著者は、故郷の山口市内において2010年1月に亡くなられています。
<香菜里屋>シリーズとしては本書を持って完結編となり、ビアバー「香菜里屋」を舞台に連作短篇の形式で5編と、未完となった『双獣記』が収録されています。
それぞれが独立した安楽探偵よろしくビアバーのカウンターの中で<工藤>マスターを中心に謎解きが展開されて行きます。
謎解きのミステリーだけでなく、「本日は・・・がいいですよ」という<工藤>マスターの創作料理の表現や、カクテルへのこだわりの描写が楽しめ、「香菜里屋」を訪れるお客さんたちのほろ苦い人生が語られる人間ドラマが交錯しています。
突然店を閉めた<工藤>マスターの行く末は謎のままで読者にゆだねられてしまいましたが、酒好きとしては是非にでも訪れてみたい「香里菜屋」として、心に残る余韻を持って読み終えました。
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