『残響のメロディ 魂の放浪者ニコ、最後の旅路』@<スザンナ・ニッキャレッリ>監督
5月
28日
ポップアートの旗手<アンディ・ウォーホル>のミューズとして1960年代に一世を風靡した、ドイツ人歌手<ニコ>(1938年10月16日 ~1988年7月18日)の晩年を描く異色の音楽伝記ドラマ『残響のメロディ 魂の放浪者ニコ、最後の旅路』が、<ニコ>の命日の前日となる7月17日より全国で公開されます。
伝説的ロックバンド、〈ヴェルヴェット・アンダーグラウンド〉が1967年に発表しましたデビューアルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』は、<アンディ・ウォーホル>が手がけました〈バナナジャケット〉でも知られ、ロック史に残る名盤として今なお語り継がれています。
そのアルバムに参加し、《歌姫》として強烈な存在感を放った<ニコ>(本名:クリスタ・ペーフゲン)です。映画では、「その歌声は魂の救済か、破滅の始まりか――」というコピーのもと、伝説のアイコンではなく、一人の女性<クリスタ>としての人生に迫っていきます。
1986年、英マンチェスターで孤独に暮らす<ニコ>は、過去の名声から距離を置きながらヨーロッパツアーへ出ます。しかし、その旅は薬物依存や精神的不安定、周囲との軋轢と向き合う過酷なものでした。
ステージで歌う<ニコ>としてではなく、一人の女性<クリスタ>として生き直そうとする姿を描きながら、<アラン・ドロン>との間に生まれた息子<アリ>との関係や、東欧でのアンダーグラウンド公演などを通して、彼女の人生と音楽が再び動き出していきます。
主演を務めるのは、<トリーヌ・ディルホム>。『未来を生きる君たちへ』(2010年)などで知られるデンマークの国民的俳優で、本作では歌唱も自ら担当。神格化されたロックスターではなく、怒りや弱さを抱えた〈人間ニコ〉を体現しています。
新しいマネージャー「リチャード」役で『グレゴリーズ・ガール』(1980年)主演の<ジョン・ゴードン・シンクレア>、バイオリニスト「シルヴィア」役で、2007年のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『4ヶ月、3週と2日』で主演を務めた<アナマリア・マリンカ>が出演しています。
監督は、『キアラ』(2022年)、『ミス・マルクス』(2020年)などで知られるイタリアの<スザンナ・ニッキャレッリ>が務めています。本作では、ベネチア国際映画祭でオリゾンティ部門最優秀作品賞を受賞。さらにイタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でも脚本賞、サウンド賞、メイクアップ賞を受賞するなど、高い評価を獲得している作品です。
1980年代後半の空気感を再現するため、1:1のスクエアフォーマットで撮影。さらに、<ジョナス・メカス>監督から借り受けた1960年代の<ニコ>や<アンディー・ウォーホル>の映像素材も使用されています。









