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- 『彼女がその名を知らない鳥たち』沼田まほかる(幻冬舎文庫)
主人公の<北原十和子>は33歳、8年前に別れた<黒崎俊一>が忘れられず、15歳年上の<佐野陣冶>ともう6年も一緒に暮らしていますが、彼は犬食いで不潔、下品で卑屈な性格で、地位もお金もない工務店勤めをしています。
ことあるごとに<十和子>は彼を罵り足蹴にしていますが、そんな折、壊れた腕時計の修理のトラブルでデパートに勤める<水島真>と関係を持ち、男の甘い言葉になおさら<陣冶>を疎ましく思い始めます。
前後して<黒崎>が3年前から行方不明になっているのを刑事の訪問で知り、<十和子>は、<陣冶>が彼を殺したのではないかと疑い始めます。
最後に待っているのは、読者の予想を覆す事件の真相で、<陣冶>が見せる<十和子>への「愛」の形に驚愕せざるを得ません。
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