ファルコン植物記(2224)@【クズ】
9月
14日
【クズ(葛)】は、マメ科クズ属のつる性の多年草です。空き地、野原の隅、土手、道路わきなど草や木のある日当たりの良い場所で、旺盛に繁殖しています。大きな三枚の葉が一組になっている〈三出複葉〉の植物で、茶色の毛を持つ〈ツル〉が絡まる相手を探すように伸びています。花が咲きますと野草とは思えない赤紫色のきれいな花を咲かせます。
空き地の塀の上から垂れ下がるように〈ツル〉が伸びており、花を咲かせていました。
日本では、根を用いて食材の葛粉や漢方薬が作られ、花は万葉の昔から〈秋の七草〉(女郎花・尾花・桔梗・撫子・藤袴・葛・萩)の一つに数えられています。
花期は夏から秋(7~9月ごろ)。葉腋から総状花序が上向きに立ち上がり、濃紺紫色の甘い芳香を発する蝶形花を房状に密集してつけ、下から順に咲かせます。花色には変異がみられ、白いものを「シロバナクズ」、淡桃色のものを「トキイロクズ」と呼んでいます。
花後に褐色の剛毛に被われた枝豆に似た、長さ15センチほどある扁平な果実(莢果・豆果)ができます。