12月も半ば、昨日の神戸の最高気温は9度でした。
昨夜の帰宅時、路上に開張20ミリほどの小さな<蛾>を見つけましたが、薄暗い街灯だけの明るさの中で、我ながらよく発見できたなとおもいました。
黒いアスファルトの上でしたので、チラチラと動くものが目に止まり、近寄りますと驚いたことにこの時期には珍しい<蛾>でした。
こまめに翅を動かす中でのストロボ撮影ですので、きれいには撮れていませんが、前翅の前縁が淡い茶色と後翅の白色の特徴がなんとか見て取れます。
帰宅時から<蛾>の資料と見比べているのですが、特徴ある翅を持つ種類が同定できません。
昆虫好きとしては時期的に嬉しい発見でしたが、昨夜から頭を悩ませています。
白色のサザンカの花を写そうと近寄りましたら、【ニホンミツバチ(日本蜜蜂)】がオシベの中に頭を突っ込んで、吸い蜜行為中でした。
【ニホンミツバチ】は、 「セイヨウミツバチ」 に比べて体が一回り小さく、黒っぽい体色です。
飼育が難しく蜜の採集量が少ないこともあり、養蜂的には1877(明治10)年に導入されたイタリアン種の「セイヨウミツバチ」が主流です。
【ニホンミツバチ】の蜂蜜はさっぱりとしていて、季節ごとの花の花粉を多く含んでいますので独特の風味が味わえます。
本日の神戸は昼からお天気が崩れる予報で、今のうちにたくさん蜜を蓄えてほしいなと眺めておりました。
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気温も下がり、寒い時期になり蜂も活動期ではないとおもいますが、コンクリートの舗道の上で動かずにじっとしている【キアシナガバチ(黄脚長蜂)】を見つけました。
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科アシナガバチ属に分類され、日本産アシナガバチの中ではもっとも攻撃性があり、また毒性も強い「蜂」です。
寒さに弱っているのかカメラを近づけますと、ピッと翅を広げたのが威嚇の動作に見えましたが、やはりじっとしていました。
体長25ミリ前後で、 「セグロアシナガバチ」 と並ぶ大型種です。
黒色の地に黄色が目立ち、脚にもはっきりとした黄色の部分があり、触角の先三分の一がやはり黄色です。
くびれた腹部の左側の「前伸腹節」に、半月形の黄色い縦筋がふたつあるのが【キアシナガバチ】で、「セグロアシナガバチ」にはありません。
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ヒラヒラと 「ヤマトシジミ」 のような飛び方をしていましたが、一回り小さい体形に興味がわき、どこかにとまるを待っていました。
【マエアカスカシノメイガ(前赤透野螟蛾)】は、チョウ目(鱗翅目)ツトガ科ノメイガ亜科の、開張2センチばかりの小さな「蛾」で、尻尾の部分に黒い毛の毛束がありませんので<メス>だと同定できます。
長い和名が付けられていますが、前翅の前縁部が赤褐色で、翅は鱗粉がすくなく、透けて見えるところから名付けられています。
とまっている壁の青灰色の地が、翅から透けているのが見て取れるとおもいます。
幼虫は薄い緑色の小さなイモムシで「キンモクセイ」 ・ 「ネズミモチ」 ・ 「イボタノキ」 などを食草としていますが、集団で発生することもなく、また個体も小さいので樹を枯らすことはありません。
花壇の花を観察していましたら、体長5ミリ前後の昆虫が人差し指にとまりました。
<吻>の長い形状で、すぐに「ゾウムシ」の仲間だと分かります。
甲虫目(鞘翅目)ゾウムシ科タコゾウムシ属に分類され、原産地はヨーロッパですが、日本では1982年6月に福岡県で、7月に沖縄県で確認され、西日本を中止に繁殖、今では関東方面まで分布しているのが確認されている、「日本の侵略的外来種ワースト100」の昆虫です。
名称通り「アルファルファ」を含み、「アカツメクサ」・「シロツメクサ」・「ヤハズノエンドウ」・「レンゲ」等のマメ科牧草を食草としてする害虫です。
体型は楕円形で、<吻>は太短く、夏眠後の11月頃から活動を開始、12月~5月上旬に産卵、羽化した新成虫は樹皮下や石の下など集団で夏眠を行います。
ヒラヒラとゆっくりと飛翔していましたので、すぐに【ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)】だとわかりました。
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科ヒョウモン族に分類されています。
雌雄で翅の模様が違い、写真の蝶は<メス>で、前翅の先端が黒色で斜めに白い帯があり、ほぼ全面に黒色の斑点が入ります。
翅の裏側は薄黄褐色の地に、やや濃い黄褐色の斑点があり、表翅の白い帯の裏側もやはり白い帯となっています。
この時期最後の活動だとおもいますが、この種は幼虫や蛹で越冬をし、幼虫はスミレ類を食草とし、パンジーやビオラなども食べますので、花壇では要注意です。
まだまだ越冬の準備ではないでしょうが、【キタキチョウ(北黄蝶)】がせわしなく 「ツワブキ」 の花の蜜を吸っていました。
今迄、チョウ目(鱗翅目)シロチョウ科キチョウ属と分類されていた種は、南西諸島に分布する「ミナミキチョウ」と、本州~南諸島に分布する「キタキチョウ」に分けられていますが、外見から見分けることはできません。
前翅長は25ミリ前後で近縁の 「モンキチョウ」 よりもやや小型で、翅の色はオスのほうが濃い黄色をしており、翅裏には褐色の斑点が入ります。
発生する時期により、夏型は外縁の黒帯の幅が広く、秋型は黒色の縁が先端にすこしあるか、もしくは見られません。
< 複眼の迷路のような模様 >
兵庫県庁の南側に、1902(明治35)年に建てられたフランス・ルネッサンス様式の「兵庫県公館」があります。
各種レセプションやイベントに利用されていますが、普段も一般開放されています。
正面玄関周りに植え込みがあり、「ヒャクニチソウ」などが咲き誇っていますが、その蜜を求めて【オオハナアブ(大花虻)】が飛来していました。
ハエ目(双翅目)ハナアブ科ハナアブ亜科の昆虫で、<オオ>と名が付いていますが、「ナミハナアブ」と体長は変わらず15ミリ前後です。
ハナアブの代表格で、丸っこい体形や透明な翅が印象的で、黒色の腹部には太い黄色の帯が目立ちます。
頭部の複眼には迷路のような模様があり、またその間には3つの単眼を持っており、写真の【オオハナアブ】は、複眼が接近していますので<オス>です。
体形の特徴から、すぐにオサムシ科の昆虫だと分かりました。
体長20ミリ強で、せわしく動き回る昆虫ですが、枯葉が昨日の雨に濡れていますので、歩き回りづらそうでした。
コウチュウ目(鞘翅目)オサムシ科スナハラゴミムシ亜科に分類されており、雑木林などの地面に生息しています。
オサムシ科は、 「ヤコンオサムシ」 や 「クロツヤヒラタゴミムシ」 などを記録してきていますが、どれも良く似た姿で、頭部や胸部の形、上翅の縦筋の模様が微妙に違います。
本種は前胸の後部に凹みがあり、触角第4節以降は赤味がかった色をしているのが特徴です。
「蛾」の種類も多くて同定するのが難しいのですが、「蠅」の世界も日本だけで約60科、3000種近い「蠅」が分類されています。
白い壁に休憩中の「蠅」を見つけました。
腹部に生える毛などの特徴ある姿から、ハエ目(双翅目)の「ヤドリバエ科」か「ニクバエ科」かと分かるのですが、どちらも良く似た感じです。
「ヤドリバエ科」は、ハエ目の中で最大の種類をもち、「ニクバエ科」だけでも100種類を超えています。
最終的には腹部側面に対としてある白斑を決め手として、間違っているかもしれませんが、ニクバエ科ヤドリニクバエ亜科の【ギンガクヤドリニクバエ】と同定しました。
名称通りオスは、額の部分が左右2枚の鏡のように銀白色に輝くとされています。
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