「ヌルデ」の葉の上で、【ツチイナゴ(土蝗)】の幼虫が日向ボッコをしていました。
幼虫の姿をみますと、秋に向かう季節の変わり目を感じてしまいます。
バッタ目イナゴ科ツチイナゴ属の昆虫で、幼虫期は鮮やかな黄緑色をしており、この色彩は終齢幼虫まで続きます。
まだ翅も生えていませんが、全身の細かい毛と複眼の下の黒い涙模様は、成虫と同じです。
成虫 になりますと、一転して茶褐色の体色に変身しますが、これは成虫期の大半を過ごす秋~冬にかけての枯葉等の保護色として働きます。
春先から夏場に活動する昆虫類が多い中、競争相手が少ない時期に活動をするのも、子孫繁栄への生き残り術のようです。
オスとメスの<性的二形>が明確な【アンダンソンハエトリ】です。
クモ目ハエトリグモ科オビシロハエトリグモ属に分類される蜘蛛で、日本中部以南に生息しており、 「チャスジハエトリ」 と共に家屋内で普通に見られるハエトリグモです。
オスは全身黒地(写真)で頭胸部後縁に白い三日月模様、腹部前縁にも同じように白い逆三日月模様があり、体長6ミリ前後です。
顔の前面によく目立つ白い触肢を持ち、ゆっくりと動かしながら徘徊しています。
メスは全体に茶色系で地味な色合いをしており、体長はオスよりも大きくて6~9ミリあります。
名称の「アンダーソン」は、18世紀に動植物の採集や研究を行ったフランスの博物学者「ミッシェル・アンダーソン」に献じて命名されました。
全体的に黄緑色の体色が美しく、その名の通り前翅の部分が茶色い【チャバネアオカメムシ】が、網戸にとまっておりました。
カメムシ目(半翅目)カメムシ科の昆虫で、体長は11ミリ程度の大きさです。
サクラ・クワ・カキ・ナシ・リンゴなどの果実を食害しますので、果樹園にとっては、厭な害虫となります。
春先から初夏にかけて若芽や花を食べる時期と、果実の肥大成長時や実った頃には果汁を餌とする時期に分かれ、100種以上の植物を食すようです。
東南アジアに広く分布しており、日本では全土に見られる普通種です。
晩秋には集合フェロモンを出して集団で雑木林の落葉の下などに潜り込み、成虫のままで越冬します。
おいしそうに 「ヤブガラシ」 の花の蜜を吸っている【ヒメスズメバチ】と遭遇いたしました。
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科スズメバチ亜科に分類され、女王蜂・雄蜂・働き蜂とも体長25~40ミリほどで、あまり大きさの差異はありません。
「オオスズメバチ」に次いで大型の種で、腹部は黄色と黒の縞模様がありますが、<尾部が黒色>ですので、他の 「オオスズメバチ」 や 「キイロスズメバチ」 との区別は容易です。
幼虫の餌は他種とは違い、「アシナガバチ」の幼虫や蛹を噛み砕いてその体液のみを餌として与えます。
そのために、「アシナガバチ」の発生・成長に合わせた生活をしなければならず、活動期間が限られてしまい、巣はそんなに大きくはなりません。
成虫の【ヤマトシジミ】は、多種多彩な花の蜜を餌としていますが、幼虫は「カタバミ」の葉しか食べません。
【ヤマトシジミ】の周りに、「カタバミ」の葉が何枚か見えていますが、カタバミ科カタバミ属の多年草で、地表の葉を刈り取ってもまた芽吹きをする元気な野草です。
ハート型の三出複葉で、マメ科の 「クローバー」 とよく似た葉形状をしていますが、「クローバー」の葉は丸く白い線があり、全く異なる科の植物です。
「カタバミ」の漢字表記は<酢漿草>ですが、葉や茎にはシュウ酸水素ナトリウムなどの水溶性シュウ酸を含んでいるために、噛むと酸っぱく感じます。
【ヤマトシジミ】は、幼虫の食草として他の昆虫が嫌がる味の「葉」を、あえて選んできたのかもしれません。
この時期。蜜をたくわえた花を多数付けています 「ヤブガラシ」 の花に、【キイロスズメバチ(黄色雀蜂)】が吸い蜜に来ていました。
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科スズメバチ属に分類され、日本に生息するスズメバチの中では、本種が最も小型で、女王蜂で25~28ミリ、働き蜂で18~24ミリの大きさです。
逆に営巣規模が最も大きく、大きな巣では直径1メートルにも達し、蜂の数も1000匹を超えます。
攻撃性が強く、都市部の生活に対応しており、蜂の被害が多いのが本種です。
頭部は黄色、胸部は黒色で肩板などが黄色、腹部は濃褐色と黄色の縞模様で全体的に黄褐色の毛で覆われています。
「ハエ」や「アブ」類はハエ目に分類され、後翅が退化して2枚の翅(前翅)しかないことにより、「双翅目」と名付けられています。
またハエ目の昆虫は、触角の形態により、「長角亜目」と「短角亜目」に分けられ、「長角亜目」では、触角が長く1/2以上の節に分かれており似た節が並んでおり、「蚊」や「ガガンボ」がいます。
「短角亜目」では、形態の異なる3つの節に大別され、写真の 【アメリカミズアブ】 もそうですが、「ハナアブ」や「ハエ」などが該当します。
【アメリカミズアブ】の特徴である腹部1対の白い紋が撮影できると喜んでいましたら、<平均棍(へいきんこん)>がきれいに写せました。
退化した後翅の位置に、ごく細くて小さな棒状で先の膨らんだ形の器官が<平均棍>で、飛翔中には前翅の羽ばたきと同じ速さで振動させています。
役割には諸説あるようですが、この器官を除去しますと「双翅目」の昆虫は全く飛翔することが出来ないため、航空機のジャイロスコープの働きをしているという説が有力になっています。
まだまだ活動時期の【イチモンジセセリ(一文字挵)】ですが、 横からの姿や後ろから翅を広げた姿 は撮影してきていますが、顔の真正面から捉えたのは初めてです。
いつもなら危険を察知して飛び去る筈ですが、今回はにらめっこが出来るほど動きませんでした。
正面から見ますと、筋肉の発達した太い胴体も隠れており、大きな顔立ちが目立ちます。
複眼の眼には、わたしがどのように映っているのか、気になるところです。
「イノコズチ」の花穂の先に、ササグモ科ササグモ属の体長6ミリほどの【ササグモ(笹蜘蛛)】がいました。
前足を構えて、獲物の捕獲体制を維持しているようで、横からの撮影になりましたので、全身に生えている棘のような毛と共に、体形の特徴がよく分かります。
蜘蛛といえば「糸」と切り離せない存在で、すべての蜘蛛は「糸」を出すことができます。
造網性でも「ハエトリグモ」やこの【ササグモ】のような徘徊性でも、写真から分かるように、すべての蜘蛛は歩く時に必ず<しおり糸>という「糸」を引いて歩いています。
外敵からのがれるために網から飛び逃げる蜘蛛は、必ず「糸」を引いており、再び「糸」をたぐって元の位置に戻ります。
「ハエトリグモ」や【ササグモ】などが獲物に飛びつくときに、誤って落下しても落ちることなく、安全帯の役割を果たしています。
【ヤマトシジミ】の翅裏には黒い斑点模様がありますが、この黒点ひとつの違いで「ルリシジミ」がいます。
せわしく飛び回りますので、飛翔中には黒点の確認をする余裕もなく、期待しながら小さな蝶を写してきていますが、いまだ「ルリシジミ」とは遭遇出来ていません。
今回は、メスの後ろ姿を追いかけました。
オスの表翅の色は青藍色をしていますので、雌雄の区別はすぐにつきます。
いつか「ルリシジミ」と出会えるだろうと期待しながら、これからも小さなシジミ蝶を、記録を兼ねて追いかけたいと考えています。
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