『王子狐火殺人事件』風野真知雄(文春文庫)
5月
15日
主人公は南町奉行所の奉行<根岸肥前守鎮衛>で62歳、市中の情報は知らないモノはないというところから「大耳」と呼ばれ、裏稼業の世界では肩に赤鬼の入れ墨を入れていることにより「赤鬼」と呼ばれています。
物語は祝言の日に花嫁が消え、その花嫁の着物を着て狐の面を付けた娘が殺害されたところから始まり、江戸市中にある稲荷神社を中心に、若い巫女が連続して殺害されていきます。
<根岸>は、配下の<坂巻弥三郎>と<栗田次郎左衛門>を調査に当たらせ事件の解明に当たります。
この「耳袋秘話」シリーズは、大きな事件を主軸にその他市井に起こる事件を短篇として平行させて描く構成でまとめられています。