26日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比40銭円安・ドル高の「1ドル=156円40〜50銭」で取引を終えています。円の安値は「1ドル=156円73銭」、高値は「1ドル=156円30銭」でした。米労働市場の底堅さを示す雇用関連指標を受け、円売り・ドル買いが優勢になりました。日欧米の株高も、低リスク通貨とされる円の相場の重荷となりました。
26日発表の週間の米新規失業保険申請件数は21万6000件と、市場予想(22万5000件)を下回りました。労働市場は、採用は低調ながら解雇も少ないという構図が続いていることを示しているようです。前週発表の9月の雇用統計で失業率が上昇したことで雇用減速が懸念されていたなか、労働市場は急速に悪化しているわけではないとの安心感につながりました。
26日の日欧米の株式相場が堅調に推移し、投資家が運用リスクを取りやすかったことも円の重荷でした。<高市早苗政権>が積極財政を掲げるなか、日本の財政悪化への警戒感が根強いことも円売りにつながっています。ロイター通信は26日、日銀が早ければ来月にも利上げする可能性を市場に備えさせていると報じています。利上げは円相場を下支えしますが、市場ではその先も利上げを続けられるのか不透明との見方も出ています。
円の下値は堅く、26日発表の11月のシカゴ購買部協会景気指数は(36.3)と市場予想(45.5)に反して前月(43.8)から低下でした。米中西部の企業の景況感が悪化しているとの受け止めは、円買い・ドル売りにつながりました。
米連邦準備理事会(FRB)が12月に利下げするとの観測は根強くあり、次期(FRB)議長の選考では低金利志向の<トランプ米大統領>に近い米国家経済会議(NEC)の<ハセット委員長>が有力と前日に伝わりました。選出されれば、(今回の利下げサイクルの)最終的な政策金利水準の予想が引き下げられ、ドルの重荷になるとみられています。