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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『イジ女(め)』春口裕子(双葉文庫)

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『イジ女(め)』春口裕子(双葉...
大学を卒業後、大手損害保険会社の損害調査部や広報部に勤務、2001年『火群の館』で、第2回ホラーサスペンス大将特別賞受賞作品で作家デビューしている著者です。

本書には6篇の短篇が収められており、著者の仕事の経験をいかした、身近にいそうな「女」を主人公に据えて、陰湿な女同志の「チクチク感」を見事に描き出しています。

マンションに住む主たちの抗争やねたみ、結婚式場を舞台に新婦と会社の同僚の諍い、高校時代のクラトモと12年ぶりに再会する二人、人の噂を嗅ぎ回り素知らぬ顔で告げ口をする女、合コンで男をその気にさせるのが楽しみな女など、女社会のシリアルな部分をコミカルに描き出しています。

6篇目の『レッツらゴー』では、各短篇に登場していた人物たちが登場、小粋なエンタティメントの総集編として、面白く読み終えれました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『おとぎ菓子』~料理人季蔵捕物控~和田はつ子(ハルキ文庫)

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『おとぎ菓子』~料理人季蔵捕物...
前作 『時そば』 に続く<料理人季蔵捕物帳>シリーズの第7巻目が本書です。

一膳飯屋・塩梅屋の<季蔵>を主人公に4編の作品が収められており、江戸時代の料理書としても楽しめながら各編を通じて江戸市中の事件がつながり、市井の悪行に対して<季蔵>の活躍が楽しめます。

<季蔵>は塩梅屋の主というだけでなく、北町奉行<烏谷椋十郎>の配下として、奉行所役人が係ることのできない武家に侵入したり、ご法度で裁くことのできない悪人を成敗する裏の顔を持っています。
本書では、大店のお店が次々と閉店してゆくことに疑問を感じた<季蔵>がさぐりを入れてゆくうちに、利権がらみの悪巧みを企む3人が浮かび上がります。

<季蔵>は元々は<堀田季之助>という武士でしたが、本書では跡目をついだ弟との再会場面もあり、心の葛藤が垣間見れる内容でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『しずかな日々』椰月美智子(講談社文庫)

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『しずかな日々』椰月美智子(講...
友達と呼べる仲間が無く、勉強も駄目で運動神経も悪い<ぼく>こと<枝田光輝>は、小学5年生なり、担任の先生は4年生の時の受け持ちだった<椎野>先生でひと安心でした。

座席の後は<押野広也>で、彼から3丁目の広場でやっている草野球に誘われ、6年生の<じゃらし>や水泳の得意な<ヤマ>達と知り合い、楽しい時間を過ごしていました。

母親の仕事の関係で突然夏休み前に転校をしなければならなくなった<枝田>は、せっかくできた友達と離れることを拒否、母親と別れて急きょ祖父の家で生活することになります。
人生で一番思い出となる夏休みを経験、大人になってからも懐かしく想い出す日々として、心に深く残っています。

<今の自分というのは、これまでの過去を全部ひっくるめた結果なのだ>と、<どんなことも静かに受け入れていくのがぼくの人世で日常だ>と、おとなになって気づく人生の原体験がみずみずしく描かれていました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『MORNING GIRL』鯨統一郎(講談社文庫)

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『MORNING GIRL』鯨...
宇宙空間の人類の前線基地としてスペースアイランド「飛翔」がありますが、仮想現実物語の流行作家<スティーブ>は、最近睡眠時間が少なくなり人体コンディショナーの<エドナ>の診察を受けますが、彼だけでなく「飛翔」に住む人間だけでなく地球の人間にも、睡眠時間の減少が広がっていきました。

「飛翔」の最高責任者<バーナード>は、<ダイアン>を責任者として睡眠時間の減少を突き止めるリーダーに選びますが、その後「飛翔内で禁止された性行為が発覚、役目を下ろされますが、<ダイアン>は自ら研究チームを立ち上げて原因を追究していきます。

人はなぜ眠るのか? 夢とは何か? なぜ人類は原子力を開発してきたのか?と言った謎を伏線に、<母なる地球>の隠された真実が明るみに出たときに、人類は新しい一歩を宇宙に踏み出すのでした。

俗に言われるSF小説の範疇ですが、原子力発電所の事故などを背景にした近未来的な要素も垣間見られ、面白く読み切れました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『朝日のようにさわやかに』恩田陸(新潮文庫)

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『朝日のようにさわやかに』恩田...
著者として新潮文庫では、 『ライオンハート』 ・ 『図書室の海』 に次ぐ3冊目の短篇集で、全14話が納められています。

収録作品の数が多いので、ひとつひとつの解説はかけませんが、寓話的な話、ミステリー、ホラー等、多岐にわたるジャンルの色とりどりの掌作品が楽しめました。

「あとがき」として、著者自身が各短篇の説明を書かれていますので、読み手側としての感想と、著者自身の意図とのすり合わせができ、楽しめた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『サニーサイドエッグ』荻原浩(創元推理文庫)

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『サニーサイドエッグ』荻原浩(...
<レイモンド・チャンドラー>が描く孤独な私立探偵<フイィップ・マーロウ>にあこがれている探偵事務所の<最上俊平>33歳を主人公とし、前作 『ハードボイルド・エッグ』 に次ぐ、シリーズ2冊目になります。

探偵事務所らしい仕事の依頼を待ち続けているのですが、なぜか依頼はペット探しが舞い込み、今回も小料理屋を営む<長尾千春>から、「ロシアンブルー」の<リュウ>の捜索を依頼されます。

前後して、馴染のバーのマスター<J>からアメリカからの16歳の帰国女子<茜>のバイトを頼まれ、助手として<リュウ>の発見の手伝いをさせます。
重ねて、「東亜開発」というヤクザ組織から、これまた「ロシアンブルー」の<チョコピー>を三日で探せとの脅迫じみた仕事が舞い込みますが、<リュウ>と<チョコピー>は同一の猫であることが分かります。

ペット探偵を主人公に据えているだけに、猫の行動分析が細やかで、また一途な<最上>の性格がよく表れていて、楽しく読み終えれました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『家日和』奥田英朗(集英社文庫)

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『家日和』奥田英朗(集英社文庫...
読み終ると表紙の新興住宅街の写真が、「ああ~、なるほどなぁ~」と妙に納得できる内容でした。

『家日和』のタイトルに集約されるように6話の短篇が納められていますが、どれも35歳~40歳という年齢の市井の夫婦たちの登場です。

ネットオークションにはまり生きがいを見つけた主婦、会社が突然倒産して主夫になった男、別居生活を通して自分の個性をはっきした部屋に模様替えした男、若い営業マンに肉体的な妄想を持つ主婦、仕事が長続きしない天真爛漫な夫などが、各短篇の主人公です。

日常的にどこにでもありそうな出来事を、ほのぼのとした筆遣いで表現していて、憎めない主人公たちに共感を覚えてしまいます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『正しい大阪人の作り方』わかぎゑふ(集英社文庫)

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『正しい大阪人の作り方』わかぎ...
各章が短いエッセー構成ですので、肩をこることなく楽しく読み終えれました。

ボケとツッコミの大阪人の体質を、ものの見事に分析・解説された一冊でした。

大阪(府)と関西6件の他県人との比較も面白く、笑えました。
ただ、大阪人が「神戸」というときは、<兵庫県全体を指す>という部分には、そうかなぁ~という疑問が残りましたが。

東京で活躍している<明石家さんま>は大阪人と見られているようですが、本当は奈良県人で、彼のツッコミには大阪人にある「愛情ややさしさ」がないことを指摘、まさに「イジメ」そのものだという意見には、同調してしまいます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『シャッター・アイランド』デニス・ルヘイン(ハヤカワ文庫)

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『シャッター・アイランド』デニ...
ボストン港の沖合いにある「シャッター・アイランド」は、南北戦争時代の遺構があり、現在では精神病の犯罪者のための病院施設を兼ねた刑務所として運営されています。

その島から幼児3人を殺害した母親<レイチェル・ソランド>が脱走したということで、連邦保安官の<テディ・ダニエルズ>は、相棒の<チャック・ホール>と二人で島に乗り込んで捜査に臨みます。

まったく密室から突然消えた<レイチェル>ですが、部屋に暗号らしきメモを残していて、この物語の重要な伏線となっています。
<テディ>は愛妻<ドロレス>を放火にて2年前に亡くした過去を持ち、その犯人<アンドルー・レディス>が、この収容施設にいることを突き止めていて、復讐心を隠しながら自ら捜査に名乗り出て来ました。

医者も看護婦も、また付き添いの人達もが<テディ>の捜査に対して、隠し事をしていると思える状況のなかでの4日間が描かれ、最終日に起こる思わぬどんでん返しで、読者を驚かせる結末が楽しめるサスペンスでした。
#本 #読書

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『人形が死んだ夜』土屋隆夫(光文社文庫)

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『人形が死んだ夜』土屋隆夫(光...
本書の単行本は2007年11月に刊行されていますので、1917年1月25日生まれの著者として90歳の作品になり、おそらく最後の長篇小説の執筆ではないかなと見ています。

小学生ながら天才的な絵の素質を持つ12歳の<俊>ですが、祖母<松代>と伯母にあたる<紗江>と一緒に志木温泉に泊まりに出向いた際、ひとりで石仏をスケッチしに出かけますが、轢き逃げ事故に遭い亡くなってしまいます。

偶然その場に居合わせた議員秘書の<南原>は献身的な救助をしながら、警察に通報、<俊>が死に際に「めがねの男・・・」と言ったと担当の<土田>警部に伝えていました。

<紗江>は葬儀を済ませ、改めて現場に出向きましたが、<南原>の目撃談とつじつまがが合わないことを発見、彼が轢き逃げ犯でないかとの疑惑を募らせ、30歳で亡くなった姉の忘れ形見である<俊>に対して並々ならぬ愛情を注いできた<紗江>は、秘かに轢き逃げ犯の殺害を計画していきます。

本書で登場する<土田>警部は、本書の49年前に著した『天狗の面』(1958年)に登場する<土田>巡査の息子ですが、半世紀を超えての関わりは、著者のファンとしては懐かしく、またいい脇役として登場していました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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