この夏ようやく【ホトトギス】を食草とする【ルリタテハ】の幼虫を観察することができましたが、幼虫に葉を食べ尽くされて悲惨な状況でした。 久しぶりに被害にあった【ホトトギス】確認してみますと、例年よりも開花時期は遅れているようですが、元気に蕾を付けていました。 これは開花が楽しみで、また確認に出向かなければいけません。
10年に一度しか咲かないといわれているパイナップル科アルカンタレア属の花「皇帝アナナス」が、神戸ポートアイランドの全天候型対応施設「神戸どうぶつ王国」で開花しています。 南米ブラジル原産アナナスの仲間である「皇帝アナナス(別名=アルカンタレア・インぺリアリス“ルブラ”)」は、パイナップル科の中でも最大級となる品種です。大きな株になると直径2メートル近くなり、皇帝の名にふさわしい姿に成長します。 直立した1~2メートルの花茎には優しいクリーム色の花が咲き、開花後その株は枯れ、根元部分から新たな芽が育ち8~10年かけて次の花を咲かせるといいます。
以前(2086)でも、元気な【セイヨウアサガオ】が2階部分にまで成長した住宅がありましたが、今回はもっと元気な【セイヨウアサガオ】な住宅を発見しました。 【セイヨウアサガオ(西洋朝顔)】はナス目ヒルガオ科サツマイモ属の一年草ですが、【アメリカソライロアサガオ】とも呼ばれています。種はリゼルグ酸アミド(エルジン)を含み、南米の先住民に幻覚剤として用いられてきました。様々な栽培品種には、絞り模様の「フライングソーサー」、写真の青色の「ヘブンリーブルー」、白色の「パーリーゲート」などがあります。 「日本朝顔」との特に大きな違いは、秋(9月ごろ)に開花し、寄せ合うように何輪も大きな花を咲かせ、昼間になっても咲いている点です。【西洋朝顔】が短日植物であることから、日の入りが早くなって日照時間が短くなってから開花を始めるためで、半日陰で育てるなど、育て方や地域によっては8月頃から咲くなど早い時期から咲くこともあります。
某県住の庭先に白色一色の【オシロイバナ(白粉花)】の群生を見つけました。足が不自由でない頃は、このオシロイバナ科オシロイバナ属の【オシロイバナ】の絞り模様を集めるのに随分と苦労したもので、絞り模様の<一日花10-39>を最後に250種類を超える絞り模様を採集しています。 白色基調の【オシロイバナ】の絞り模様も<一日花10-38>などがありましたが、白色一色だけで咲いている【オシロイバナ】の群生も珍しく、その見事さに驚いて眺めておりました。 【オシロイバナ】は、南アメリカ原産で、日本には江戸時代始めごろに渡来しています。花が美しいため観賞用に栽培されていますが、広く野生化もしています。 花弁はなく、花弁に見えるのは〈がく〉で基部は緑色でふくらんでいます。また花の根元にある緑色の〈がく〉のようなものは〈総苞〉です。花が咲き終わった後、〈がく〉は基部を残して脱落し果実(種子を1つ含む)が〈がく〉の基部に包まれたまま熟して全体が黒い種子のようになります。種子には粉状の胚乳があり、これが【白粉花(オシロイバナ)】の名の由来となっています。
久しぶりにヒユ科センニチコウ属の【センニチコウ(千日紅)】を見かけました。花は2~3センチほどの大きさで、松カサを推しつぶしたような形をしています。 【センニチコウ】は、初夏から秋にかけて咲く、小さな玉のようなかわいらしい花です。花色が褪せず枯れても形が崩れにくいため、ドライフラワーにしやすく、リースなどおしゃれなアレンジやフラワークラフトが楽しめる花です。 一時は、鮮やかな朱色の「ストロベリー・フィールズ」(ストロベリー・フィールドとも言われる)という園芸品種ができたため、人気種となり、よく見かけていました。 塊で〈花〉だと観ています部分は〈苞〉で。黄色い部分が〈花〉となります。 熱帯アメリカを中心とした熱帯各地に100種以上が知られています。紅・白・紫・朱色・樺色とピンクの花(に見える花序)の中心部が白いぼかしになる園芸品種が出ているようです。
この時期に咲いている【アサガオ】でしたので、違和感を覚え写真を撮っていましたら、家人の方がおられ、「種をまくのが遅れたんです」ということでした。 以前にもアップしています〈曜〉の部分が白くなる「曜白アサガオ」ですが、前回の「青色」とは色違いの花が撮れました。 「曜白アサガオ」は、近年の育種の大きい成果とされています。作出は静岡大学名誉教授の<米田芳秋>によります。<米田芳秋>は「マルバアサガオ」とアフリカ系のアサガオを交配させ、日本の園芸アサガオを掛け合わせました。その過程で花弁の曜の部分が白くなる系統が発見され、「曜白アサガオ」作成に繋がっています。後に大手種苗会社から発売されたことにより一般に広く普及しています。 遅れた種まきの影響でしょうか、いつもより小さな花になっているとも、言われていました。
山野部の周辺や荒れ地などでこの時期よく見かけますタデ科ソバカズラ属の【イタドリ】ですが、珍しく住宅地の庭に咲いているのを見かけました。風に乗り〈種子〉が飛び降りたのでしょうか。雌雄別株で、夏から秋に細かい白花を咲かせます。 和名の【イタドリ】の由来は、傷薬として若葉を揉んでつけると血が止まって痛みを和らげるのに役立つことから、「痛み取り」が転訛して名付けられたというのが通説になっているようです。 漢字では「虎杖」と表記され、軽くて丈夫な【イタドリ】の茎が杖に使われ、茎の虎斑模様から「虎杖(こじょう)」と呼ばれたことによります。 19世紀にイギリスに輸出された際、在来種を駆逐してしまう恐れがあることから、世界の侵略的外来種ワースト100に指定されています。【イタドリ】を駆除するには、【イタドリ】を吸汁して育つ虫、〈タドリマダラキジラミ〉を増やすことが効果的といわれています。もともと、〈イタドリマダラジラミ〉は日本に自生しているため、【イタドリ】の爆発的な繁殖被害は抑えられています。
イワタバコ科アキメネス属に分類される【アキメネス】は、原産地はメキシコ・コロンビアなどの中南米で、約30種類ほどが分布しています。大きさは種類により違いますが、矮性の15センチから80センチほどになります。 「アキメネス・ロンギフロラ」と「アキメネス・エレクタ」、そのほかの種から多くの園芸品種が作出されています。現在は豊富な花色をもち、花形は一重のものから八重のものまであります。 多品種で様々な花姿がありますが、園芸書でも詳しい記載は不明で品種の同定は困難です。最近では、市場に出回ることが減り、貴重な植物となっているようです。 春に球根から萌芽し、夏に柔らかい茎の葉腋から次々に花を咲かせます。小さい松かさのような根茎をもち、冬に地上部が枯れて休眠する球根植物です。
近年、外来種【オオキンケイギク】が強い繁殖力で空き地や路傍を占領しています。 よく似た花姿で肩身の狭い思いをしているのではと思われる【キバナコスモス】が咲き出していました。 【オオキンケイギク】は、花期が6~7月の黄色い頭状花で、たくさんついた舌状花の先端は4~5裂しています。平成18年に「特定外来生物」に指定され、栽培、販売、移動などが禁じられています。北アメリカ原産で台湾、オーストラリア、サウジアラビアなど世界各国に移入して分布し、日本各地でも見られるキク科オオキンケイギク属の宿根草です。 【キバナコスモス】は、メキシコ原産のキク科コスモス属の一年草で、花期は6~11月ですが、特定外来生物の指定はなく、栽培しても問題にはなりません。 花色は黄色か橙色などで、花は直径3~5センチ、舌状花は幅広で、数は8枚ほどで、先端に2か所の切れ込みが入っています。この花は、細い茎の先に一つの花が咲いています。
生い茂る葉の間から花茎をのばして下向きに咲いていますミズキ目アジサイ科キレンゲショウマ属の【キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)】です。 草本であり高さは120センチから150センチほどに育ち、光沢のある掌状の葉は対生です。葉の腋から円錐花序を出し、そこに黄色の5枚の花弁の花を咲かせます。おしべは15本、めしべは3本。8月が開花期時期です。 NHKの連続テレビ小説『らんまん』での先週のサブタイトルは『キレンゲショウマ』でした。夏に鮮やかな黄色い花を咲かせ、希少価値があることで注目を集めている山野草です。 ドラマでは主人公の「万太郎」と東大の「田邊教授」が同時期に【キレンゲショウマ】を発見。わずかの差で「田邊教授」が新種発見者として認められました。 【キレンゲショウマ】の学名は「Kirengeshoma palmata Yatabe」。1860年に東京大学の初代植物学教授<矢田部良吉>によって発表されたことから、学名にも<矢田部>の名前が記されています。