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神戸:ファルコンの散歩メモ

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『世界ぐるっと肉食紀行』西川治(新潮文庫)

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『世界ぐるっと肉食紀行』西川治...
『世界ぐるっと朝食紀行』・『世界ぐるっとほろ酔い紀行』に続く第3弾として『世界ぐるっと肉食紀行』が出ています。1年に1冊のペースですので、発行が待ち遠しいシリーズになりそうです。
どれも(文庫オリジナル)ですが、中身を考えますと単行本でも十分に売れると思うのですが、読者にとっては廉価(590円税別)に読めるのはありがたい企画です。

どの紀行にも共通しているのは、「料理と旅と酒、そして写真」の一言に尽きます。
著者の本職は写真家ですので、ふんだんに使用されている写真も、自らの撮影ですので要所をはずすことはありません。

写真と軽快な文章、どの章もため息をつきながら読むことになるのですが、見知らぬ世界の料理が手に取るように分かりますので、貴重な情報源だと思います。

趣味と実益を兼ねたお仕事、いつも羨ましく感じながら、読み終えております。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『真夜中のパン屋さん・午前0時のレシピ』大沼紀子(ポプラ社)

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『真夜中のパン屋さん・午前0時...
世田谷通りから少し離れた場所にある「ブランジェリー クレバヤシ」という、半年前に開店したパン屋を舞台としています。

経営者の<紅林陽介>は35歳、半年前に妻<美和子>を事故で亡くし、妻の夢だったパン屋を開くために、一回り若い職人<柳弘基>を雇い、真夜中から朝方のかけて営業する店を経営、自分も<弘基>にパンの仕込みを習うのですが、なかなかうまくいきません。

あるひそんな店に、<美和子>の腹違いの妹と名乗る<篠崎希美>が舞い込んできて、共同の生活が始まるなか、悲喜こもごもの人間ドラマが展開していきます。

真夜中に集まるお客さんはそれぞれに人生の悩みを抱えた人物たちが登場、<希美>の母との擦れ違いの家庭問題を基本に置き、少年<水野こだま>と母親の<織絵>、閉じこもり脚本家<斑目裕也>、ニューハーフの元ママ<嶽山大地>の脇役がいい人間味を出しながら、<陽介>や<弘基>の過去が横糸に絡まり、ほろりとする物語が楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『天使の歩廊』中村弦(新潮文庫)

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『天使の歩廊』中村弦(新潮文庫...
建築設計を生業としていますので、「建築ファンタジー」という帯のコピーに引かれて手にしてみました。本作品は、2008年の第20回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品です。

明治14年、銀座レンガ街の洗濯屋の次男として生まれたのが主人公<笠井泉二>で、子供のころから西洋建築に興味を持ち、のち東京帝大建築学科に学びます。

彼は普通の造形ではなく、注文主の一風変わった注文、<生きている人間と死んだ人間が一緒に暮らせる家>とか、<永久に住めるような家>といった難注文に見事にこたえていきます。明治から第二次世界大戦の時代を背景に、<笠井泉二>に関する6話の短篇が納められています。

実在の建築家や歴史的史実を踏まえながらの描写は、当時の社会状況を知るうえでも面白く、また一建築家の夢としても楽しめた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『Fantasy Seller』新潮ファンタジーセラー編集部編(新潮文庫)

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本書には、「日本ファンタジーノベル大賞」受賞作家の8人の作品が納められているアンソロジーです。

まだ読んだことのない作家の雰囲気や作風を掴むのには、このようなアンソロジーが便利で、納められているのは、下記の8篇です。
   <畠中 恵>『太郎君、東へ』  <仁木英之>『雷のお届けもの』 
   <森見登美彦>『四畳半世界放浪記』  <堀川アサコ>『暗いバス』 
   <遠田潤子>『水鏡の虜』  <柴野貴李>『哭く戦艦』  
   <石川 晶>『スミス氏の箱庭』  <宇月原晴明>『赫夜島』  

さすがにどれも「日本ファンタジーノベル大賞」の受賞者ということで、自分の専門分野で繰り広げられる世界は多彩で、江戸時代の河童が活躍する<畠中>氏の作品、人間が雷のなった<仁木>氏の作品、戦艦に憑りついた船霊の話の<柴野>氏の作品、竹取物語を主軸に据えた<宇月原>氏の作品等、どれも個性あるファンタジー作品が楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『週末夜汽車紀行』西村健太郎(アルファポリス文庫)

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『週末夜汽車紀行』西村健太郎(...
国鉄時代からの「夜行列車」も次々と廃止されてきていますが、著者は、週末の金曜日の夜に旅立ち、月曜日の朝に戻るという紀行文が、丁寧に綴られています。

本社は、冒頭で述べた『週末夜汽車紀行』と、平日の仕事帰りに訪れることのできる7路線をまとめた『七つの鉄道旅行』の2章での構成です。

学生時代、わたしも太平洋側から北上し、北海道に入り(当時は青函連絡船でした)、青森から日本海側を戻ってくるこ鉄道旅行をしましたが、著者のそれぞれの駅や町などの描写を読みますと、当時の懐かしい記憶が甦り、楽しく読み終えることができました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『虹色の皿』拓末司(角川書店)

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『虹色の皿』拓末司(角川書店)
著者のデビュー作品は、2007年に『このミステリーがすごい!』大賞受賞作の『禁断のパンダ』です。神戸の料理店が舞台のミステリーで、料理の描写が圧巻でした。
岐阜県生まれですが、大阪の有名調理師学校卒業で、神戸のフランス料理店に就職した経験がとても生かされた内容でした。
私の記憶に間違いがなければ、神戸在住だと思うのですが、当時の切りぬきが見当たりません。

今回の『虹色の皿』は、著者の実体験に基づいたと思わせる内容で、<一流の料理人を目指す>主人公の青春物語として、面白く読めました。
職域は違えども、<モノ>を作り出す立場の人には、共感を覚える場面や台詞が感じ取れる一冊だと思います。

地元神戸が舞台の小説、関西弁と合わせて肩を張らずに楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『憚りながら』後藤忠政(宝島社文庫)

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『憚りながら』後藤忠政(宝島社...
山口組を引退し、天台宗系の寺院で得度して<忠叡>となった武闘派組織「後藤組」の元組長の回想的自叙伝です。

育った静岡県富士宮市での愚連隊時代から語られ、本山のある創価学会の<池田大作>との裏話、山口組直参となるまでの経緯、「風の会」代表だった<野村秋介>との思い出、政界とのつながりなど、赤裸々に語られていきます。

関係した経済界・政界の実名が多く登場、波瀾万丈に富んだ人生と合わせて、日本の裏の歴史書としても楽しめた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『あの空の下で』吉田修一(集英社文庫)

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『あの空の下で』吉田修一(集英...
ANA月刊機内誌の『翼の王国』に、2007年4月~2008年3月に掲載された12話の短篇と、2008年5月~2008年9月に掲載されたエッセイ6篇が納められています。

飛行機会社の機内誌ですので、飛行機にまつわる内容の短篇が中心となり、それぞれの登場人物たちが、飛行機や旅に関する思い出を紡ぎ出しています。

エッセイは「バンコク」・「台北」・「オスロ」など、東南アジアから北欧の都市に出向いた際の心情がまとめられています。

機内誌ということもあるのでしょう、どれも短めの文章ですが、飛行機や旅にまつわる心の機微が感じられる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『ピザマンの事件簿2』F.T.フォークス(ヴィレッジブックス)

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『ピザマンの事件簿2』F.T....
2年振りに、前作の 『ピザマンの事件簿』 に続くシリーズ2巻目が発行されていました。

前作と同様、主人公はピザハウス『カーロ』で夜間の配達係をしながら、昼間は本来の大工仕事をこなしている<テリー・サルツ>です。

前作で、離婚(中?)の妻<メリールー>が、よりを戻そうと夫<テリー>の近くに引っ越してくることを示唆していましたが、今回はその<メリールー>が殺人犯の疑いをかけられる事件が発生、前回と同様に仕事仲間のメンバーで、警察官<アラン>を出し抜くように聞き込み捜査を始めます。

北東アイオワの小さな町での事件ですが、<テリー>は美人の<マイク>に惚れ、妻<メリールー>はいつの間にか弁護士の<バド>と付き合い始めているようで、ミステリーの殺人事件と並行して、この夫婦のいく末が気になる第2巻目でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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『殺人鬼フジコの衝動』真梨幸子(徳間文庫)

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『殺人鬼フジコの衝動』真梨幸子...
冒頭の「はじがき」から「あとがき」まで、息をも付かせぬ緊張感で最後まで一気に読ませてしまう構成でした。

小学校5年生の<森沢藤子>は、教室内でいじめが横行する中、クラスの男子<K>から逃れようとして遮断機が下りている踏切を渡ろうとするのですが、追いかけてきた<K>は運悪く電車にはねられ死んでしまいます。

現場を目撃してあわてて家に戻ると、血まみれの母を見つけ、悲惨な一家惨殺の現場を見たショックから事件の記憶をなくしてしまい、叔母の<茂子>へ引き取られます。
深読みする読者はこの段階で、前段の<藤子>の行動からひょっとしたら犯人は「藤子?」ではと思わせながら、物語は進んでいきます。

宗教に信心している<茂子>は、ことあるごとに亡くなった姉のような人生を歩んではいけないと諭すのですが、いつしか<藤子>は「大人って、ちょろい」という考えを持ち始め、自分の生き方に邪魔になる相手を次々に殺害していくことを繰り返していきます。

殺人という悲惨な状況を、<藤子>の置かれた状況を克明に描くことで読者側にさも当たり前のように感じさせ、ラストでは「さて一家惨殺の本当の犯人は?」という余韻を読者に残こす最終ページの終わり方は、見事としかいいようがありません。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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