帯には、彼氏、夫、父、息子、狂気はいつでも誰にでも訪れるとありましたが、11の短篇が収められています。 最初の登場する表題作は、猫の<すず>を主人公とした、ほのぼのとした味わいの短篇でした。 すれ違う男女、寄り添えない夫婦、日常に潜んでいる不条理な出来事を、鮮やかな心理描写で丁寧に描いた作品集でした。
<常盤貴子>(44)と<池松壮亮>(26)が初共演し、美容師へのストーカー行為を繰り返す主婦の姿を描いた<井上荒野>の小説『だれかの木琴』(2011年12月9日・幻冬舎)を映画化したサスペンス作品『だれかの木琴』が、2016年9月10日に全国で公開されます。 監督は『もう頬づえはつかない』(1979年)・『絵の中のぼくの村』(1996年)・『わたしのグランパ』(2003年)などを手がけたベテラン<東陽一>です。 夫と娘と郊外に越してきたごく普通の主婦「小夜子」は、新しく見つけた美容院で髪を切った。その日のうちに届いた美容師「海斗」からのお礼の営業メールに返信したことから「小夜子」の日常が一変します。何度もメールを送り、頻繁に店に足を運び、「海斗」を指名する「小夜子」。 そして、「海斗」のアパートを探し当てた「小夜子」は、部屋の呼び鈴を押してしまいます。ストーカー行為がエスカレートするほどに、「小夜子」はいきいきと輝き、美しくなっていきます。主婦「小夜子」役を<常盤貴子>、美容師「海斗」役を<池松壮亮>が演じ、「小夜子」の夫役を<勝村政信>、「海斗」の恋人役を<佐津川愛美>がそれぞれ演じています。
食堂として使用されていますデイルームですが、壁にヘルパーさんが作られたポスターが飾られています。 8月までは、夏の景色らしく海辺の風景がえがかれていましたが、9月を迎えるに当たり、赤色と黄色で作られたモミジの紅葉のデザインです。 大のビール党としては、このポスターの柄を眺めるたびにキリンビールの秋の定番銘柄である<キリン秋味>のラベル模様を連想してしまい毎回苦笑いをしておりました。 たしか今年も8月23日から全国発売され、麦芽をたっぷり使用した味わいで人気を博し、今年で発売26年目になります。
著者には、殺人事件を追う刑事を主人公に据えるのではなく、<高城賢吾>を主人公とする 、『警視庁失踪課』 シリーズがありますが、本書の副題も、<警視庁犯罪被害者支援課>で、殺人事件を追う刑事が主人公ではありません。 本書の主人公<村野秋生>警部は35歳、デート中に暴走車に突っ込まれ、恋人はくるまいすせいかつ、自らも後遺症をかかえています。 月曜日の朝、通学中の児童の列に暴走車が突っ込み死傷者多数の事件が起こります。 担ある事故かとおもえたのですが、運転手とある被害者との接点が浮上、捜査がすすみますが、思わぬ方向に事件が展開していきます。 自らが被害者である<村野>の献身的な心遣いに頭が下がる思いで読み進めました。組織の部署の中には、どうしても浮いた人物がいるものですが、心遣いの対比がうきぼりになり、いい脇役をつとめていました。 <むらの>と恋人<西原>との関係も気になるシリーズになりそうです。
直木賞作家<黒川博行>の『後妻業』を、<大竹しのぶ>と<豊川悦司>の共演で映画化した『後妻業の女』が、2016年8月27日より全国で公開されます。 『愛の流刑地』 ・ 『源氏物語 千年の謎』の<鶴橋康夫>が、監督を務め、資産を持つ独身男性の後妻に収まり、多額の金品を貢がせる「後妻業」を生業とする女の姿を描きます。 結婚相談所主催のパーティで知り合い、結婚した「小夜子」と「耕造」。2年後に「耕造」は死去しますが、娘の「朋美」と「尚子」は、「小夜子」が全財産を受け継ぐという遺言証明書を突きつけられます。「小夜子」は、裕福な独身男性の後妻となり、財産を奪う「後妻業の女」で、その背後には結婚相談所所長の「柏木」の存在がありました。一方、父親が殺害されたと考える「朋美」は、裏社会の探偵「本多」を雇い、「小夜子」と「柏木」を追いつめていきます。「小夜子」役を<大竹しのぶ>、「柏木」役を<豊川悦司>が演じ、<尾野真千子>、<長谷川京子>、<永瀬正敏>らが共演しています。
南町奉行<根岸肥前守>を主人公とする「殺人事件」シリーズとして、 『王子狐火殺人事件』 に次ぎ、本書が第12巻目になります。 年の瀬のちゅくだじまで、渡し船が突如突っ込んできた船に当て逃げされ転覆、乗っていた四人が死亡、船頭以外の死体には、刺し傷があり、単なるじこでないとのことで、<根岸>が動き出します。 馴染の<栗田>や<坂巻>も登場、本筋とは関係ありませんが、淡い失恋話も挿入されています。 今回も昔なじみの<五郎蔵>の協力のもと、お船手組と佃島衆の諍いをはじめ、船を使った押し込み強盗を見事にわなに嵌めて一件落着です。
南町奉行<根岸肥前守>を主人公とする<妖談>シリーズですが、『妖談しにん橋』 に次ぐ第4巻目が本書です。 仏像を盗むのを専門としていた<庄右衛門>は、処刑されるというときに、弟子の<双助>たちに助け出されます。 その頃深川では、芸者<力丸>の妹分<小力>が、行方不明になり、また、芸者の<鯉丸>が、逆さに吊るされた状態で死んでいるのが発見されます。 すぐに仏像を狙うであろうと考えた<根岸>は。家来の<宮尾>や同心の<椀田>たちを使い警戒にあたるなか、<双助>の不振な動きが寺社方と通じているのではないかと予測、秘仏を守るためにある噂を流し、敵方の裏をかくのでした。
いつも、「となりのおっちゃん」と呼んでいた<萩尾>さんが、あす退院です。荷物の整理をされていて、「にいちゃん、使い」とティッシュをいただきました。 半年前の入院時には82キロの体重が、病院食で現在は67キロとスリムになられましたが、お腹は減るようで、ピザトーストやパンなどの差し入れをよく食べられていました。 汗かきでリハビり運動のあとは、裸になって汗を拭かれていました。 もとは寿司職人、最後は、芦屋大丸の食品売り場で20年間天ぷらを販売されていたとか。 息子さんが、神戸の代表的な東山市場内にある「ミナエンタウン」の一角で、<風の音>という屋号で、天ぷら屋をしているとのことで、また出向きおっちゃんの近況を確かめたいと考えています。
、<蓮丈那智フィールドファイル>シリーズとして5巻目、前作の 『天鬼越』 と同じく<浅野里沙子>が著者の死後完成させた作品です。 最後に、民俗学に興味を持つたちばとしては、はずせない論争の「邪馬台国」の登場です。多くの学者たちが沿いれぞれの学説をうちたてていますが、いまだ結論はなく、存在そのものも怪しげな分野です。 異端の民俗学者<蓮丈那智>のところに、『阿久仁村遺文』と称する書付が持ち込まれ、持ち前の好奇心で、<蓮丈>たちは、真意をさぐろうとしますが、いきつくところは、「やまたいこく」に向かいます。歴史的に抹殺された一つの村を舞台に、現代史に隠された真相にたどりつきますが、旗師<宇佐見陶子>をはじめ。著者の作品に登場してきた癖のある人物たちが多く顔を出し、、<蓮丈那智フィールドファイル>シリーズ最終巻として、楽しく読み終えれました。
動画サイトで合計1億5000万回再生されたという恐怖映像を、『ソウ』 ・ 『死霊館』の<ジェームズ・ワン>製作で映画化された『ライト/オフ』が2016年8月27日より全国で公開されます。 暗闇に現れるという「それ」に怯える幼い弟を守るため、久しぶりに実家へ戻った「レベッカ」でした。たくさんのライトを準備して夜に備えますが、次々と明かりが消え、暗闇から「それ」が「レベッカ」たちを狙っていました。 監督は『アナベル 死霊館の人形』の続編『アナベル 死霊人形の誕生』で監督を務める<デビッド・F・サンドバーグ>。リメイク版『エルム街の悪夢』(2010年・監督: サミュエル・ベイヤー)や『ファイナル・デッドブリッジ』(2011年・監督: スティーヴン・クォーレ) ・ 『遊星からの物体X ファーストコンタクト』(2011年・監督: マティス・ヴァン・ヘイニンゲン・ジュニア)を手がけた<エリック・ハイセラー>が脚本を担当。 「レベッカ」役を『ウォーム・ボディーズ』(2013年・監督: ジョナサン・レヴィン) ・ 『Xーミッション』(2015年・監督: エリクソン・コア)の<テリーサ・パーマー>が演じています。