第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞した映画『落下音』「」が、2026年4月3日より公開されますが、本編映像の一部がYouTubeで解禁されています。
本作は4つの異なる時代を生きる4人の少女たちが、北ドイツの農場でそれぞれ体験する不可解な出来事を描いた怪奇譚です。
1910年代の「アルマ」は、自分と同じ名を持つ幼くして死んだ少女の気配を感じ取ります。1940年代の戦争の傷跡が残る中、「エリカ」は片脚を失った叔父への抑えきれない欲望に気付きます。1980年代の「アンゲリカ」は、常に肌にまとわりつく〈何か〉の視線におびえていました。そして現代に生きる「レンカ」は家族との移住後、自らの存在が消えてしまいそうな孤独感に侵されていきます。
<ハンナ・ヘクト>、<レア・ドリンダ>、<レーナ・ウルツェンドフスキー>、<レーニ・ガイゼラー>がキャストに名を連ねています。
映像には、姉妹たちが家の使用人「ベルタ」にいたずらを仕掛けるシーンを収録。「ベルタ」は靴を履いた瞬間に足がつっかえ、そのまま勢いよく床へ倒れ込みます。物陰から様子をうかがい笑っていた姉妹たちですが、やがて「ベルタ」が微動だにしないことに気が付き、場の空気が一変します。映像は、壁の隙間から姉妹たちをのぞくような視点で撮影されています。この表現は、監督の<マーシャ・シリンスキ>が探求してきた〈記憶すること〉、そして〈自分の行為を別の時間軸から見つめ直す感覚〉を映像化する試みから生まれたものだといいいます。
インスピレーション源となったのは、記憶・存在・消失をテーマに、自身の身体を被写体とした幻想的なセルフポートレートで知られる写真家<フランチェスカ・ウッドマン>です。<マーシャ・シリンスキ>は「彼女の写真には、透明にきらめく幽体のような像が現れ、漂い、飛翔するようなムードがあります。その感覚にずっと魅了されてきました」とコメントし、本作の技術面に関して「最終的に、カメラそのものが登場人物たちの身体の一部のように感じられる瞬間に到達できたと思います」と伝えています。