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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『もう誘拐なんてしない』東川篤哉(文春文庫)

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『もう誘拐なんてしない』東川篤...
大学の夏休み、先輩<甲本>の手伝いで軽トラでたこ焼きを売るバイトをしていた<楢井翔太朗>は下関に住んでいますが、たこ焼きの販売で出向いた門司にて、ヤクザの二人連れに追いかけられている高校生の<花園絵里香>を助けます。

<絵里香>は、福岡県門司の暴力団<花園組>組長<花園周五郎>の娘で、腹違いの妹の手術代500万を手に入れるため、<翔太朗>と<甲本>の3人で「狂言誘拐」を計画、組から上手く3000万の現金を手に入れたのですが、祝杯の中に睡眠薬を<甲本>に入れられ、目を覚ますと500万だけが残されており、身代金を回収した船の倉庫には<花園組>の若頭<高沢>の死体が残されていました。

最後にミステリーとして謎解きをするのは<絵里香>の姉<皐月>で、組長の長女として男勝りの性格です。

駄洒落や広島弁の会話も楽しくユーモアのある文章で、また地元ならではの観光ネタも面白く、<翔太朗>と<絵里香>の青春ストリーも絡め、おおいに楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『アナザーフェイス』堂場瞬一(文春文庫)

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『アナザーフェイス』堂場瞬一(...
育児と仕事を両立させるために捜査一課から、刑事総務課に移動させてもらったシングルファザーの<大友鉄>は、能力を惜しまれて、上司の命令で、銀行員の6歳の息子が誘拐された事件の捜査をすることになります。

身代金は、アイドルグループの5万人のコンサート会場に紛れ込み持ちさられてしまいます。

息子は無事に戻りますが事件の恐怖で、言葉を失っていました。

事件の背景には銀行融資に絡む側面がありましたが、新シリーズとして、楽しめそうなキャラクター刑事の出現です。
#本 #読書

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『一鬼夜行』小松エメル(ポブラ文庫)

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『一鬼夜行』小松エメル(ポブラ...
江戸時代から新しい年号に変わり5年、面相の妖怪な古道具屋の<喜蔵>の庭に、ある夜小生意気な少年<小春>が空から落ちてきたところから物語は始まります。

<小春>は自分は「百夜鬼行」の道中にはぐれた鬼だといい、戻るべき行列を見つけなければいけないのですが、人間嫌いの<喜蔵>もなぜか<小春>には心を開き、二人の奇妙な生活が始まりますが、<喜蔵>の周りで次々と奇妙な事件が起こります。

この<小春>、本来<龍>と呼ばれた「猫股」と呼ばれる妖怪でしたが、その上の大妖怪の位を仕留めるためには、情を通じた飼い主の首を捧げなければなりません。

まだ江戸時代の物の怪がまかり通り時代を舞台として、人間と妖怪の交流を通して粋で軽妙な会話が楽しめ、ほのぼのとしたエンディングに心落ち着く一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『最後の一球』島田荘司(文春文庫)

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『最後の一球』島田荘司(文春文...
『占星術殺人事件』に始まる<御手洗潔シリーズ>として、本書は25冊目に当たります。

横浜にある<御手洗>の事務所に、山梨県の山奥から<廿楽(つづら)泰>という青年が、母親の<芳子>が自殺未遂をした原因を探ってほしいと訪問、現地に出向き母親との会話で、悪徳金融業者「道徳ローン」の借金が原因であることを突き止めます。

突如場面は、子供の頃に借金苦から父親を亡くした「ぼく(竹谷亮司)」の、貧しい生活からプロ野球を目指す人生物語が始まります。
契約金なしでプロ野球団に投手として入団、あこがれの天才打者<武智明秀>のバッテイング投手に生きがいを感じていた<竹谷>ですが、突然<武智>が野球賭博で逮捕され、その原因が自分の父親と同じ「道徳ローン」の借金が絡んでいることを知ります。

プロ野球の世界が丁寧に描かれており、これが前半の部分とどうつながるのか訝りながらも、二軍で終わった投手と天才打者との心の絆を絡め、タイトルの「最後の一球」の意味がジワリと心に響く面白さでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『裂壊』<警視庁失踪課・高城賢吾>堂場瞬一(中公文庫)

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『裂壊』<警視庁失踪課・高城賢...
<警視庁失踪課・高城賢吾>シリーズも、前作の 『漂白』 に次いで、本書で第5作目になります。

半年に一度行われる失踪課課長査察を間近に控え、室長の<阿比留真弓>が出勤してこないのを不審に思った<高城>は、急きょ自宅に出向きましたが何も掴めず、<阿比留>の個人的な私生活を何も知らされていないことに気づかされます。

そんな折、<広瀬>と言う大学生が恋人の<鈴木美知>が行方不明で、部屋が荒らされているという相談が持ちかけられます。

<高城>たちは二つの失踪事件の捜査段階で、<鈴木美知>は<阿比留>の娘であることを突き止め、5年前に起こった高校生による爆弾事件に<阿比留>母娘が関係していることを突き止めていきます。
査察の時間までに、無事室長を探しださなければ失踪課の解体もあり得る中で、<高城>たちの不休の捜査が進んでいきます。

本書で<阿比留>室長の過去が洗い出され、彼女の娘に対する行動が<高城>に不信感を与え、今後の二人の動向が気になる終わり方でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『イジ女(め)』春口裕子(双葉文庫)

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『イジ女(め)』春口裕子(双葉...
大学を卒業後、大手損害保険会社の損害調査部や広報部に勤務、2001年『火群の館』で、第2回ホラーサスペンス大将特別賞受賞作品で作家デビューしている著者です。

本書には6篇の短篇が収められており、著者の仕事の経験をいかした、身近にいそうな「女」を主人公に据えて、陰湿な女同志の「チクチク感」を見事に描き出しています。

マンションに住む主たちの抗争やねたみ、結婚式場を舞台に新婦と会社の同僚の諍い、高校時代のクラトモと12年ぶりに再会する二人、人の噂を嗅ぎ回り素知らぬ顔で告げ口をする女、合コンで男をその気にさせるのが楽しみな女など、女社会のシリアルな部分をコミカルに描き出しています。

6篇目の『レッツらゴー』では、各短篇に登場していた人物たちが登場、小粋なエンタティメントの総集編として、面白く読み終えれました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『おとぎ菓子』~料理人季蔵捕物控~和田はつ子(ハルキ文庫)

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『おとぎ菓子』~料理人季蔵捕物...
前作 『時そば』 に続く<料理人季蔵捕物帳>シリーズの第7巻目が本書です。

一膳飯屋・塩梅屋の<季蔵>を主人公に4編の作品が収められており、江戸時代の料理書としても楽しめながら各編を通じて江戸市中の事件がつながり、市井の悪行に対して<季蔵>の活躍が楽しめます。

<季蔵>は塩梅屋の主というだけでなく、北町奉行<烏谷椋十郎>の配下として、奉行所役人が係ることのできない武家に侵入したり、ご法度で裁くことのできない悪人を成敗する裏の顔を持っています。
本書では、大店のお店が次々と閉店してゆくことに疑問を感じた<季蔵>がさぐりを入れてゆくうちに、利権がらみの悪巧みを企む3人が浮かび上がります。

<季蔵>は元々は<堀田季之助>という武士でしたが、本書では跡目をついだ弟との再会場面もあり、心の葛藤が垣間見れる内容でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『しずかな日々』椰月美智子(講談社文庫)

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『しずかな日々』椰月美智子(講...
友達と呼べる仲間が無く、勉強も駄目で運動神経も悪い<ぼく>こと<枝田光輝>は、小学5年生なり、担任の先生は4年生の時の受け持ちだった<椎野>先生でひと安心でした。

座席の後は<押野広也>で、彼から3丁目の広場でやっている草野球に誘われ、6年生の<じゃらし>や水泳の得意な<ヤマ>達と知り合い、楽しい時間を過ごしていました。

母親の仕事の関係で突然夏休み前に転校をしなければならなくなった<枝田>は、せっかくできた友達と離れることを拒否、母親と別れて急きょ祖父の家で生活することになります。
人生で一番思い出となる夏休みを経験、大人になってからも懐かしく想い出す日々として、心に深く残っています。

<今の自分というのは、これまでの過去を全部ひっくるめた結果なのだ>と、<どんなことも静かに受け入れていくのがぼくの人世で日常だ>と、おとなになって気づく人生の原体験がみずみずしく描かれていました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『MORNING GIRL』鯨統一郎(講談社文庫)

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『MORNING GIRL』鯨...
宇宙空間の人類の前線基地としてスペースアイランド「飛翔」がありますが、仮想現実物語の流行作家<スティーブ>は、最近睡眠時間が少なくなり人体コンディショナーの<エドナ>の診察を受けますが、彼だけでなく「飛翔」に住む人間だけでなく地球の人間にも、睡眠時間の減少が広がっていきました。

「飛翔」の最高責任者<バーナード>は、<ダイアン>を責任者として睡眠時間の減少を突き止めるリーダーに選びますが、その後「飛翔内で禁止された性行為が発覚、役目を下ろされますが、<ダイアン>は自ら研究チームを立ち上げて原因を追究していきます。

人はなぜ眠るのか? 夢とは何か? なぜ人類は原子力を開発してきたのか?と言った謎を伏線に、<母なる地球>の隠された真実が明るみに出たときに、人類は新しい一歩を宇宙に踏み出すのでした。

俗に言われるSF小説の範疇ですが、原子力発電所の事故などを背景にした近未来的な要素も垣間見られ、面白く読み切れました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『朝日のようにさわやかに』恩田陸(新潮文庫)

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『朝日のようにさわやかに』恩田...
著者として新潮文庫では、 『ライオンハート』 ・ 『図書室の海』 に次ぐ3冊目の短篇集で、全14話が納められています。

収録作品の数が多いので、ひとつひとつの解説はかけませんが、寓話的な話、ミステリー、ホラー等、多岐にわたるジャンルの色とりどりの掌作品が楽しめました。

「あとがき」として、著者自身が各短篇の説明を書かれていますので、読み手側としての感想と、著者自身の意図とのすり合わせができ、楽しめた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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