『家日和』奥田英朗(集英社文庫)
5月
26日
『家日和』のタイトルに集約されるように6話の短篇が納められていますが、どれも35歳~40歳という年齢の市井の夫婦たちの登場です。
ネットオークションにはまり生きがいを見つけた主婦、会社が突然倒産して主夫になった男、別居生活を通して自分の個性をはっきした部屋に模様替えした男、若い営業マンに肉体的な妄想を持つ主婦、仕事が長続きしない天真爛漫な夫などが、各短篇の主人公です。
日常的にどこにでもありそうな出来事を、ほのぼのとした筆遣いで表現していて、憎めない主人公たちに共感を覚えてしまいます。