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神戸:ファルコンの散歩メモ

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  • ハッシュタグ「#読書」の検索結果1816件

『ルパンの消息』横山秀夫(光文社文庫)

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『ルパンの消息』横山秀夫(光文...
本書は「第9回サントリーミステリー大賞」(1991年)の佳作入選作品で、著者のデビュー作に当たりますが、訂正加筆され刊行されたのは2005年5月、光文社カッパ・ノベルスからでした。

1990年(平成12)年12月、忘年会に出席していた警察署長の素に、15年前に起きた高校女性教師の自殺事件が、実は殺人事件だとの密告の連絡が入ります。

また<喜多芳夫>は、娘や妻の目の前で突然警察官に署まで連行され、取調室で尋問されたのは、高校時代に悪仲間の<橘宗一>や<竜見譲二郎>の三人で企てた「ルパン作戦」なる期末テストを奪う作戦のことでした。

捜査陣が二つの事件の関連を辿って行く中で、戦後最大の謎である三億円強奪事件とまでが絡み、時効までの24時間の緊迫した状況が続いていきます。
それぞれの登場人物が15年という歳月を経て、様々な生き方をしており、ラストまでの伏線も丁寧にちりばめられ、楽しめる展開でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『転落』永嶋恵美(講談社文庫)

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『転落』永嶋恵美(講談社文庫)
素直に読後感は「驚愕」という一言で、冒頭からこのような結末に結びつくとは、予測できませんでした。

第一章『教唆』で読者は、何が原因なのかわからないまま<ボク>という人物がどこかの街から逃れてきた公園で手荷物を奪われ、ホームレス生活を始め、食料を探していた神社で小学5年生の<麻由>という女の子から、お弁当を手渡されます。
<ボク>はお弁当を貰うために、<麻由>の同級生に対する嫌がらせに加担していきますが、手名付けた最後に自分を殺そうとする<麻由>を反対に絞殺してしまいます。

第二章『隠匿』で<ボク>は女性の<柿原知美>だとわかり、読者は意外な展開に驚き、また1年前に殺人及び死体遺棄容疑で指名手配されている立場であることが判明するのですが、<知美>が逃げ込んだアパートは、逃亡生活以前に社宅の隣に住んでいた<高山律子>で、殺したとされる<裕貴>の母親の住まいでした。

何とも不思議なふたりの共存生活を通して、女性の嫉妬・嘲笑・打算が描かれていき、最後の第三章『転落』にて「驚愕」の真実が待ち伏せている一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『蒼の悔恨』堂場瞬一(PHP文庫)

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『蒼の悔恨』堂場瞬一(PHP文...
主人公は神奈川県警捜査一課の<真崎薫>です。
手配中の連続殺人犯<青井猛郎>をコンビを組んだ所轄の刑事<赤澤奈津>と追い詰めた<真崎>でしたが、<奈津>を庇ったことで深手をおい、1カ月ほど入院していました。

現場復帰も犯人を逃走させたことによりマスコミもうるさく、しばらく自宅療法を命じられ捜査から外されますが、裏社会の情報を通じて接点のある人物を探し出し、<青井>に迫っていきます。

<真崎>は5歳の時に一つ年上の兄を誘拐事件で亡くしており、迷宮入りになっています。
連続殺人犯の事件と並行して、<奈津>の父親が誘拐犯だとの事実を知ることになります。
父親の事実を知らされた<奈津>は自ら囮になり、<真崎>の犯人逮捕に望みをかけていきますが、<真崎>は刑事を辞める覚悟で違法的な解決でもって事件の決着を付けようとします。

警察小説の名手が描く、スリリングなストーリーが楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『おとなのねこまんま』ねこまんま地位向上委員会編(泰文堂)

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『おとなのねこまんま』ねこまん...
本屋さんの棚を独占するように場所を取っていた『おとなのねこまんま』という書籍。
「ねこまんま」という言葉が理解できるのかと思い、足が止まりました。
中身を見てみましたが、貧乏学生なら誰もが経験したことのある、ご飯の食べ方が写真入りで掲載されています。

玉子かけご飯などは定番でしょうが、身近にあるおかずをご飯にかけて食べるのは、一人暮らしの常とう手段だと思います。

やはりこのようなタイトルで書籍が売れるのは、飽食の時代を反映しているのでしょうか、考え込んでしまいました。

辺見庸氏の『もの食う人びと』の著作の中で、ベトナム(タイ?)のペットフードの工場のレポートがあります。日本に向けての生産ですが、工場で働いている彼女たちの日当よりもペット達が食べる缶詰の方が高いという事が指摘されています。

高価なペットフードを与えられる環境を含めて、食生活に困らなくなった時代を喜ぶべきなのかな。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『配達あかずきん 成風堂書店事件メモ』大崎梢(創元推理文庫)

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『配達あかずきん 成風堂書店事...
駅に近いファッションビルの6階にある「成風堂書店」を舞台に、24歳のしっかり者の<木下杏子>と、推理の感が鋭いアルバイトの女子大3年生<西巻多絵>が、書籍や書店にまつわる事件の謎解きを中心に5話の短篇が収められています。

著者は13年間書店に勤務していた経験があり、書店業界の日常実務を細かく描きながら、ミステリー仕立ての謎解きが絡まり、この『配達あかずきん 成風堂書店事件メモ』がデビュー作品(2006年5月刊行)になります。

冒頭の『パンダは囁く』は、新潮文庫 < Yonda? Club > のキャラクターの「パンダ」が謎解きの中心になり、タイトルの『配達あかずきん』は、美容院や喫茶店などに配達する業務を軸に、天然ボケキャラの<吉川博美>が登場、結末を予想する読者を見事に煙に巻いています。

<成風堂書店事件メモ>シリーズとして、今までに『晩夏に捧ぐ』 ・ 『サイン会はいかが?』が刊行されていますので、また順次読んでみたい書店ミステリーです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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ファルコン:東京へ(4)

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ファルコン:東京へ(4)
のぞみ22号に無事乗り込みました。
春休みなのでしょう、子供連れが目立ちます。

これから長い乗車時間ですが、先だってブログル仲間の<南極帰りの大城>さんが読んでいた、『最後の黄金時代が来た』を偶然本屋さんで目についたので、購入しました。

東京駅までに、読みきる予定です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『玻瑠の家』松本寛大(講談社)

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『玻瑠の家』松本寛大(講談社)
ミステリー作家<島田荘司>の出身地である広島県福山市で、同氏を選者として開催された「第1回福山ミステリー文学新人賞」の受賞作品が、本書です。

小説の舞台は日本ではなく、ボストン郊外のコーバンという町を設定、イギリスから清教徒が移住した300年以上前にさかのぼる事件が伏線として描かれています。

3ヶ月前に交通事故に遭った11歳の少年<コーディー>は、事故の後遺症で人の顔が認識できない「相貌失認症」になり、コバーンの資産家であった<リリブリッジ>家の放置され朽ち果てた屋敷に忍び込みますが、そこで死体を焼く犯人を目撃してしまいます。

事件を担当したコーバン市警の<パロット>警部は、スタッブズ大学で「目撃証言の心理的研究」を行っている日本人の<トーマ>に助力を求め、<コーディー>との会話を通じて事件の真相に迫っていきます。

<リリブリッジ>家にまつわる300年前の魔女裁判、70年前に起こった列車事故で妻<マリオン>は失明、義理の妹とその娘が死亡し、一卵性双生児の弟<クロフォード>の射殺事件、40年前のヒッピーが屋敷内でLSDを過剰摂取で死亡した事件、そして今回の事件を絡めながら、心理学に関する博識な知識を駆使し、重厚な作品が楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『角館・辰子伝説殺人事件』本城英明(双葉文庫)

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『角館・辰子伝説殺人事件』本城...
<新・旅情ミステリー>シリーズとして、柏木圭一郎の 『京都 大文字送り火 恩讐の殺意』 や風見修三の 『奥入瀬渓谷殺人情景』 などを読んできていますが、本書もその一環として「警察庁広域捜査官・梶山俊介」を主人公に据えて、日本の各地に出向いての捜査が描かれています。

秋田県角館で、日本刀による「辻斬り」的な事件で県議の娘<美奈>が殺され、<梶山>は部下の<叶野>とあわただしく現場に向かいますが、到着しますと<白咲>という整形外科医がすでに自首していました。
<白咲>は被害者との面識もなく、不審に思った<梶山>は妻<香奈>に背後関係を聞き取るのですが、要領をえないまま別れた夜に<美奈>と同様に日本刀で殺されてしまいます。

自首している<白咲>は明らかに誰かをかばっているのですが、捜査を進めてゆくなか、25年前に起きた一家心中事件が浮かび上がってきます。

整形外科医と「美への欲望」の<辰子伝説>を絡めた構成は、女心の本髄を付き、家族の悲劇に端を発する物哀しさ漂う作品でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『発達障害 うちの子がヘンと言われたら』鈴木陽子・金澤治(講談社文庫)

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『発達障害 うちの子がヘンと言...
医学の発達と共におおざっぱに括られていた障害の分類が、それぞれの特性に応じて細分化され、「広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)」 や 「注意欠陥多動性障害(ADHD)」 ・ 「学習障害(LD)」などに分けられています。

本書は増える軽度発達障害の傾向が詳しく分析され、また歴史上の偉人といわれる<ニュートン>や<アインシュタイン>・<坂本龍馬>・<エジソン>などがみな(ADHD)であった逸話などを取り上げ、その特殊な才能を伸ばす教育環境の大切さを説かれています。

親の感情を踏まえながら、その子供にとって何が幸せなのかを成長過程に合わせて対処していく姿勢の大切さを、教育学<鈴木陽子>の立場と医学<金澤治>の立場から分かりやすく解説されていました。
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『奥会津三泣き因習の殺意』相場英雄(小学館文庫)

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『奥会津三泣き因習の殺意』相場...
主人公「みちのく麺食い記者」こと<宮沢賢一郎>は、大和新聞東京本社から左遷され、東北総局友軍担当として会津若松支局に出向中です。

大好きな蕎麦を食べているときに、田子倉ダム湖畔で、大手ゼネコン「鹿田建設」の副社長<薗田幸四郎>が他殺死体で発見された現場に出向くところから、物語は始まります。

事件を捜査していくうえで支局にアルバイトに来ている<坂内春香>を道案内に取材を始める<宮沢>ですが、東京勤務時代に知り合った捜査二課の<田名部>と協力しながら取材の途中、新たに<薗田>の部下<保科>も姿を消してしまいます。

会津を地盤とする代議士<稲本芳正>と、土木・建設業の利権絡みの二極対立に見えながら、実は古くからの因習がはびこる問題点を基盤とした社会派ミステリーとしての重みが心に残る一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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