今年の読書(137)『珈琲店タレーランの事件簿』岡崎琢磨(宝島社文庫)
11月
10日
「タレーラン」の珈琲店をあずかるのは<切間実星(みほし)>で、先代の経営者から引き継いだ、まだ23歳の若きバリスタです。
偶然に入ったこの店で学生の<アオヤマ>は、自分の求めていた珈琲の味に魅かれて通い詰めることになります。
<実星>には隠された過去があり、また<アオヤマ>にも表に出せない仕事がらみの事情を抱えての「タレーラン」通いでした。
短篇七篇が引き継ぐ形で物語が構成され、二転三転する結末に読者は翻弄されてしまいますが、京都ならではの地域性を生かし、珈琲好きにはたまらない話題が散りばめられた一冊でした。