11日の米株式市場でダウ工業株30種平均株価は一進一退で始まりました。このところの株高を受け、高値警戒感から主力株に売りが出やすくなっています。一方、
朝発表の5月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回りました。インフレを巡る過度な懸念がひとまず後退し、ダウ平均株価は上昇する場面がみられました。
米中両政府が10日まで開いたロンドンでの閣僚級協議では、5月にスイスで合意した内容を履行することで一致しました。<ラトニック米商務長官>は中国によるレアアース(希土類)の輸出規制は「解決されるだろう」との見方を示しています。
11日、<トランプ米大統領>は自身のSNSで「習近平国家主席と私が最終承認すれば、中国との(貿易)合意は完了だ」と投稿しています。枠組みの内容は両国首脳による承認を得る見通しで、様子を見極めたい雰囲気も見られます。
ダウ平均株価は上昇する場面もあり、5月の(CPI)の上昇率は前月比(0.1%)と、市場予想(0.2%)を下回りました。食品とエネルギーを除くコアの上昇率は前月比(0.1%)、前年同月比では(2.8%)と、ともに市場予想(0.3%、2.9%)以下となりました。
市場では、関税引き上げの大部分は最終的には消費者に転嫁されますが、企業は今のところ慎重になっているようです。米連邦準備理事会(FRB)は目先は様子見の姿勢を維持するものの、年内に利下げに動くとの市場の見方を後押しすると受け止められています。
ダウ平均株価は、前日比1ドル10セント(0.0026%)高の4万2865ドル77セントで終えています。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価は、前日比99.11ポイント(0.50%)安の1万9615.88で終えています。
S&P500種株価指数は、前日比16.57ポイント (0.27%)安の6022.24で終えています。