主人公<高城賢吾>警部を主人公とする<警視庁失踪課>シリーズとして、『相克』 に次ぐ三作目が本書です。
港学園理事長の<占部利光>39歳が、一週間行方不明だと彼の母親が失踪課に訪れて、翌日捜査の手掛かりを求めて<高城>と部下の<明神愛実>は自宅を訪れますが、母親の態度は一変して非協力的になり、大学関係者は口を閉ざしてしまいます。
一方、仙台に住む妹から東京の姉<藤井碧>40歳と連絡がつかない失踪事件は、仙台の川にて遺体が発見され、確認に出向いた<法月大智>警部補は、状況的に自殺だと報告してきますが、<碧>は森野女子短大の総務課長としてコンサルタント会社から引き抜かれたやり手でした。
<高城>は、港学園関係者の無関心な態度から単なる失踪事件ではないと判断、失踪課の上司<阿比留真弓>に申し出て、夏休みと言う名目で一人仙台に出向いていきます。
少子化に伴う大学経営を縦糸として、二つの意事件が繋がりを見せ始めながら、心臓病を患っている<法月>が、なぜかむしゃらな捜査行動をとることを絡め、苦悩する<高城>がよく描かれている一冊でした。
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