今年は昨年ほど「カメムシ」の話題を、あまり耳にしません。 昨日の神戸は最高気温が「32.5度」でしたが、暑い日差しの中、カメムシ目(半翅目)ヘリカメムシ科ハラビロヘリカメムシ属【ホシハラビロヘリカメムシ】を見つけました。 体長15ミリほど、黄褐色をしており、腹部の幅が広く、前翅に丸い斑紋が左右に一つずつあります。 マメ科植物を主食とし、「フジ」、「クズ」、「ヌスビトハギ」などを好みます。また畑のダイズに見かけることもあります。特に【マルカメムシ】と同様に「クズ」の葉で見かけることが多いカメムシです。
チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ヒメシジミ亜科の【ヤマトシジミ】が、翅を広げていました。表翅の色合いから「メス」でした。 【ヤマトシジミ】の翅は、後胸背部には後翅がつき、前翅は直角三角形型、後翅は楕円形型です。雌雄で翅色が異なり、「オス」の翅表は青色から青白色で、前翅では翅外縁部に黒色の帯を有し、後翅では翅外縁部および前部に黒色の帯があります。「メス」では前後とも一様に黒色から蝋色をしています。 自然界の生物では、「オス」の方が色鮮やかな場合が多いようです。【ヤマトシジミ】の場合は、「オス」、「メス」ともに季節変異はありますが、基本的に「オス」は青色から青白色~灰青色、「メス」は黒~焦げ茶です。
昨日の神戸の最高気温は「35.2度」でした。ハチ目スズメバチ科の【キイロスズメバチ】も暑いのでしょうか、濡れた枯れ葉に付いた水滴を吸っている様子みたいに見えましたが、どうなんでしょうか。 この7〜9月の時期は、巣の引越しを行うため、活発に行動していますので、凶暴性が増しているだけに、単眼で睨まれている感じがして、近づくことは避けました。 体は他のスズメバチに比べると(女王バチ26ミリ・働きバチ17〜24ミリ)と小さめですが、【オオスズメバチ】に匹敵する攻撃性を持つことに加え、【オオスズメバチ】と比べて人間の生活圏によく巣を作りますので、スズメバチの中で人への被害が最も多いのがこの種です。近年になって特に都市部で急激に増えてきました。 【キイロスズメバチ】は、特に多種多様なものを食べます。ハエやアブ、ミツバチなど小型の昆虫やクモのほか、昆虫や小動物の死骸、人間が捨てた残飯や飲み残しのジュースなども食べます。 チョウやガの幼虫などの大型で動きが鈍くとらえやすい昆虫は、蜂の王者である【オオスズメバチ】が独占しています。【オオスズメバチ】にかなわない【キイロスズメバチ】はそれらの魅力的な獲物を【オオスズメバチ】に譲り、細々と残り物を食べています。このように選り好みせずになんでも食べることが、【キイロスズメバチ】の生存戦略になっています。 食性の広さに加え、どこにでも巣を作る習性が、都市に適応しやすい理由であり、同時に人間への被害が多発することになります。
昨日の神戸の最高気温は「37.1度」の猛暑日でしたが、壁にへばりついている体長10センチほどの褐色のナナフシ目ナナフシモドキ科の【ナナフシモドキ】です。 画像では大きくなるように横向きに配置していますが、本来は頭部を上にしていました。 まるで木の枝に6本の脚がはえたような体型の昆虫です。よく似た「エダナナフシ」とは、本種の方が触角が短いことで見分けられます。メスは、「緑色」~「褐色」。オスは、濃褐色でメスよりも細いのですが、通常、メスだけで単為生殖を行なうため、めったにオスは見つかりません。昆虫記(263)の2013年6月2日に【ナナフシモドキ】の登場以来10年以上が経ちますが、オスとの遭遇はありません。 日当たりの良い雑木林や、林縁の葉上、下草上で見られ、サクラ、カシ、コナラなど、いろいろな植物の葉を食べます。
昨日の神戸の気温は、「35.6度」の「猛暑日」でした。体長の20ミリほどのハエ目(双翅目)アブ科の【ヤマトアブ】にとっても暑さはこたえるのか、石畳の上でじっとしていました。 よく似た姿の仲間に【ウシアブ】がいますが、複眼の色で見分けられます。【ウシアブ】の複眼は「緑色」をしていますが、【ヤマトアブ】は「褐色」です。 【ウシアブ】と同様に、動物から吸血する大型のアブです。腹部は黒色で黄色い縞模様があり、中央で小さい三角形になります。触角基部は赤色をしています。 オスでは頭部のほとんどが複眼で覆われ、両複眼の間には隙間がありませんが、メスには少し隙間がありますので、本種はメスのようです。
昨日の神戸の最高気温は、「34.7度」でした。強い日差しの中で、「センニチコウ」に仲良く二頭のチョウ目 (鱗翅目) シジミチョウ科 の【ヤマトシジミ】が吸い蜜に訪れていました。 求愛行動の仲良き場面に出会えるかなとしばし眺めていたのですが、吸い蜜行動に徹しており、同性同士なのかもしれません。 表翅の色がわかれば雌雄の区別ができるのですが、その機会もありませんでした。 本当に仲良く、相手を無視しているのか、嫌がらずに一心不乱で食事中でした。
紫陽花の葉の裏側に隠れていましたコウチュウ目テントウムシ科【ニジュウヤホシテントウ(二十八星天道)】を見つけました。暑い日差しの中、葉を日傘代わりにしているようでした。 葉の裏側で薄暗い中ですが、【ニジュウヤホシテントウ】の数ある黒斑の文様は、見て取れると思います。体長は6~7ミリで、頭部は点刻が一面にあり、複眼だけが黒く、前翅には黒斑が多く見られます。斑紋の大きさには大小がありますが、それらは前から横向きに3・4・3・3・1と列を成し、上翅会合線で左右の黒斑がくっつくことはありません。 テントウムシ科の種は、本種を含むマダラテントウ族およびキイロテントウなどを含むカビクイテントウ類を除けば、すべて肉食で、農業害虫の「アブラムシ」や「ハダニ」などを食べる益虫として知られています。 しかしながら【ニジュウヤホシテントウ】は、成虫・幼虫ともに植物の葉を食べてしまう害虫です。時には果実にまで被害が広がることもあります。ナス、トマト、ジャガイモといったナス科植物の多くの種類によく発生します。
幼虫の食草が「カタバミ」ということもあり、都会でもよく目にするチョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ヒメシジミ亜科の【ヤマトシジミ】ということで、登場回数も(39)と多いのですが、ここ最近は観察する機会が少なくなってきている感じです。 「カタバミ」に産卵し、幼虫も「カタバミ」を食べて育ちます。成虫は背の低い植物の黄色の花を吸蜜種として好むようで、今回は「センニチコウ(千日紅)」の花で、やはり黄色い花の蜜を求めていたようです。蛇足ですが、「センニチコウ」は塊で〈花〉だと観ています部分は〈苞〉で、ブツブツとある黄色い部分が〈花〉となります。 撮影してきました黄色い花といえば、「オニタビラコ」・「金鶏草」・「カタバミ」などで観察しています。
<アブ>にでも体液を吸われたのでしょうか、【ウスバカゲロウ】が強い日差しの中、干からびて横たわっていました。 <ウスバカゲロウ(薄翅蜉蝣、薄羽蜉蝣、蚊蜻蛉)>は、アミメカゲロウ目(脈翅目)ウスバカゲロウ科 Myrmeleontidae の昆虫の総称としてつかわれています。 【ウスバカゲロウ】は、ウスバカゲロウ属の1種です。前翅の長さは4cm前後で、頭部は光沢のある黒色、胸部の背側は黒で腹側は黄色、隆起した後頭中央接合部は陥没して黄色である。触角は黒色です。翅は透明で薄くやや幅広く、縁紋は黄白色。翅脈は黄褐色ないし褐色をしています。 【ウスバカゲロウ】の成虫はトンボによく似ており、細長い体、丸い頭と細長い翅を持っています。ただし、止まるときは翅を背中に伏せてたたむこと、頭は小さくて複眼がさほど巨大ではないこと、短く太い触角などで区別できます。
強い日差しの光線具合が良くなかったようで、画像があまりよくありませんが、特徴からカワゲラ目(襀翅目)の<カワゲラ(川螻蛄)>のようです。 <カワゲラ>としては、【オナシカワゲラ】をたまに見かけますが、頭部周りの体色が違うようです。 カワゲラ目は、有翅昆虫(はねを持つ昆虫)の仲間ではもっとも原始的なグループの昆虫と言われています。仲間は世界で約2000種、日本では9科150種以上が知られていますが、この仲間はあまり調査・研究されていない分野のためか、和名・学名が不明なものも多く、幼虫と成虫の関係も分かっているものは大変少ないようです。