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神戸:ファルコンの散歩メモ

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  • ハッシュタグ「#エッセイ」の検索結果997件

『最後の封印』今野敏(徳間文庫)

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『最後の封印』今野敏(徳間文庫...
レトロウイルスに感染した<HIV-4感染第二世代>の「ミュウ」を狩る「ミュウ・ハンター」の元傭兵の<シド・アキヤマ>を主人公として、物語は進みます。

時代設定は近未来でしょうか、人間ではなく悪魔の移り変わりの生物だとされた「ミュウ」を隔離しようとする内閣情報調査室は厚生省を中心に自衛隊メンバーで構成する「特別免疫部隊」を作り、「ミュウ・ハンター」と激突、どちらも「ミュウ」の真意がわからないまま敵意を持って戦う羽目に陥ります。

「ミュウ」は悪魔なのか、特殊な能力を持った新しい人類の姿なのかを舞台として、遺伝学者の<飛田靖子>や、興味を持って取材活動するフリージャーナリスト<デニス・ハワード>達を巻き込み、結末がどうなるのかの興味を持たせながらの構成は、アクションものとして楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ハヅキさんのこと』川上弘美(講談社文庫)

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『ハヅキさんのこと』川上弘美(...
エッセイ集かと思えるほどの掌篇小説として、218ページで26篇が納められています。

タイトルの『ハヅキさんのこと』は、女性教師二人の物語です。
教師の性格を反映してか<ハヅキ>さんの学級は「明るい真面目なクラス」であり、<わたし>の学級は「そこはかとなくだらしない」と、対照的な性格の二人ですが、管理教育に反発し合うところでは一致、なぜか酒呑み友達として意気投合しています。

著者自身4年間私立の中・高校で生物の教員を経験していますので、自伝的要素もあるのか、面白くそして切ない短篇として心に残りました。

どこにでもある日常生活の中の男と女の心のふれ合いやすれ違いが、「そうだよな」とじんわりと心に広がる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『馬琴の嫁』群ようこ(講談社文庫)

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『馬琴の嫁』群ようこ(講談社文...
「馬琴」とは江戸の人気戯作者<曲亭馬琴>(明和4年6月9日~嘉永元年11月6日)のことであり、本名<瀧澤興那>です。

本書は、一人息子<宗伯>に嫁いできた<土岐村てつ>の女性一代記が語られています。

結婚早々に<テツ>は<馬琴>により<路(みち)>と改名させられ、医者でありながら病弱な夫<宗伯>の看病と、義母の<百>の癇性持ちの性格、<馬琴>の何事にも関しても細かい性格に振り回されながらも、持ち前の明るい性格と芯の強さで瀧澤家を切り盛りしていきます。

<馬琴>は晩年目が見えなくなり、<みち>は字を覚えながら『南総里見八犬伝』の第177話からの代筆を行い、<馬琴>は28年間にわたる連載を完成させたあと、82歳で亡くなっています。
文政10年の春、21歳で嫁いできた<みち>は、安政5年8月14日、当時江戸で流行していた「コロリ」で51歳の生涯を閉じています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『夢見る黄金地球儀』海堂尊(創元推理文庫)

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『夢見る黄金地球儀』海堂尊(創...
バブル景気の1988年、ふるさと創生の名目で各自治体に1億円が支給されましたが、桜宮市は直径70センチの黄金の地球儀を作り、アクアリウム別館の深海館に設置していました。

主人公の<平沼平介>は、大学院で物理学専攻を途中で諦め、父親が経営する町工場で営業マンとして平凡な日々を過ごしていましたが、8年ぶりに桜宮市に戻ってきた「ガラスのジョー」こと<久光穣治>が、この「黄金の地球儀」を強奪しようとの計画を持ちかけてきます。

そんな折、桜宮市役所管財課の<小西輝一郎>が知らない間に父親と結んだ契約書を持ち込み、「黄金の地球儀」の警備業務を追行するようにと現れ、警備がないと知った<平介>は、工場の設備を使って偽の地球儀と一時的に取り換える作戦をおもいつき、<ジョー>と怪力の持ち主<アイ>と深海館に忍び込むのですが、すでに金塊は取り出されていました。

二転三転と急展開する強奪事件が、個性ある脇役陣に囲まれて、見事な着地点を目指して物語は進み、最後までハラハラさせられるコンゲームとして楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『鎧月之介殺法帖 手鎖行』和久田正明(双葉文庫)

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『鎧月之介殺法帖 手鎖行』和久...
<鎧月之介殺法帖>シリーズとして、本書が 『女刺客』 に次ぐ第6作目です。

石和(いわさ)代官所の代官<川治軍兵衛>の悪行を奉行所に訴えようとした<小平次>が、江戸にて何者かに切られますが、死に際に村の助けを岡っ引きの<お鶴>に言い残して亡くなります。

<鎧>は<お鶴>から事件のあらましを聞き、すぐにでも甲州に出向こうとするのですが、太鼓持ちの<猫千代>が賭場で揉め事を起こし、それは<お銀>という悪婆の原因だとわかりますが、彼女は押し込んだ生薬屋で老女を刺殺して江戸から逃げていました。

<鎧>・<お鶴>・<猫千代>が出向いた甲州は無残に焼き尽くされ、<鎧>は無頼者を囲っている悪代官<川治>と対峙していきますが、またそこで江戸から逃れて来ていた<お銀>と遭遇することになります。

奇妙な女主人<由良>の住む屋敷での出来事や、百姓上がりで代官所勤めの正義感の強い<小助>や<彦六>の活躍もあり、娯楽小説としてのツボを押さえているのは、テレビドラマの脚本を多く手掛けている著者ならではの構成でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『花散らしの雨』<みをつくし料理帖>髙田郁(ハルキ文庫)

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『花散らしの雨』<みをつくし料...
前作 『八朔の雪』 に次ぐ<みをつくしの料理帖>としての第二巻目です。
付け火で主人<種市>の蕎麦屋「つる家」を焼失してしまいましたが、<澪>は屋台見世で正月を乗り切り、二月の初午の日に九段坂に新しい店を構えました。

2階建となり武家屋敷も近く、2階座敷は武家専用としての使い分けを行いながら<芳>や<おりょう>に手伝ってもらいますが手が回らず、<ふき>という13歳の少女を下足番として雇い入れます。

新規の客として戯作者の<清右兵衛門>が常連客となり、心を寄せている<小松原>にどこか似ていて、<澪>は会話を楽しんでいます。

両親を亡くしている<ふき>や、<おりょう>の息子<太一>が風疹に罹りと、親と子の愛情問題を絡ませながら、<澪>の行方不明だった幼馴染の<野江>が吉原遊郭の翁屋の<あさひ太夫>と確認できたりと、市井の人情噺を下地に季節感あふれる料理に打ち込んでいく<澪>の姿が生き生きと描かれていました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『スクール・デイズ』ロバート・B・パーカー(ハヤカワ文庫)

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『スクール・デイズ』ロバート・...
私立探偵<スペンサー>シリーズとして、 『冷たい銃声』 に次ぐ作品が本書です。

ボストン郊外の私立のハイスクール「ダウリング校」で、二人組による銃の乱射事件があり7人が死亡、逮捕されたのは生徒の<ジェレド>と<ウェンデル>でした。

<スペンサー>は<ジェレド>の祖母からの依頼で、孫の事件の濡れ衣を晴らしてほしとの依頼に調査を始めていきます。

現地に赴き聞き取りを始めますが、警察を始め学校関係者、両親までもが事件に幕を下ろしたがっている印象を感じながら、持ち前の粘り強さで事件の真相を探り出していきます。

恋人の<スーザン>は学会の講演で不在のなか、愛犬<パール>との寂しげな会話が印象に残る一冊でした。
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『彼女がその名を知らない鳥たち』沼田まほかる(幻冬舎文庫)

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『彼女がその名を知らない鳥たち...
主人公の<北原十和子>は33歳、8年前に別れた<黒崎俊一>が忘れられず、15歳年上の<佐野陣冶>ともう6年も一緒に暮らしていますが、彼は犬食いで不潔、下品で卑屈な性格で、地位もお金もない工務店勤めをしています。

ことあるごとに<十和子>は彼を罵り足蹴にしていますが、そんな折、壊れた腕時計の修理のトラブルでデパートに勤める<水島真>と関係を持ち、男の甘い言葉になおさら<陣冶>を疎ましく思い始めます。

前後して<黒崎>が3年前から行方不明になっているのを刑事の訪問で知り、<十和子>は、<陣冶>が彼を殺したのではないかと疑い始めます。

最後に待っているのは、読者の予想を覆す事件の真相で、<陣冶>が見せる<十和子>への「愛」の形に驚愕せざるを得ません。
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『吼える遺伝子』霧村悠康(静山社文庫)

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『吼える遺伝子』霧村悠康(静山...
大学病院の屋上から身元不明の女性が墜落死をした事件から、物語は展開していきます。

自殺か他殺かが不明のまま捜査は進みますが、科学捜査研究所顧問医<上月>が司法解剖を行ったところ、彼女は機能を果たす男性器と女性器を持つ体を持ち自家受精で妊娠、内臓は上下反対という驚くべき体内構造を持っていました。

彼女が呑みこんでいた紙片から、28年間閉鎖された病室に隔離された<西夢苑好子>との関連が浮かび上がり、今では地図上から名前の消えた「八火村」の存在が事件に絡んでいると考えた<上月>は、温泉旅行を兼ねて現地に出向いていきます。

解剖医としての<上月>は、村自体に遺伝子の異常もしくは化学物質での異常があるのではと、大学病院の遺伝学者<白神>に協力を求めて再度現地に足を向けるのですが・・・。

歴史ある閉ざされた村を舞台に繰り広げられる異形な人間の存在と、現代医学の遺伝分野を平行に描きながら、捜査する刑事が主役ではなく、解剖医<上月>の推理で事件の解決をみる、戦慄の医学ミステリーが楽しめる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『それからはスープのことばかり考えて暮らした』吉田篤弘(中公文庫)

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『それからはスープのことばかり...
失業中の身で、路面電車が二両で走る町に越してきた<青年>は、アパートの窓から教会の十字架が眺められる部屋に住み、大家さんは<大屋>で<青年>にとっては<マダム>です。

商店街の町はずれにあるサンドイッチ店「トロワ」に通ううちに、店主の<安藤>とその息子<リツ>と仲良くなり、<青年>はサンドイッチ店で働き始めます。

<青年>の唯一の楽しみは、定休日の水曜日に隣町「月船町」にある<月船シネマ>に、憧れの女優である<松原あゆみ>の古い映画を観ることでしたが、いつも映画館で出会う緑の帽子の年配の女性が気になり始めます。

著者の 『つむじ風食堂の夜』 の舞台である「月船町」絡みで、連作短篇として14編納められていますが、数少ない登場人物たちの過ぎし人生を行間に埋め込みながら、あたたかい心の交流が見事に描かれている一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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