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神戸:ファルコンの散歩メモ

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  • ハッシュタグ「#読書」の検索結果1758件

『サニーサイドエッグ』荻原浩(創元推理文庫)

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『サニーサイドエッグ』荻原浩(...
<レイモンド・チャンドラー>が描く孤独な私立探偵<フイィップ・マーロウ>にあこがれている探偵事務所の<最上俊平>33歳を主人公とし、前作 『ハードボイルド・エッグ』 に次ぐ、シリーズ2冊目になります。

探偵事務所らしい仕事の依頼を待ち続けているのですが、なぜか依頼はペット探しが舞い込み、今回も小料理屋を営む<長尾千春>から、「ロシアンブルー」の<リュウ>の捜索を依頼されます。

前後して、馴染のバーのマスター<J>からアメリカからの16歳の帰国女子<茜>のバイトを頼まれ、助手として<リュウ>の発見の手伝いをさせます。
重ねて、「東亜開発」というヤクザ組織から、これまた「ロシアンブルー」の<チョコピー>を三日で探せとの脅迫じみた仕事が舞い込みますが、<リュウ>と<チョコピー>は同一の猫であることが分かります。

ペット探偵を主人公に据えているだけに、猫の行動分析が細やかで、また一途な<最上>の性格がよく表れていて、楽しく読み終えれました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『家日和』奥田英朗(集英社文庫)

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『家日和』奥田英朗(集英社文庫...
読み終ると表紙の新興住宅街の写真が、「ああ~、なるほどなぁ~」と妙に納得できる内容でした。

『家日和』のタイトルに集約されるように6話の短篇が納められていますが、どれも35歳~40歳という年齢の市井の夫婦たちの登場です。

ネットオークションにはまり生きがいを見つけた主婦、会社が突然倒産して主夫になった男、別居生活を通して自分の個性をはっきした部屋に模様替えした男、若い営業マンに肉体的な妄想を持つ主婦、仕事が長続きしない天真爛漫な夫などが、各短篇の主人公です。

日常的にどこにでもありそうな出来事を、ほのぼのとした筆遣いで表現していて、憎めない主人公たちに共感を覚えてしまいます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『正しい大阪人の作り方』わかぎゑふ(集英社文庫)

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『正しい大阪人の作り方』わかぎ...
各章が短いエッセー構成ですので、肩をこることなく楽しく読み終えれました。

ボケとツッコミの大阪人の体質を、ものの見事に分析・解説された一冊でした。

大阪(府)と関西6件の他県人との比較も面白く、笑えました。
ただ、大阪人が「神戸」というときは、<兵庫県全体を指す>という部分には、そうかなぁ~という疑問が残りましたが。

東京で活躍している<明石家さんま>は大阪人と見られているようですが、本当は奈良県人で、彼のツッコミには大阪人にある「愛情ややさしさ」がないことを指摘、まさに「イジメ」そのものだという意見には、同調してしまいます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『シャッター・アイランド』デニス・ルヘイン(ハヤカワ文庫)

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『シャッター・アイランド』デニ...
ボストン港の沖合いにある「シャッター・アイランド」は、南北戦争時代の遺構があり、現在では精神病の犯罪者のための病院施設を兼ねた刑務所として運営されています。

その島から幼児3人を殺害した母親<レイチェル・ソランド>が脱走したということで、連邦保安官の<テディ・ダニエルズ>は、相棒の<チャック・ホール>と二人で島に乗り込んで捜査に臨みます。

まったく密室から突然消えた<レイチェル>ですが、部屋に暗号らしきメモを残していて、この物語の重要な伏線となっています。
<テディ>は愛妻<ドロレス>を放火にて2年前に亡くした過去を持ち、その犯人<アンドルー・レディス>が、この収容施設にいることを突き止めていて、復讐心を隠しながら自ら捜査に名乗り出て来ました。

医者も看護婦も、また付き添いの人達もが<テディ>の捜査に対して、隠し事をしていると思える状況のなかでの4日間が描かれ、最終日に起こる思わぬどんでん返しで、読者を驚かせる結末が楽しめるサスペンスでした。
#本 #読書

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『人形が死んだ夜』土屋隆夫(光文社文庫)

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『人形が死んだ夜』土屋隆夫(光...
本書の単行本は2007年11月に刊行されていますので、1917年1月25日生まれの著者として90歳の作品になり、おそらく最後の長篇小説の執筆ではないかなと見ています。

小学生ながら天才的な絵の素質を持つ12歳の<俊>ですが、祖母<松代>と伯母にあたる<紗江>と一緒に志木温泉に泊まりに出向いた際、ひとりで石仏をスケッチしに出かけますが、轢き逃げ事故に遭い亡くなってしまいます。

偶然その場に居合わせた議員秘書の<南原>は献身的な救助をしながら、警察に通報、<俊>が死に際に「めがねの男・・・」と言ったと担当の<土田>警部に伝えていました。

<紗江>は葬儀を済ませ、改めて現場に出向きましたが、<南原>の目撃談とつじつまがが合わないことを発見、彼が轢き逃げ犯でないかとの疑惑を募らせ、30歳で亡くなった姉の忘れ形見である<俊>に対して並々ならぬ愛情を注いできた<紗江>は、秘かに轢き逃げ犯の殺害を計画していきます。

本書で登場する<土田>警部は、本書の49年前に著した『天狗の面』(1958年)に登場する<土田>巡査の息子ですが、半世紀を超えての関わりは、著者のファンとしては懐かしく、またいい脇役として登場していました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『京都「龍馬逍遥」憂愁の殺人』柏木圭一郎(光文社文庫)

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『京都「龍馬逍遥」憂愁の殺人』...
第一作目の 『京都 大文字送り火 恩讐の殺意』 に始まり、<名探偵・星井裕の事件簿>シリーズとして、本書で八作目になります。

写真家の<星井裕>は、今回は『ルネッサンス・ジャパン』の龍馬特集ということで「龍馬逍遥」という舞台で人気役者の<中村龍之介>をモデルとして写真撮影の仕事をこなしていましたが、高知県の桂浜で同じ役者の<市河時蔵>の水死体が発見されます。

前日から<龍之介>の携帯電話に<時蔵>から自殺をほのめかす電話があり、事件性はないとみられていましたが、「龍馬逍遥」の舞台監督<黒沢巌>が自宅の火事で死亡、事件は連続殺人の可能性が出てきます。

<龍之介>の母親がわたしと同じ8月19日生まれの設定で、同日生まれの<ココ・シャネル>の香水「シャネルNo19」がいい脇役として登場、相変わらず京都の名所旧跡を散りばめながら、<星井>の名推理が冴える一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『蒼林堂古書店へようこそ』乾くるみ(徳間文庫)

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『蒼林堂古書店へようこそ』乾く...
棗市にある扇町商店街の一角にある蒼林堂古書店はミステリー本専門の古書店です。
店主は<林雅賀>39歳です。官公庁に10年以上勤務しながら、ミステリー関係のライターをしている副業がばれて辞職、古書店を始めました。

ネットでの販売が主で、細長い店の奥には4人だけの喫茶コーナーがあります。
100円以上の売買で珈琲一杯のサービスがあり、また読んだ本は定価の9割で買い戻してもらえます。

日曜日になりますと店長の同級生でバツイチの<大村龍雄>、高校生の<柴田五葉>、小学校の先生<茅原シノブ>といった面々が集まり、登場人物たちが日常生活で経験する謎を、店主が見事に謎解きしていきます。

毎月起こる出来事が14話納められており、その話のなかで登場する本に関連するミステリーが話の最後に解説を交え、まとめられて紹介されている構成で、身近にこんな古書店があればいいなと、羨ましく感じながら読み終えました。
#本 #読書

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『求愛』柴田よしき(徳間文庫)

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『求愛』柴田よしき(徳間文庫)
主人公は、29歳のフランス語の翻訳者<小林弘美>です。元彼の<新藤幹久>と結婚した親友の<由嘉里>が自殺、その後届いた葉書の文面から自殺とは信じられず、<幹久>の姉<容子>が関与していることを突き止めます。

<容子>は、夫<幹久>の素行調査を頼んだ悪徳調査事務所の強請に合っており、お金絡みで<由嘉里>を殺めてしまいました。

又その後、息子を亡くした<袴田弓枝>と知り合いますが、<弓枝>が交際相手と無理心中で亡くなってしまいます。この事件も三角関係のもつれだと見抜き、かかわり合った私立探偵<梶本真二>と知り合い、<容子>を落としいれた悪徳探偵事務所に復讐するために探偵事務所の調査員となります。

様々な探偵の仕事をこなしながら、成長していく<弘美>の姿が描かれていて、タイトルの『求愛』の意味が、最後にわかる重厚な構成でした。
#本 #読書

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『その夜の雪』北原亞以子(講談社文庫)

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『その夜の雪』北原亞以子(講談...
本書には、表題作を含む7つの短篇が納められています。

単行本として刊行されたのは1994(平成6)年ですが、江戸時代を舞台とする物語は、どの作品も色あせることなく、市井に生きる庶民の生き様として心に響いてきます。

表題作の『その夜の雪』は、著者の<慶次郎縁側日記>シリーズに登場する「仏」と呼ばれる人情派の定町廻り同心の<森口慶次郎>が初登場、祝言を間近にひかえながら暴漢に襲われ自害、<慶次郎>は家の取り潰しをも心に刻みながら、周年で下手人を探し出すのに紛争、愛娘の敵を討とうとします。

この表題作以外は、誰もが経験するような親子・夫婦の日常生活の喜怒哀楽を主軸に、最後には前向きに人生を歩もうとする登場人物たちの姿に感動を覚える短篇集でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『あそび遍路』熊倉伸宏(講談社文庫)

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『あそび遍路』熊倉伸宏(講談社...
著者の職業は精神科医で、特定の宗教を持っておらず、またどちらかといううと宗教に関心を持つこともありませんでしたので信仰心もなく、タイトルとして「あそび」という言葉を使用されていますが、やはり一精神科医としての目線をくずすことなく、遍路旅を続けられた記録として面白く読み終えれました。

88か所を休みを利用して歩かれていますが、全行程を歩き続けることを「遠し」、お寺に参ることを「打つ」、時計回りの反対に回ることを「逆打ち」など、遍路特有の言葉が出てきますので、<遍路>の解説本としても参考になります。

<歩ききれるか、否か。それを分けるのが脚である>という文章が何回か登場してきますが、<四国遍路は循環と皆既の行為で、基本的な終わりがない>という言葉と合わせ、やはりみずからの脚で回らないと、本当の<遍路>の意味が見いだせないことを、改めて自覚できました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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