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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(124)『もぐら 戒』矢月秀作(中公文庫)

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今年の読書(124)『もぐら ...
元警視庁捜査一課に勤めていた「影野竜司」は、示談屋・処理屋と呼ばれるトラブルシューターとして、夜のうちに活動し物事を解決するということで<もぐら>と呼ばれ、前作の 『モグラ 闘』 に続くシリーズ6作目が本書です。

野辺医院に住み込んでいる「竜司」の元に、エコ環境の開発をしていた「エコウインドウ」に勤める研究員「安里」が逃げ込んでくるところから物語は始まります。
「安里」は知らぬ間に、自分の開発した風力発電の仕組みが既にに会社側で特許申請されているのに驚き、社長に直訴しますが怪しげな人物たちに命を狙われながら、社長暗殺に執念を燃やして逃走してしまいます。

「竜司」は自分の情報屋「テツ」を使いこの「エコウインド」に関する調査を始めた矢先、恋人の「紗裕美」が誘拐され、交換条件に逃げている「安里」の身柄を確保しなければならない立場に追い込まれていきます。

「紗由美」の体には爆薬が仕掛けられ、与えられた時間は72時間しかないなか、会社の用心棒のロシアマフイアのかく乱騒動も絡み、最後まで手に汗握る展開が楽しめた一冊です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(123)『南へ舵を:新・古着屋総兵衛4』佐伯泰英(新潮文庫)

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今年の読書(123)『南へ舵を...
シリーズ物は続けて読みたいのですが、気になる本も多く、後手後手になってしまいます。
ひとつは、シリーズ物は廃刊になる率が少なく、いつでも手に入るという安心感があるからかもしれません。

第三巻の 『日光代参』 では、大黒屋の幕府を守るという裏の仕事の指示を出す<影>こと<本郷康秀>を誅殺、その後金沢に向かい、前田家と大砲の売買を済ませ、9代目の一周忌を済ませるべく江戸富沢町に戻ります。

<本郷康秀>の跡継ぎから連絡があり、出向いて見ると<影>は「女」ということで驚く<大黒屋総兵衛>ですが、密談中に島津藩の襲撃を受けますが、<参次郎>等の活躍で無事に切り抜けます。

相変わらず島津藩の不審な動きの中、無事に一周忌を済ませた<総兵衛>は、「大黒丸」と「イマサカ号」の2隻でもって、いよいよ交趾(ベトナム)に向け交易の航海に出発です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(122)『人間にとって成熟とは何か』曽野綾子(幻冬舎新書)

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今年の読書(122)『人間にと...
早や80歳を超えられましたので、昔のように長編小説は書かれていないようですが、エッセイなどは相変わらず歯に衣を着せぬ文章で意見を述べられますので、好きな作家の一人です。

大人としての「成熟」とは何かを、全18話の体験談を通してまとめられています。

・・・「人間の努力がなくていいわけではない。しかし努力でなにごともなし得るというわけにはいかない。そう思えることが、一人前の大人の状態だ」
・・・「成熟した人間というものは、必ず自分の立場を社会のなかで考えるものだ」
・・・「品を保つということは、一人で人生を戦うことなのだろう。(略)自分を失わずに、誰とでも穏やかに心を開いて会話ができ、相手と同感するところと、拒否すべき点を明確に見極め、その中にあって決して流されないことである」

いつもながらの小気味の良い文体で、心に響く箇所が多々ある一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(121)『チャコズガーデン』明野照葉(中公文庫)

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今年の読書(121)『チャコズ...
女性の<執念・怨念・妬み>を書かせると、この著者の右に出る作家はいないと考えていますが、本書は冒頭からいつ本来の路線に展開するのかなと感じながら、最後はほのぼのとした結末で読み終え、少し意外でした。

吉祥寺の清楚なマンション「チャコズガーデン」に住む<渚>は、住民に離婚したことを隠しながら、仕事もせずにひっそりと暮らしていました。

そんな折、不審者の侵入や夜中の奇妙な騒音事件、元理事長の積立金横領と次々に問題が起こり、総会を通して住人同士との付き合いが深まっていきます。

三十数戸ばかりのそれぞれの家庭問題が浮き彫りにさらされる中、<渚>は住民と接してゆくことで、新しい人生を踏み出していきます。
マンションという一つの共同体を舞台に、それぞれの人生が絡み、『プロローグ』に書かれた部分が、『エピローグ』へとつながる壮大な人間ドラマの構成に感動しました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(120)『世界記憶コンクール』三木笙子(創元推理文庫)

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今年の読書(120)『世界記憶...
明40年頃を舞台として、小さな出版社「至楽社」の記者<里見高広>を主人公に据え、探偵ホームズ役を担っています。

<高広>の雑誌の表紙絵を描いている絵師<有村礼>は美麗の顔立ちで、人気画家の立場でワトソン役を務めています。

副題として<帝都探偵絵図>と銘打たれ、明治の世相を反映した5編が納められていますが、市井の中で起こる事件を人々の交流、父と子の関係を通して解決に導いていきます。

本書は『人魚は空に還る』に続く2巻目ですが、<高広>を取り巻く脇役も個性があり、あえて時代設定を明治時代にしたことが楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(119)『カラット探偵事務所の事件簿2』乾くるみ(PHP文芸文庫)

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今年の読書(119)『カラット...
本書は前作の 『カラット探偵事務所事件簿1』 に次いでの第2巻目になります。

所長の<古谷謙三>と<俺>こと元新聞記者の<井上>は30歳、高校の同級生ですが、よくある浮気調査や信用調査などを行わず、「謎解き専門の探偵事務所」として閑古鳥がなく体裁ですが、資産家の<古谷>は気にもせず、自分の頭脳を駆使できる事件だけを楽しみにしています。

本書も前作同様に<古谷>が推理して解決した事件を、<俺>の語り口で事件簿として記録されています。

殺人事件などの推理物ではなく、日常生活の中から起こる何気ない事件を取り上げていますが、読者にも推理の種を提示しながら構成は、さすがと感じさせる<乾>ワールドが楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(118)『浮かぶ瀬もあれ』白川道(幻冬舎文庫)

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今年の読書(118)『浮かぶ瀬...
著者自身の自伝的小説で、ほぼ経歴通りの筋書きの時代背景は、「いざなぎ景気」の昭和44(1659)年を舞台としています。

主人公<梨田雅之>は23歳、大阪でひと稼ぎして師匠<砂押>の薦めで東京の広告会社に入社した新入社員の立場から物語は始まります。

バブル景気で潤う会社の派閥争いと出世競争に嫌気を指しながらも、上司やクライアントたちと銀座のマダムが経営する隠れ雀荘で一晩300万が動く賭博麻雀を楽しむかたわら、ママの妹の大学生<水穂>と、会社の同僚<めぐみ(通称ベティー)>との逢瀬を楽しむ地墜落的な心の動きを『病葉』に例えて描き切っています。

大学時代 には、<雀荘荒らし>といわれた麻雀からも遠のく生活をしていますが、麻雀をたしなまない方には理解できない牌の打ち回し場面には、昔の血が騒ぎました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(117)『ダイナマイト・キッドなんか大嫌い』山本甲士(中公文庫)

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今年の読書(117)『ダイナマ...
短篇4話が納められていますが、主人公<鏡愛香>は身長156センチ、体重80キロ近くある刑事組織犯罪対策課に勤める新米巡査です。

上司の<菅牟田>の情報屋の<相賀大>は、ウエイトトレーニングの指導をしながら、顔の広さを利用して各方面の情報を集めるのに秀でており、定年まじかの<菅>は、<愛香>に引き継がせようとします。

この<相模>は、<愛香>が子供の頃に離婚した母親が付き合っていたこともあり、子供心にいい印象を持っていません。
筋肉ムキムキの<相賀>は、ウエイトトレーニング理論を駆使しながら、<愛香>が遭遇する事件の推理を手伝う構成になっています。

ちなみにプロレスファンならご存じだと思いますが、<ダイナマイト・キッド>は日本でも活躍したイギリスの元プロレスラーです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(116)『ルーキー』堂場瞬一(中公文庫)

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今年の読書(116)『ルーキー...
(中公文庫)として著者には、 「刑事・鳴沢了」シリーズ や 「警視庁失踪課・高城賢吾」 シリーズ がありますが、本書も25歳の新人刑事<一之瀬拓真>を主人公に、シリーズ化となりそうな文庫描き下ろし作品です。

3年間の交番所勤務を終えた<一之瀬>は、住居の少ない千代田署刑事課強行犯係に転属、管轄地域はビジネス街で窃盗犯が多い中、配属初日に殺人事件が発生。48歳の先輩刑事<藤島一成>とコンビを組み、初めての殺人事件の捜査に乗り出します。

恋人<深雪>とのデートもままならない中、<一之瀬>は刑事としてのイロハを、先輩刑事の<藤島>から教わりながら、第一歩を踏み出していきます。

物語全体が、<一之瀬>の目線で描かれていますので、新人としての彼の思考過程が読者に共感を覚えさせ、この後一人前になってゆく過程が楽しみな新シリーズになりそうです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(115)『永遠』小手鞠るい(角川文庫)

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今年の読書(115)『永遠』小...
短大に非常勤講師として務める<由樹>は、39歳です。
19歳の時、高校の親友である<菜々子>の下宿先の部屋で、2歳年上の<菜々子>の彼、政治家の秘書をしている<真山昇平>に体を奪われてしまい、<菜々子>とも疎遠になってしまいます。それ以降、心の隅で愛情と憎しみの裏表を<真山>に感じながら、人生を過ごしてきています。

自らも一度は見合い結婚で4年ばかりの生活を海外で過ごすのですが、夫と触れ合う気持ちが生まれずに離婚してしまいます。

32歳の時に再開した衆議院議員の<柏井惇>の愛人としての立場で幸せを感じているとき、その彼の秘書として<真山>が登場、昔の思い出が甦ってきます。

二人の男の間で揺れ動く女性の心理を見事に描き切っており、結末は一抹の安堵感を与えてくれていますが、最後まで展開が読めない緊張感のある文章が続く一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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