス」ということが判別が出来ます。
「ガガンボ」は、世界中に分布する昆虫であり、日本でもかなりの数の種類を目にすることができ、ファルコン昆虫記として、 「同定できない(41)」 や 「同定できない(7)」 ・ 「網戸に止まる(2)」 などをアップしていますが、同定できたのは、【キイロホソガガンボ】 だけでした。
川辺がそんなに近いところにはないのですが、幼虫時代を水中で過ごすカワゲラ目(襀翅目)オナシカワゲラ科オナシカワゲラ属の【オナシカワゲラ】の一種をとらえることが出来ました。
和名の由来は、「カワゲラ」の特徴である腹部の先に映える1対の尾が大変短く。前翅に隠れて見えないことから名づけられています。
早春に多数発生、3月から11月頃までが活動期です。餌は苔や花の蜜などで、幼虫は枯葉や藻類を食べています。
北陸館の「新訂圖鑑」「2008年版)によりますと、日本産の「カワゲラ」は200種ほどあり、【オナシカワゲラ】の一種としか同定できません。
また、「カワラゲ」の研究はあまり進んではおらず、幼虫から成虫への過程の記録も観察されていない分野のようです。
4000万年前のハエが交尾している瞬間を保存した琥珀(画像:Scientific Reports)
オーストラリアで出土した琥珀片を調べた研究チームが、4000万年前のハエが交尾している瞬間を保存した珍しい琥珀を発見しました。
交尾中のハエが捕らわれた琥珀は、オーストラリアのモナシュ大学に所属する<ジェフリー・スティルウェル>氏らの調査で見つかりました。琥珀から姿を見せたのは2匹のアシナガバエ科昆虫。「交尾中のハエが囚われている琥珀はオーストラリアの化石標本において、とても珍しいことです」と強調しています。
この琥珀はオーストラリアのビクトリア州から出土しており、ゴンドワナ大陸南部に由来するものとされています。ゴンドワナ大陸とは、かつて存在したと考えられている、アフリカ大陸やオーストラリア大陸などを含む巨大な超大陸です。
調査では、交尾中のハエだけでなく、ゴンドワナ大陸南部の動物と植物を含む琥珀化石が見つかっています。ゴンドワナ大陸南部由来の最も古いアリ、クモの幼体が集団になっているところなどが新しい発見として発表されました。交尾中のハエを含む今回の琥珀は、ゴンドワナ大陸南部の生態系を理解するための手がかりになるとされています。
絶滅の危機に直面している世界の動植物100万種の約半数は昆虫だとする研究結果の「昆虫の絶滅に関する科学者から人類への警告」と題した論文が10日、学術誌「バイオロジカル・コンサベーション」にて発表されています。昆虫の消失は人類にとって大惨事となる可能性があると、今回の研究結果をまとめた論文の筆頭執筆者で、フィンランド自然史博物館の生物学者である<ペドロ・カルドーソ>氏は警告しています。
第1の要因は生息地の縮小と生息環境の悪化で、第2の要因は汚染物質(特に殺虫剤)と侵略的外来種とされています。
生物資源の乱用ー世界では2000種以上の昆虫が人の食料の一部となっているーと気候変動も要因の一部です。
<カルドーソ>氏は、受粉、栄養循環、害虫駆除などの「かけがえのない貢献の提供者」であるとして、多くの昆虫種は必要不可欠だと指摘しています。これらの「生態系への貢献」は、米国だけでも年間570億ドル(約6兆3000億円)の価値に相当することが、過去の研究で報告されています。
国連の科学者組織「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」によりますと、世界規模では、虫媒(昆虫による受粉媒介)を必要とする作物には年間2350億~5770億ドル(約25兆8000億~63兆4000億円)の経済的価値があるといいます。
そして、多くの動物が生存のために大量の昆虫に依存しています。例えば、欧米全域での鳥類個体数の急減については、殺虫剤使用の影響による昆虫個体群の崩壊との関連が指摘されています。
科学者らは昆虫種が約550万種存在すると推定していますが、これまでに種が同定され、命名された昆虫はそのうちの5分の1ほどにすぎません。「希少な昆虫種は非常に多く、また記録にも残されていない。そのため、絶滅危惧種や絶滅種の昆虫の数は甚だしく過小評価されている」と、<カルドーソ>氏は指摘しています。絶滅危惧種をまとめた国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト」で評価対象となっている昆虫は、存在が知られている100万種のうちの約8400種にとどまっているのが現状で、18世紀から19世紀にかけて起きた産業革命以降に絶滅した昆虫種は、全体の5~10%に上るとされています。
青森県立郷土館で展示中の「クロビロードスカシバ」の標本(画像:青森県立郷土館)
10月に新種登録された、蜂に擬態する蛾の一種「クロビロードスカシバ」の標本が、青森県立郷土館(青森市)で展示中です。
同じくチョウ目(鱗翅目)スカシバ科スカシバ亜科に分類されています 【コスカシバ】 も、蜂に似せた黄色の横縞模様の擬態をしています。
同種の発見例は日本しかなく、希少性が高いといいます。発見者で、日本鱗翅学会所属の同県弘前市の<工藤忠>さんは「自然界の不思議を感じてほしい」と話されています。標本の観覧は無料。12月26日まで。
「クロビロードスカシバ」(和名)は、羽を広げた際の横幅が約3センチ。ハチに似た「透かし羽」に加え、胴体の黒と黄のしま模様が特徴です。擬態は、鳥などの天敵から身を守るためとされています。
山口県防府市で見つかったツマアカスズメバチの成虫(画像:環境省提供)
環境省は21日、特定外来生物「ツマアカスズメバチ」の巣が山口県防府市で見つかったと発表しています。九州では侵入が確認されていましたが、本州で見つかったのは初めてになります。既に駆除して焼却処理されています。
中国や東南アジアが原産の「スズメバチ」で、国内では長崎県対馬市に定着しているようです。
同省によりますと、18日に防府市の道路沿いで見つかった「スズメバチ」の巣を業者が駆除。鑑定の結果、「ツマアカスズメバチ」の成虫が確認されました。
人への危険性は在来の「スズメバチ」と変わりませんが、繁殖力が強く在来の「ミツバチ」を捕食するため、生態系への影響が懸念されます。
日本各地の里山にいる「チョウ」や「ゲンジボタル」、「ヘイケボタル」などの数が2008~2017年に大幅に減ったとの調査報告書を日本自然保護協会が12日、発表しています。
欧米では昆虫の急減が注目を集めており、日本も同様の傾向にあることが示された報告です。特にチョウ類は調査対象の約4割が、国が絶滅危惧種と判断する基準を上回る減少率でした。
「ハシブトガラス」や 「ヒヨドリ」、「ノウサギ」や「ヤマアカガエル」など、里山で広く見られた生物が減っていることも確認されています。逆に「アライグマ」などの外来種や「イノシシ」、「ニホンジカ」は数や分布域を増やしています。
バッタ目キリギリス科キリギリス属に分類される【ニシキリギリス】としては(14)回目と登場回数が多いのですが、前回の2015年9月 (13) から久しぶりの登場になりました。
日本では鳴く虫の代表のひとつとしてその名がよく知られています。かつて「キリギリス」の和名で知られたものは東北地方から九州地方まで広く分布しますが、2000年代以降、それらは少なくとも「ヒガシキリギリス」(青森県~岡山県)と「ニシキリギリス」(近畿地方~九州地方)の2種に分けるべきだと考えられています。更に細かく分けられる可能性もありますが未だ結論は出ていないようです。
翅の長さも個体群によって長短の変異があります。一般に「ヒガシキリギリス」では翅が短く側面に黒斑が多く、「ニシキリギリス」では翅が長く黒斑は1列程度か、あるいは全くありません。ともに触角は長く、前脚には脚の直径より長い棘が列生しています。オスは前翅に発音器をもち、メスは腹端に長い産卵器 をもち、写真の個体はメスだと分かります。
成虫の頭から翅端までの長さはおよそ24~40mmほどで、生育環境により緑色の個体と褐色の個体が生じます。「若齢幼虫」は全身が緑色で頭部が大きい姿をしています。
体長13ミリ程度、硬い上翅がありますのでコウチュウ目(鞘翅目)の<昆虫>まではたやすく分類できるのですが、次の「科」で悩んでしまい、同定できていません。
全体の形状や上翅に入る縦の筋模様、触角の特徴から、オサムシ科の「ゴミムシ」の仲間ではないかなと見当をつけています。「ゴミムシ」は、コウチュウ目オサムシ科、あるいはこれに近縁な科の類の中から目立ったものを除いた、雑多なものをまとめて呼ぶ名称です。世界中に約4万種、日本だけでも約1600種が分類されています
地球上のお掃除屋さんの「ゴミムシ」ですが、「コマルガタゴミムシ」 ・ 「オオスナハラゴミムシ」 ・ 「マルガタゴミムシ」 などは同定できていますが、よく似た仲間が多く、同定できない昆虫として (26) ・ (34) を取り上げています。
赤いクワガタと間違えられやすい形態をしています 「ヒラズゲンセイ」 ですが、その正体はクワガタとは似て非なる「ツチハンミョウ」の仲間「ヒラズゲンセイ」です。鮮やかな赤色の体色とクワガタのような大あごが特徴です。体長約2~3センチで、6~7月に成虫になり、人家周辺や林のある公園で目にすることができます。
刺激を与えると足や体の関節からにじみ出す体液には「カンタリジン」という有毒な成分が含まれており、触ると皮膚がかぶれたり水ぶくれを引き起こしたりする恐れがあるので、むやみに手で捕まえるのは避けた方がいいようです。
これまで四国などで生息が確認されてきましたが、近年は滋賀県付近まで分布が拡大。理由は判然としませんが、都市部の温暖化の影響も指摘されているようです。
「ヒラズゲンセイ」と同じ毒を持つ昆虫は他にもおり、カミキリと形がよく似た別種の「アオカミキリモドキ」がそれで、全国の平地から山地まで広く分布。体長1・5センチ程度で、成虫は夏に多くみられます。ハネが光沢のある緑色で頭から首にかけてはオレンジ色。鮮やかな色彩なので、きれいな昆虫だと思って触りたくなりますが、お勧めできません。
一方、本家のカミキリムシの仲間で、毒こそないものの人間の生活に重大な悪影響を及ぼしているのが「クビアカツヤカミキリ」です。もともとは中国や台湾に生息し、光沢のある黒色の体に首の赤色、お香のようなにおいを放つのが特徴。体長3~4センチでバラ科の樹木に産卵し、幼虫は樹木の内部を食い荒らしながら2~3年で成虫になる。モモやウメが食害を受けると、木が枯れたり実が大きくならなかったりする。
日本では2012年に愛知県で初めて見つかり、2018年に特定外来生物に指定されています。大阪府など7都府県(栃木県・群馬県・埼玉県・東京都・愛知県・大阪府・徳島県)に分布が拡大しています。
サクラに深刻な被害が出ている群馬県館林市では今年5~8月、成虫を捕殺して市の窓口に提出すれば、400匹を上限に1匹につき50円を交付する奨励金制度を創設しています。すでに5千匹以上が持ち込まれているそうです。
2015年に初めて確認された大阪では、府内11自治体でモモなどに被害が出ていますが、「風評被害が怖いので具体的な産地は公表していない」といいます。
珍しい昆虫なので捕まえる人もいると思いますが、「特定外来生物」なので法律で移動や飼育は禁じられています。繁殖力が強く、農産物に大きな被害が出ているので、見つけたら捕殺してほしい」と協力を呼び掛けています。
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