『ぶぶ漬け伝説の謎』北森鴻(光文社文庫)
8月
20日
主人公は<有馬次郎>ですが、もと広域窃盗犯としての裏稼業に携わっていました。今は「大悲閣千光寺」の寺男として真面目に働いていますが、身の回りに次々と起こる事件に関わり、謎を解いていきます。
もう一人の寺男として、ミステリー作家を目指す(ムンちゃん)こと<水野猛>がおり、また「みやこ新聞」文化部の女性記者<折原けい>、京都府警の<碇屋>警部、そして庵主の脇役たちとの関西弁の会話が楽しめます。
京都に深く根付く文化や風習をアイロニカルに描きながら、ウイットに富んだ物語が並び、古都を舞台とした謎解きの妙味が味わえる一冊でした。