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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『組長刑事(デカ) 反逆の羊』南英男(徳間文庫)

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『組長刑事(デカ) 反逆の羊』...
主人公は警視庁捜査一課の主任警部補<羽賀亮>ですが、鳶職や家屋解体業として、今は母親が社長を務める堅気の「羽賀組」の4代目ということで、「組長刑事(デカ)」と呼ばれています。

<羽賀>の会社兼自宅に狙撃があり、2年前に逮捕した事件を組んだ刑事<城所等>が頭に銃弾を受け、昏睡状態に陥ってしまいます。

そんな折、秘書派遣会社の美人社長<中杉由紀江>が絞殺死体で発見され、離婚した元夫の<東海林昌広>や、不倫関係にある<笠井直人>に捜査の目が向けられますが、彼らには当日のアリバイがあり、捜査はなかなか進みません。

二つの事件を平行に捜査しながら、「金」と「愛」の絡んだ企業がらみの事件を解決してゆく<羽賀>の活躍が楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『王子狐火殺人事件』風野真知雄(文春文庫)

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『王子狐火殺人事件』風野真知雄...
副題に「耳袋秘話」と付く、殺人事件シリーズです。

主人公は南町奉行所の奉行<根岸肥前守鎮衛>で62歳、市中の情報は知らないモノはないというところから「大耳」と呼ばれ、裏稼業の世界では肩に赤鬼の入れ墨を入れていることにより「赤鬼」と呼ばれています。

物語は祝言の日に花嫁が消え、その花嫁の着物を着て狐の面を付けた娘が殺害されたところから始まり、江戸市中にある稲荷神社を中心に、若い巫女が連続して殺害されていきます。

<根岸>は、配下の<坂巻弥三郎>と<栗田次郎左衛門>を調査に当たらせ事件の解明に当たります。
この「耳袋秘話」シリーズは、大きな事件を主軸にその他市井に起こる事件を短篇として平行させて描く構成でまとめられています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『キネマの神様』原田マハ(文春文庫)

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『キネマの神様』原田マハ(文春...
映画好きの人にはまず読んでいただきたい、と言うよりは、読まなければいけない感動の一冊でした。
映画に対する登場人物たちの真摯な言葉や姿勢に涙する場面が多々あり、ひとつのことに情熱を燃やすことの素晴らしさを教えてくれています。

39歳で独身の<歩>は、17年勤めていた開発会社の課長職を捨て辞職、折しも麻雀と映画が趣味の79歳の父<丸山郷直>が緊急入院、多額の借金が発覚します。

父親の入院中、マンションの管理人の仕事を代替わりする<歩>ですが、父が70年間見続けた映画の記録を眺めるうちに、<歩>も自分が手掛けていたプロジェクトの関係で、なにげなく父親のノートに自分の映画への想いを書き込んだ紙を挟み込んでしまいます。

ある日「映友社」の編集長<高峰好子>から電話があり、父が<歩>の文章を投稿したブログが彼女の目に留まり、<歩>は編集部に就職することになります。
やがて「映友社」は、ホームページの改編の際、『キネマの神様』なるタイトルで、映画評論の場をブログとして開設するのですが、このブログの場面が秀逸でした。

どうしようもない遊び人の父と娘の関係を主軸に、数多い名画を通しての人間関係が交錯するなか、映画の持つ力の強さを改めて感じさせてくれる素晴らしい物語でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『バイアウト(企業買収)』幸田真音(文春文庫)

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『バイアウト(企業買収)』幸田...
時間が取れれば、本来は自分の専門分野の書籍を読めばと思うのですが、「まっ、いいか」と興味ある分野へと引かれてしまいます。
「医学」「企業・経済」「司法・警察」といった特殊な分野の小説は、普段接することが少ない世界ですが、逆に日常生活に関連した部分が多く、興味を持ちます。

『バイアウト』は、音楽プロダクションをM&Aするために、企業3社がTBO(株式公開買い付け)に乗り出す戦いを中心軸に、裏側でTBOされた会社の株を買いあさる女性トレーダーの親子関係を絡めて話は進んでゆきます。

ダン(取引成立)、セトルメント(決済事務)、コールド・コール(初めての訪問)、タックス・シェルター(租税回避)等、聞き慣れない用語が出てきますが、特殊な業界用語として興味を持ちながら読ませていただきました。
先日、実刑判決が出ました堀江モンや、村上ファンドを思わす登場人物も出てきますので、経済モノとしての実態感がよく出ています。

企業は株主のものか、従業員のものか、日本社会においての「株式会社」の位置づけ、改めて考えさせられました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『観念的生活』中島義道(文春文庫)

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『観念的生活』中島義道(文春文...
2006年3月から間は飛ぶが2007年7月にかけて、著者のにちじょうの生活形態を綴りながら、日記のような形で哲学が語られています。

哲学の専門家の文章に対して、わたしには解説すべき力もありませんが、膨大な登場人物の列挙とその人物の代表的な著書を開設しながら、自説を展開しています。

「何でみえるのか」、「何でいつも今なのか」、「もしかしたら私は存在しないのではないか」ということを自ら問い詰め、思考することは、世界を言語によって再現することではなく、世界を言語によってまったく新しく構成することなのだとの姿勢を貫かれています。

一度の読書ではなかなか専門分野の「言語」にはなれませんが、再度読み替えすべく手元に置いておきたい一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ラブオールプレー』小瀬木麻美(ポプラ文庫)

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『ラブオールプレー』小瀬木麻美...
中学入学からバドミントンを始めた主人公<水島亮>は、2年半の部活を追えて、高校受験に臨もうとしていましたが、横浜湊高校のバドミントン部監督の<海老原>から、「うちにこないか」とスカウトされ、スポーツコースではなく姉の<里佳>の教えもあり進学コースで入学を果たします。

同期には双子の<東山ツインズ>、ダブルスを組むことになる<榊翔平>、帰国子女の<松田航輝>、特進コースの秀才<内田輝>などがおり、切磋琢磨のバドミントンに打ち込む高校生活が始まります。

スポーツ小説によくありそうな「ど根性」物語ではなく、仲間やライバルを通して純粋にバドミントンに打ちこみ、お互いに切磋琢磨して成長してゆく姿に共感を覚えてしまいます。

バドミントンの世界を知らない私ですが、試合の仕組みや駆け引き、スマッシュやドロップ・カットといった打ち方を同じ姿で打ち返すなど、ゲームの面白さも実感できた溌剌とした青春スポーツ小説が楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『知らないと恥をかく世界の大問題』池上彰(角川SSC新書)

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『知らないと恥をかく世界の大問...
少し前(2009年11月)の発売ですが、コメンテ−ターとして活躍されている池上彰さんの本を読みました。
NHKの「週刊こどもニュース」のお父さん役で、子供にも時事問題を分かりやすく解説していたのを、懐かしく思い出します。

リーマン・ブラザーズの破綻で始まった世界金融危機を発端として、その後の日米関係をにらみ、世界情勢を分かりやすく解説されています。
この手の分析物は発売されてすぐに読むのも情報として価値があると思いますが、2,3年経過してから読みますと、当時の分析が正しかったのか、その後の社会の情勢は読み通りなのかといった検証を兼ねながら読めますので、楽しみも倍増です。

帯に<就職活動にもオススメ>とありますが、面接などで世界情勢を聞かれるご時世なんですね。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『あなたの余命教えます』幸田真音(講談社文庫)

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『あなたの余命教えます』幸田真...
連休対策に買いだめしていた本の一冊が、この『あなたの余命を教えます』です。
著者は、米国系の銀行や証券会社で債券ディラーや大手金融法人を担当する外国債券のセールスの経験がある作家です。
当然、自分の経験に基づいた金融関係の小説が多く、『ヘッジファンド』『マネーハッキング』『偽造証券』等、得意分野での小説をテンポよく書かれています。

今回は、情報そのものが根幹である世界を反映させ、医学的な最先端技術が主体のストーリー展開です。
それぞれ個人的な事情で、特定個人の余命を教えてくれるビジネス会社に依頼した4組を中心に、それぞれの人間模様、家庭問題を絡めて話は進みます。

余命の診断費用は250万円。
これが高いか安いかは、各人の思惑もありどちらとも言い切れませんが、自分の残りの人生が何日あるかが正確に分かるとしたらと、どんな生き方をすだろうかなと、自分に問いかけながら読んでおりました。
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『食べもの屋の昭和 伝えたい味と記憶』岩﨑信也(新潮文庫)

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『食べもの屋の昭和 伝えたい味...
本書は<柴田書店>発行の『月刊食堂』に、1989(昭和64)年2月から1991(平成3)年9月に掲載された「たべものやの証人たち」に掲載された29店舗(掲載当時は30店舗)が再掲載されています。

単行本の発行が2008(平成20)年5月、この文庫本が2011(平成23)年5月刊行ですので取材当時から20年ほどが経ち、多くのご主人たちはもはや鬼籍に入られたかたも多いと思います。

日本を代表とする老舗飲食店の主人に、お店の伝統や味などについての聞き書きですが、食を通して後世に伝えたい思いがよく伝わってきました。

東京のお店が中心にまとめられていますが、伝統という意味では京都や大阪の味が少ないのが少しばかり残念ですが、巻末にはお店の住所の一覧表があり、次世代へ暖簾を守られているのに安心しました。
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『いつかX橋で』熊谷達也(新潮文庫)

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『いつかX橋で』熊谷達也(新潮...
終戦まじかに仙台を襲った空襲で17歳の<土屋祐輔>は母親と妹を亡くし、亡骸を火葬場に運んだ際、荼毘をするかわりに<赤間>に焼き場の手伝いをさせられます。
連日の作業の中、<武山淑子>が母親の遺体を探しに来ていましたが、どことなく魅かれた<祐輔>は、見つかったら連絡するということで<淑子>の連絡先を書きとめました。

火葬場を逃げ出した<祐輔>は仙台駅前で靴磨きの仕事を始めますが、そこで同い年の特攻崩れの<澤崎彰太>と知り合います。何かにつけて優等生の<祐輔>と愚連隊としてのし上がる<彰太>の生き様は正反対ですが、お互いに反発しあいながらも、通称「X橋」(宮城野橋)に大きな虹を掛ける夢をお互いに誓い合います。

<祐輔>はある日、警察の闇の女(パンパン)狩りから逃れた女を助けようとしますと、それは偶然にも<淑子>でしたが、彼女はアメリカ兵の「オンリーワン」と言う立場で生活をしていました。(短篇集 『懐郷』 に納められている、『X橋にガール』を思い出しました)

憧れの女性<淑子>との再生を願い奮闘する<祐輔>、ヤクザな道に大きく足を踏み入れた<彰太>の二人の青年の生き様が見事に描かれ、仙台市の戦後の一ページを飾るともいえる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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