大学を卒業後、大手損害保険会社の損害調査部や広報部に勤務、2001年『火群の館』で、第2回ホラーサスペンス大将特別賞受賞作品で作家デビューしている著者です。
本書には6篇の短篇が収められており、著者の仕事の経験をいかした、身近にいそうな「女」を主人公に据えて、陰湿な女同志の「チクチク感」を見事に描き出しています。
マンションに住む主たちの抗争やねたみ、結婚式場を舞台に新婦と会社の同僚の諍い、高校時代のクラトモと12年ぶりに再会する二人、人の噂を嗅ぎ回り素知らぬ顔で告げ口をする女、合コンで男をその気にさせるのが楽しみな女など、女社会のシリアルな部分をコミカルに描き出しています。
6篇目の『レッツらゴー』では、各短篇に登場していた人物たちが登場、小粋なエンタティメントの総集編として、面白く読み終えれました。
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