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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(109)『かなしみの場所』大島真寿実(角川文庫)

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第152回(2015年)直木賞は <西加奈子> の『サラバ!』でしたが、候補作として著者の『あなたの本当の人世は』が挙げられており、気になり本書を読んでみました。

主人公<果那>は離婚して実家に戻り、アクセサリーなどの作品を作りながら雑貨店「梅屋」に作品を納入している生活を送っています。
「梅屋」のオーナー<篠田>は、年中海外に仕入れと称して飛び歩いていますが、姪の<みなみ>が店を切り盛り、<果那>といい関係を保っています。

<果那>には、幼い頃に誘拐された記憶がうっすらとあるのですが、母親も伯母も口を閉ざして真相は分かりません。

下町の雑貨店を舞台として、浮世離れした両親や伯母一家、離婚した元夫を頼る部下など様々な人々の交流を通して、さりげない日常がほんのりとした文章で描かれ、<果那>の心の変化がじんわりと伝わる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(108)『盤上のアルファ』塩田武士(講談社文庫)

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今年の読書(108)『盤上のア...
登場人物のふたりの男の生き様は一見平行線をたどりそうな関係ですが、心の底辺に流れる情熱は戦う世界が違えども、何がしかの共通項がありそうです。

地方新聞「神戸新報」に勤める<秋葉隼介>は33歳、社会部担当の記者でしたが利己中人的な行動により文化部に左遷、駒の動かし方も知らない将棋担当を命じられます。

ある日<秋葉>が気に入っているバツイチの美人女将<静>の小料理屋「水明」で、タンクトップ姿の泥酔客と口論、相手は奨励会を退会した男で、将棋を馬鹿にしたことで喧嘩になってしまいます。
翌日<秋葉>のマンションにその喧嘩相手33歳の<真田信繁>が表われます。どうやら住所を教えたのは<静>で、彼女を含めて3人の共同生活が始まります。

新規則でアマチュアでもプロになれる道にかける<真田>と、将棋の面白さに芽生えてゆく<秋葉>、女流王位戦で知り合った21歳の挑戦者<遊佐加織>などが脇を固め、背水の陣でプロ棋士を目指す男に思わず声援を送りたくなる緊迫した状況が綴られていきます。

著者は尼崎市出身、「神戸新聞」の将棋担当記者として勤めていましたが、2012年に退社、文筆活動に専念しています。
神戸を中心に阪神間の街並みが登場、登場人物たちの関西弁が場の雰囲気をとても盛り上げていました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(107)『ふりだし』谷津矢車(学研M文庫)

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今年の読書(107)『ふりだし...
サブタイトルには、「馬律流青春雙六(すごろく)」と付いています。

仕官していた藩が取り潰しになり、陸奥の国から江戸に出てきた<夏島丈衛門>17歳は、知り会った<籐七>と取り立て屋をしていましたが、ひょんなことから「馬律流宗家師範」の<たえ>が主宰する「唯力舎」の門弟となります。

<丈衛門>は、馬子が身を守るための「馬律流」使い手<たえ>、算術に長けた<喜助>、天才的なアイデアを生み出す15歳の<冬>、人の嘘を見抜く力を持つ<平三郎>達が、商人に対する経営指南として大店の立て直しの手伝いにかかわるようになっていきます。

武士としての矜持を捨てられない<丈衛門>ですが、様々な難題を解決してゆく4話が納められており、なんとなくシリーズ化されそうな筋立てでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(105)『シュラ』沢村鐵(中公文庫)

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<警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結>シリーズとして、第3巻目の『ネメシス』に次ぐ4巻目であり完結篇です。

国際的武器商人の<田中晃司>から、8年前に自分の家族3人を殺害した犯人を訊き出した<一柳>は、復讐のために警察組織から離脱して殺害犯<渡辺弘>を拉致、墨田区内の廃校に監禁し復讐を果たそうとします。

一方、国際的サイバーテロリスト<C>こと15歳の<チャールズ>は、日本の警察組織と手を組み、<佐々木忠輔・安珠>兄妹と共に、<田中>逮捕の包囲網を詰めていきます。

警察内部や公安関係者の中には<田中>のシンパが紛れ込み、総理大臣や警察庁長官までをも巻き込んだ<田中>逮捕劇になりますが、この最終巻で<一柳>と上司たちとの関係、<一柳>と同期のSAT隊員<戸田梓>の隠された過去、<田中>と必要以上に対峙する<チャールズ>との関係が明るみに出て、複雑な人間関係が絡んだ壮大なドラマは、人類の英知に夢を託して終わりをみせます。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(104)『ネメシス』沢村鐵(中公文庫)

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今年の読書(104)『ネメシス...
『フェイスレス』で始まる<警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結>シリーズとして、『スカイハイ』に次ぐ3冊目です。

国際的サイバーテロリスト<C>は、イギリスの少年<チャールズ>だと判明、自ら地球上から抹殺すべき人物を「AAA(トリプルA)」として公表、その一人の中国人の工作者<王超(ワンチェオ)>を巻き起こんだ、超高層ビルの東京ライジングタワー(TRT)での特殊緊急部隊(SAT)との死闘が集結しました。

一連の事件の首謀者<チャールズ>は、東京の都市機能を麻痺させたまま、<小西>刑事を運転手として逃亡、国際的武器商人<田中晃司>を狙うべく彼のビルへ向かいます。

主人公<一柳美結>刑事は、<田中>の保護のために出向き、また(TRT)で活躍した同期の<戸田梓>と相棒の<陣内>のSAT隊員も<田中>警護の特命を受けて<美結>と合流するのですが・・・。

無事に<チャールズ>から<田中>を守った返礼に、<美結>は8年前に起こった家族3人を殺害した犯人<渡辺弘>を教えられ、自ら復讐のため警察手帳を返して姿を消してしまい、次巻に引き継がれています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(102)『珈琲店タレーランの事件簿4』岡崎琢磨(宝島文庫)

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今年の読書(102)『珈琲店タ...
京都二条通りの片隅にある喫茶店を舞台とした 『珈琲店タレーランの事件簿』 が、今年の2月に4巻目が出ています。

第1巻目の当初は23歳だった主人公のバリスタ<切間美星>も、現在は24歳、あいかわらず常連客としての1歳年下の<アオヤマ>、また先代の店主<藻川又次>老人も脇役としていい味を出しています。

本書は5篇の短篇と、第1巻にまつわるシャム猫<シャルル>にまつわるショート・ショートが収録され、どの短篇もユーモアとウイットの効いた構成で楽しめますし、第2巻目 で登場した二卵性双生児の妹<美空>も、元気に登場してきます。

ブラジルの珈琲にまつわる逸話や、<アオヤマ>のダーツゲームに関する事件など、珈琲の話題だけでなく、博識な著者の筋立てに面白く読み終えれました。
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今年の読書(102)『スカイハイ』沢村鐵(中公文庫)

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今年の読書(102)『スカイハ...
<沢村鐵>の<警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結>シリーズとして、第1巻目の『フェイスレス』に次ぐ2巻目となる『スカイハイ』です。

大学教授「角田」爆殺から「周唯」暗殺までの一週間後、東京ライジングタワーやJPのシステム系統がダウンしてしまい混乱に陥る東京でした。そんな中で前作でも謎の存在だった一連の事件の首謀者とされる「C」の謎が明らかになっていきます。

「一柳美結」刑事たちは、標的とされた大学講師「佐々木忠輔」が語る「C」の真実に驚愕します。一方、「忠輔」の妹「安珠」は、超高層タワー内で催されたライブに出演していましたが、そこにも「C」の影が忍び寄るのでした。
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今年の読書(101)『フォークの先、希望の夜』汀こるもの(講談社文庫)

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今年の読書(101)『フォーク...
なんとも不思議な魅力でもって最後まで読ませる一冊で、一応ミステリーの分野に入るのでしょうか、謎解きの要素を持ちながら全体でみればある種の青春小説、もしくは恋愛小説の要素も含まれているかもしれません。

主人公(?)<浅岡彼方(かなた)>は美術大学に通う2年生で、熱帯魚店「怪魚処 やすもと」でアルバイトをしています。
業界では、熱帯魚好きの「彼が表われると、誰かが死ぬ」という黒服の美少年(アナトス)にまつわる奇妙な噂がありましたが、<彼方>は父親が事故で入院、生活費に支障をきたしているところ、その彼の家から日給5万円で、その少年の屋敷で買われている熱帯魚の世話のアルバイト話しに飛びつきます。

その屋敷には、人前に姿を見せない一卵性双生児の兄<美樹(タナトス)>と弟<立花真樹>、彼のガード役の刑事<高槻彰彦>27歳がいましたが、アルバイトとして屋敷に通い始めると同時に、奇妙な出来事が起こり始めます。

全体を通してアクアリウムや熱帯魚(肺魚)の知識がちりばめられ、一般的によく知られている「アロナワ」をはじめ、<彼方>の飼育している「プロトプテルス・アネクテンス」を初め訊きなれない魚たちが多く登場、面白い世界が展開していました。
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今年の読書(100)『フェイスレス』沢村鐵(中公文庫)

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今年の読書(100)『フェイス...
副題として「警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結」と長い名称になっていますが、女性刑事<一柳美結>26歳を主人公とした警察小説です。

東京学際大学の研究室で外国人留学生から評判の悪い<角田>教授が爆殺され、墨田署に捜査本部が設置されました。
研究室助手の<佐々木忠輔>講師は犯人と接触していますが、彼は「相貌失認症」と言う相手の顔を覚えられない先天的な障害を持っていました。

警察学校同期である<吉岡雄馬>は、本庁から捜査本部に組み込まれ、<一柳>と組み捜査を始めますが、第二の事件として<佐々木>の実家が爆破され、<一柳>と高校の同級生である<佐々木>の妹<安珠>の事務所にも爆発物が届けられてきます。

海外留学生絡みの裏情報を訊こうと<吉岡雄馬>は、公安部に所属する兄<龍太>の部署に出向きますが、そこで国際的サイバー犯罪者の<C>の名前が浮かんできます。

主人公<一柳美結>の高校時代に何か事件があることを読者に匂わせながら、ネットを巧みに操る<C>の犯人像に迫りきれないうちに事件は不本意な捜査で終結、首謀者である<C>の正体を求めて次巻に引き継がれます。
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今年の読書(99)『望月青果店』小手鞠るい(中公文庫)

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今年の読書(99)『望月青果店...
主人公<鈴子>は55歳、ニューヨーク州の北部の田舎町で民宿「リトル・アップル」を一歳年下の全盲の夫<誠一郎>と営み、盲導犬<茶々>と暮らしています。

<鈴子>の元に岡山県旭川にある実家から、母親<咲恵>の体調が悪いとの知らせが入り、帰国する準備を済ませているところ大雪で停電、身動きが取れなくなります。

物語は今の<鈴子>と<誠一郎>のアメリカでの幸せな結婚生活を描きながら、子供のころからの<鈴子>と母親<咲恵>との確執を縦糸に、また初恋の相手<隆史>との思い出と約束を横糸として絡め、<鈴子>の歩んできた人生模様を見事に織り上げていきます。

母と娘、結婚と仕事、人間の倖せとは何か、人生とは何かを全7章の構成として、ほんのりとせつなく読者に語りかける一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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