記事検索

神戸:ファルコンの散歩メモ

https://jp.bloguru.com/falcon
  • ハッシュタグ「#本」の検索結果1154件

『果断:隠蔽捜査2』今野敏(新潮文庫)

スレッド
『果断:隠蔽捜査2』今野敏(新...
共に映画化されましたが、『半落ち』横山秀夫、『笑う警官』佐々木譲など、「刑事」を主人公とする両作家の作品は、どれも安心して読める小説です。
最近、この「刑事・警察」を主人公にした小説が多く発売されているようで、まったく違う職業分野として興味深く読んでいます。

『ストロベリーナイト』誉田哲也、『公安捜査』濱田文人、『刑事の十字架』西川司、『警視庁心理捜査官』黒崎視音等も、同一主人公を据えてのシリーズとして目が離せません。

今回の『果断:隠蔽捜査2』は、「山本周五郎賞」と「日本推理作家協会賞」をダブル受賞した作品で、本格警察小説として、一気に読みきりました。
主人公の警察署長を中心に、警察組織自体の考え方・行動を非常に上手くとらえています。

この本を含めてですが、なぜ「刑事・警察」モノに興味を引かれるのかと考えれば、ミステリーの要素は勿論大事な部分ですが、それぞれの登場人物の性格設定、人間性が緻密に計算された作品が多いのに気づきました。

刑事モノと分類するのは、音楽のジャンルを分けるのと同じ行為であまり意味がありません。
たまたま舞台が「警察」だということにすぎず、「心」に響くかどうかが大切なように思えます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

『ほのかなひかり』森浩美(角川文庫)

スレッド
『ほのかなひかり』森浩美(角川...
<家族小説短篇集シリーズ>として、「双葉文庫」から 『こちらの事情』・『家族の言い訳』 が出版されていますが、今回は「角川文庫」から刊行され、8話の短篇が納められています。

夫を交通事故で亡くし小学生の一人息子を育てている母、娘が嫁ぐときに撮りためておいたビデオを、パソコン教室に通い自主制作でDVDを作成する父親、若い部下の退社に悩む部長等、何気ない日常の出来事を通して人生の機微を描き出しています。

どの主人公たちも切実に人生を生きながら悩み、笑い、喜びといった喜怒哀楽の中に、ささやかな希望を見出してゆく姿に感動を覚えてしまいます。

ちいさな温もりやちいさな優しさは、他人のみならず家族にも出しにくいモノですが、著者は誰の心にもあり、<たとえそれが どんなに小さくて頼りのない光であっても 歩む先に見えるのなら 人は生きていけるのです>という巻頭の言葉が、表題の所以です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

『ビブリア古書堂の事件手帳<2>』三上延(メディアワークス文庫)

スレッド
『ビブリア古書堂の事件手帳<2...
本書は、前作の 『ビブリア古書堂の事件手帳 ~栞子さんと奇妙な客人たち~』 に次ぐ2巻目になり、副題として「~栞子さんと謎めく日常~」が付けられています。

本書では、10年前に失踪した母から贈られた<坂口三千代>の『クララ日記』が、プロローグとエピローグに登場、古書堂の美人店主<篠川栞子>の過去に触れる構成です。

今回は3篇の物語が連作で語られ、第一話は前作で登場した<小菅奈緒>の妹<結衣>が書いた読書感想文に端を発して、早熟だった<栞子>の過去が明かされます。

第二話は<司馬遼太郎>の唯一の推理小説『豚と薔薇』が登場、本名の<福田定一>名義で書かれた『名言随筆 サラリーマン』が、父から娘への愛情だと見抜く<栞子>であり、第三話では漫画の分野にまで知識が及び、<藤子不二雄>のデビュー当時のペンネーム<足塚不二雄>名で書かれた『UTOPIA 最後の世界大戦』にまつわる<栞子>の母親の過去の出来事が綴られています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

『大きな森の小さな密室』小林泰三(創元推理文庫)

スレッド
『大きな森の小さな密室』小林泰...
2008年に<創元クライム・クラブ>の一冊として刊行された時には『モザイク事件帳』というタイトルでした。これは<小林泰三(やすみ)>の初のミステリー短篇集で、本書は改題された文庫本です。

表題作の短篇を含めて、7話が収録されていますが、それぞれが特定の主題によって書かれています。

「密室事件」・「倒叙ミステリー」・「安楽椅子探偵」・「SFミステリー」等、単なる謎解きだけではなく、趣向を凝らした作品で読者を飽きさせません。

残念ながらミステリー作品ですので詳しいことはかけませんが、探偵役の登場人物たちも個性的で楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

『おまえさん』(下)宮部みゆき(講談社文庫)

スレッド
『おまえさん』(下)宮部みゆき...
前巻の 『おまえさん』(上) に次ぎ、辻斬りされた<久助>と生薬屋「瓶屋」の主<新兵衛>の事件を調べ始めた同心<井筒平四郎>は、養子と考えている14歳の<弓之助>の聡い推理で、犯人は<新兵衛>の娘<史乃>と、隣家に住み込んでいた医師見習いの<松川哲秋>だとわかりますが、<史乃>に恋心をもった同心<間島信之輔>のまずい対応から、二人を逃してしまいます。

二人の行方を追うのですが、なかなか突き止めることができないなか、岡っ引き<政五郎>を里親とする「でこ」こと<三太郎>の母親<おきぬ>の再婚先での以外な結末や、痴話騒ぎでお縄になった<仙太郎>が住む十徳長屋の<丸助>を中心とした市井の生活が描かれていきます。

連続辻斬り事件は解決しますが、それを取り巻く登場人物たちの喜怒哀楽が見事に描いた(上・下)巻で1200ページを超える大作ですが、最後まで楽しく読み切れる内容でした。

<井筒平四郎>シリーズとして、『ぼんくら(上・下)』 ・ 『日暮らし(上・中・下)』 と続いていますが、今後の<弓之助>の身の振り方が気になりますので、きっと続編が出てくるものだと期待しています。
#本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

『おまえさん』(上)宮部みゆき(講談社文庫)

スレッド
『おまえさん』(上)宮部みゆき...
馬面のぼんくら同心<井筒平四郎>を主人公に据えた 『ぼんくら』 (上) ・ (下) を最初として、 『日暮らし』 (上)(中)(下) に次ぐシリーズ三巻目が『おまえさん』です。

冒頭から馴染の煮物屋<お徳>が登場、辻斬りされた男の死に場所から影が消えないということで、賑やかな念仏講の場面から物語は始まります。

辻斬りされた男の身元がわからないなか、痒み止めの「王疹膏」を売り出していた<瓶屋>の主人<新兵衛>が、同じ手口で戸締りされた店の寝所で切り殺されてしまいます。

<平四郎>は、十手術の長けた若き同心<間島新之助>と二つの事件を調べ出します。
やがて、身元不明の男の素性が薬商<大黒屋>に勤めていた<吉松>で、同じく<新兵衛>も同じ時期に<大黒屋>に勤めていたことがわかり、事件の繋がりが見えてきたのですが・・・。

この殺人事件を中心に据え、富札で300両を引き当てた<仙太郎>が起こす痴話事件、同心<間島>の御隠居<本宮源右衛門>の登場、<平四郎>の手下である<政五郎>の里子である「でこ」こと<三太郎>と生みの親である<おきえ>との葛藤など、江戸の町を舞台に繰り広げられる、人情話満載の610ページの上巻でした。
#本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

『紅染の雨』藤原緋沙子(文春文庫)

スレッド
『紅染の雨』藤原緋沙子(文春文...
<切り絵図屋清七>シリーズとして、第1巻目の 『ふたり静』 に次ぐ2巻目が本書です。

勘定組頭<長谷半左衛門>の妾の子として産まれた<清七郎>は、本妻や義理の兄との折り合いが悪く、22歳のときに家を飛び出し武士の身分を捨て<清七>と名を改め、今では絵双紙本屋「紀の字屋」の店主として、絵師の<与一郎>や<小平次<達と、江戸の地図を絵図として制作に勤しんでいます。

本書には3篇が納められていますが、「紀の字屋」の当主<藤兵衛>の経歴と<おゆり>との関係が明らかになり、<清七>は改めて<おゆり>に思いを走らせます。
また、父である<半左衛門>が刺客に襲われたところに遭遇、事なきを得ましたが、何やらよからぬことが起こりそうな予感を残しています。
また<与一郎>の石和の名主である父親がご神体である「夔の神」を江戸にて出開帳に出向き、側室の<お美津>に見せる前に何者かに「夔の神」を盗まれてしまい、<清七>たちは、探す羽目に関わります。

<滝沢馬琴>が亡くなった翌年の江戸を舞台に、<清七>たちの人情あふれる物語が語られていますが、父<半左衛門>のその後と、<おゆり>との今後が気になるところです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

『鷺と雪』北村薫(文春文庫)

スレッド
『鷺と雪』北村薫(文春文庫)
昭和7年の東京、上流階級の<花村家>の令嬢<英子>の目線を中心に据え、当時としては珍しい彼女の付き人としての女性運転手<ベッキー>(こと別宮みつ子)を推理探偵役に据えた<ベッキー>シリーズは、『街の灯』 に始まり、『玻瑠の天』 に続く3巻目の本書で完結です。

本書は三篇からの構成ですが、最後の章のタイトルともなっている『鷺と雪』で、著者は第141回直木賞(2009年上半期)を受賞しています。

第1章の『不在の父』は、爵位の序列が<公・候・伯・子・男>とあり、そのような身分社会に耐え切れなくなった子爵の市井にて自由な精神での生活に接して、「わたし<英子>」は驚かされます。
第2章の『獅子と地下鉄』は、受験を控えた良家の小学生<巧>が夜の行動をあやしまれ補導されてしまいますが、<巧>は何も喋らず「わたし<英子>」はことの真相を探るために少年の行動を調べていきます。
第3章の『鷺と雪』でもって、「わたし<英子>」と<ベッキー>の3年半にわたる物語の〆となりますが、買ったばかりのカメラに、なぜか台湾に出張している<千枝子>の婚約者が自分の背後に写っている謎解きを依頼されてしまいます。

最終章では能の演目である「鷺」を伏線に、軍国主義に向かう暗雲とした雰囲気を匂わし、「二・二六事件」を絡め、3巻を通して見事に昭和初期の時代を検証しています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

『驚愕 仮面警官Ⅳ』弐籐水流(幻冬舎文庫)

スレッド
『驚愕 仮面警官Ⅳ』弐籐水流(...
<仮面警官>シリーズも、 『発覚』 ・ 『告白』 と続き第4作目になりました。

神奈川県警上層部の陰謀のために恋人<真理子>をひき逃げ事件で失った<南條達也>は、真相を知るために警察官となり研修を終え刑事として様々な事件と向き合うなか、9年前に人を殺めた自分の罪の重さに苦しんでいます。

刑事の職務としてアイドルグループの一人のストーカー対策の張り込み中、当事者に飛び降り自殺をさせてしまうというミスを犯し自宅謹慎処分中にもかかわらず、以前の事件で相棒を組んだ刑事<早乙女霧子>が人質としてとらわれている現場に偶然に出くわし、またもや独断で飛び込んでいき懲戒免職かという状況に追い詰められてしまいます。

定年を迎え独自で9年前の事件を捜査している<多治見>は、<南條>に拳銃を手渡した人物が「河内連合」の<邑野>だと突き止めるのですが、危険を察知した「河内連合」の手にかかり殴殺されてしまいます。

<南條>は自分の過去と現状に苦悩するなか、神奈川県警本部長<景山>の陰謀が不気味に漂い、日常的に発生する事件が目まぐるしく展開するなか、<真理子>が生きているかと思わせる場面で4作目は終わります。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

【第14回天神さんの古本まつり】@大阪天満宮境内

スレッド
【第14回天神さんの古本まつり...
今日から11日(火)迄、大阪天満宮の境内で、【第14回天神さんの古本まつり】が開催されます。 主催は、大阪・奈良の古書店11店舗が加盟している 「大阪古書研究会」 です。

今年は、関西以外からも名古屋や岡山の書店が参加し、計26店、約8万冊の古書が一堂に会します。

神戸にも、いい古書店がありましたが、年々さびれてゆくようで残念なでなりません。
「大阪古書研究会」も、11店舗ではなく、もう少し会員数があったように記憶していますが、廃業の道も仕方ないご時世間かも知れません。

ほとんどが1冊限りの古書ですので、まずは初日に行かなければと気がはやるのが古書好きの心情で、早速今から出向きます。
最近では宅配の窓口もあり、昔に比べて本を持たずに帰れるのが、ありがたいことです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

ワオ!と言っているユーザー

  • ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
    ログイン
  • まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
    新規ユーザー登録へ
ハッピー
悲しい
びっくり