3月
5日,
2022年
「ビジョン・ミッション....」よりも「実行力」が重要(Day3, final)「私の成功&失敗体験」
先日は
「ビジョン・ミッションは、経営者だけのものでは無い」
というタイトルでお伝えしました。
経営者だけでなく、部署を預かる部課長さん、家族を切り盛りするお父さん・お母さん。そして我々一人一人、個人にも「ビジョン・ミッション」が必要、という内容でした。
一方、今日はもう3月5日。あっという間に今年一年間の6分の一が既に経過したことになります。そこで皆さん、今年の年初の抱負や計画は、どの程度進んでいらっしゃるでしょうか?
そうなんです!「経営理念・ビジョンの重要性」に議論の余地が無いものの、実行されなければ意味がない。まさに「絵に描いた餅」。
そこで今日は前回に続いて、どのようにしたら計画やスローガンを実行できるのか?
「実行力」
について綴って行きます。
正直申し上げて、私も皆さんと同じ(これは失礼!)、年初の抱負は他所に、早々に計画を断念した経験は数知れず。
そこで、そんな私がサラリーマン時代に試みた内容をお伝えして、参考にして頂ければと思います。そしてその「失敗談」を元に、「今だったらどう工夫していたか?」も併せてお伝えします。
【章立て】
1.私が現役時代に試みたこと(完了済み)
2.上手く行ったこと(本日)
3.上手く行かなかったこと、そして今だったらどのように対応・工夫するか?(本日)
念のため前回の『1.私が現役時代に試みたこと』のテーマを記載しておきます。
(1)自部署のスローガン創り「Be Professional!」
(2)部員個々人の「ありたい姿」の言語化
(3)トレーニング計画の策定
ここから今日の本論です。
『2.上手く行ったこと』
(1)部員一人一人に「プロフェッショナルとは何か?」を、考えてもらう機会になったこと。
先輩や前任者、上司から教わったことを、粛々とこなすことに慣れ切っていた部員には「プロフェッショナル」という言葉さえ、「?」という印象だったと想像されます。
ビジネス環境の変化は、完全に理解できていなくとも部員は肌で感じているはず。しかし具体的に「何に対して、どのように対応すれば良いのか」という発想は無かったのではないでしょうか? そこで、自分のキャリアという視点で「目標値」を考えることはとても良い経験になったと想像される。
また、この「プロフェッショナル像」を、自らが考えて描くことにも大きな意義があったと確信します。なぜなら、それはキャリア構築を「自分事」にしてもらう効果があったのではないでしょうか?端的に言うと、キャリア構築のPDCAを自ら回す、ということに繋がっています。
(2)「短期的・長期的」に、自分は何をしなければならないか、の動機付け
自分の「プロフェッショナル像」を描いた上で、そのゴールを達成するための方法論、即ちトレーニング計画を立ててもらいました。
計画内容を色々と盛りだくさんにすると、こなせないことは本人たちは理解しているはずです。では何をどういう計画で進めたら良いのか?
その時に重要なのは「短期的・長期的」「緊急性・重要性」という二軸の「マトリックス思考」である。
『3.上手く行かなかったこと、そして今だったらどのように対応・工夫するか?』
(1)私一人が引っ張る構図で、全体観としてはそれ程期待通りには進まなかった。
気が付いた点は以下の通りです。
①個々人での経験・スキルにばらつきがあり、私一人だけでの対応では難しい面があった。
②また「Be Professional!」のスローガンは私が考え出したものなので、部内の浸透に時間を要した。スローガン創りから予め、リーダー格のメンバーをもっと巻き込むべきだった。
③個々人のモチベーションを高めるための「インセンティブ」が薄かった。
(2)もし今なら、どういう対応・工夫をしたか?
①スローガン創りにリーダー格を巻き込んで、リーダーたちに「たたき台」を考えてもらう。
②トレーニング計画の策定や進捗管理に「バディシステム(2人ペア)」を導入する。
個人に委ねると個人の個性や進み具合に任されてしまうので、ペア同士でお互いで励まし・助言し合いながら進められるという効果が期待できる。
③PDCAを自ら回す練習という側面もあるので、仕事には関係ない「個人的な目標」を設定して、その達成と仕事の進捗を平行させて進める、という方法もある。
例えば、ダイエットをするとか、朝早起きをするなど、ある程度達成可能な個人的な目標達成の感触を体感してもらい、それを仕事のテーマに当てはめるというアプローチである。
このタイトルでは今日で一先ず終了です。ありがとうございました!
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
3月
1日,
2022年
「ビジョン・ミッション」があれば良いのか?(Day2)「『絵に描いた餅』にしないために必要こと!」
昨日は
「ビジョン・ミッションは、経営者だけのものでは無い」
というタイトルでお伝えしました。
つまり「ビジョン・ミッション」は経営者のためだけではない。
部署を預かる部課長さん、家族を切り盛りするお父さん・お母さん。そして我々一人一人、個人にも「ビジョン・ミッション」が必要ではないか、という問い掛けでした。
しかし一方、早いもので今日は3月1日。今年一年間の6分の一が経過したことになります。
皆さんの今年の年初の抱負や計画は、現時点でどの程度進んでいらっしゃるでしょうか?
そうなんです!
「経営理念・ビジョンの重要性」に反論の余地が無いものの、実行されなければ意味がない。まさに「絵に描いた餅」にしてはいけない。当たり前ですよね?
そこで今日は、どのようにしたらミッションや計画を実行できるのか?
「実行力」
について綴って行こうと思います。
正直申し上げて、私も皆さんと同じ(これは失礼!)、年初の抱負や計画を早々に断念した経験は数知れず。
そんな私がサラリーマン時代に、年初計画や構想を実行に移すために試した内容をお伝えします。
お伝えする際に、失敗談に加えて「今だったらどう対応・工夫するか?」も併せてお伝えします。
【章立て】
1.私が現役時代に試みたこと(本日)
2.上手く行ったこと(明日以降)
3.上手く行かなかったこと、そして今だったらどう対応・工夫するか?(明日以降)
1.私が現役時代に試みたこと
(1)自部署の「スローガン」創り
(2)部員個々人の「ありたい姿」の言語化
(3)トレーニング計画の策定
(1)自部署の「スローガン」創り
①海の向こうの上司からの指摘
私が経理本部長に昇格後、上司から開口一番に言われたのは「経理スタッフの仕事ぶりは、従来型の経理処理の仕事に追われていて専門知識が低い。
お客様に低付加価値のサービスしか提供していない。それでなくても日本は人件費が高いため、現況のまま維持することは許されない。なんとかしろ!」という感じのものでした。
その上司は中国人で、アジア太平洋地域全体の経理部門を統括する本部長。指摘が的を得ているだけに、正直言って反論が出来なかったです。私もうすうす感じていたので、ずばっと言われてしまった!という感じです。
②部下への動機付け
そこで私が考えたのが、私の部下たちにどのように動機づけするか?です。そのために先ずは我々の部署の「スローガン」を掲げようと思い立ち、一人で悩んだ末に
「Be Professional!」
というスローガンにしました。
(2)部員個々人の「ありたい姿」の言語化
①部下との対話
スローガンを作れさえすれば、それに従って部下たちが動き出す!なんて、世の中そんなに甘くありません。
「何か、始まったみたい?!」
部下たちからの少し、冷めた視線を感じながら私が行ったことは、部下一人一人との「対話」です。
そもそも「Be Professional!」というスローガンを掲げる意図は何か?について
説明しなければ分かってもらえない。
おまけに、ここが重要ですが、部下全員の前で私が話しても、必ずや「一方通行」の伝達になってしまう。
部下たちの経験・スキルのレベルに差があることは明らかだったし、正社員・派遣社員の違い、そしてそもそも職業人として意識・関心事が異なっていたからです。
②部下一人一人が描く「プロフェッショナル像」の言語化
「Be Professional!」というスローガンですが、実は「プロフェッショナル」とは何か、という定義付けを部全体としては敢えてしてはいません。
「え、そんなんじゃ、部全体の目標としてのスローガンにならないのではないか?」という疑問が湧くと思います。
しかし私の意図は、部署全体がプロフェッショナルになることはもちろん、究極のゴールではあります。
しかし、まずは部下一人一人が「プロフェッショナルになる」という意識を持ってもらうことが重要と考えました。
従って、自分の考える「プロフェッショナル像」を自ら描いてもらい、それに自ら到達するという動機付けが必須、と考えたのです。
(3)トレーニング計画策定
部下の一人一人に自らのプロフェッショナル像を描いてもらった上で、次はどうすれば自分はそうなれるのか?の道筋を考えることが必要です。
そこで先ずは、個人個人で好きなトレーニングプログラムを考えてもらうことから始めました。そのたたき台に私が追加したり、他の方法を勧めたりしながら「個人ベース・トレーニング計画」を策定するように部下を指導しました。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
2月
6日,
2022年
今日も一日、英語漬け!(English version)
This is Yoshio Sunamura, Professional Coach encouraging people who work in organizations or companies.
Today I attended the class in English on the second day about "Organizational Psychology" at NUCB business school.
NUCB business school is the one which I graduated from two years ago and I have obtained the maser degree as MBA at the school.
This school sometimes provides us with a special offer to allow us to attend the MBA class in English with very low fee. So, I decided to attend it.
The topic today was Organizational Psychology, especially on
- Gender Essentialism
- Motivation
What interested me most today was "motivation".
So, let me just share a youtube video by Daniel Pink about Motivation
https://www.youtube.com/watch?v=rrkrvAUbU9Y
Mr. Daniel Pink is the author of the book called "Drive"
(邦訳名「モチベーション3.0」)
Enjoy the following TED talk!
See you tomorrow!
Yoshio
Professional Coach
2月
5日,
2022年
今日は一日、英語漬け!(English version)
This is Yoshio Sunamura, Professional Coach encouraging people who work in organizations or companies.
Today I had a good opportunity to attend the special class at NUCB business school.
NUCB business school is the one which I graduated from two years ago and I have obtained the maser degree as MBA at the school.
This school sometimes provides us with a special offer to allow us to attend the MBA class in English with very low fee. So, I decided to attend it today.
The class I attended today dealt with
Organizational Psychology
So, let me quickly share with you what we learned today about organizational psychology at the class.
1. Business vs. Psychology
2. Cultural Differences
3. Useful website to compare cultural dimensions
1. Business vs. Psychology
Considering the relationship between business and psychology, you can think of several aspects of it. For example;
(1) When you work in the company, you are sure aware of human relationship among coworkers or between boss and subordinate.
(2) When you are engaged with marketing department in consumer industry, you are required to be sensitive to how the customers feel about your products or services.
(3) If you work in talent management or hiring in HR department of the company, you always consider what attracts and encourages people to work hard and effectively.
So, in order for us to work effectively in the workplace, or make use of diverse environment, psychology should be carefully utilized in business situation.
2. Cultural Differences
Looking at the culture difference in several countries, it might be useful to use several dimensions to help us understand it more deeply. The dimensions, for example, are as follows;
(1) Power Distance:
This dimension is defined as "the extent to which the less powerful members of institutions and organizations within a country expect and accept that power is distributed unequally.
(2) Individualism:
This dimension is the degree of interdependence a society maintains among it members.
(3) Masculinity:
A high score (Masculine) on this dimension indicates that the society will be driven by competition, achievement and success. A low score (Feminine) on the dimension means that the dominant values in society are caring for others and quality of life. The fundamental issue here is what motivates people, wanting to be the best (Masculine) or liking what you do (Feminine).
(4) Uncertainty Avoidance:
This dimension has to do with the way that a society deals with the fact that the future can never be known: should we try to control the future or just let it happen?
(5) Long Term Orientation:
This dimension describes how every society has to maintain some links with its own past while dealing with the challenges of the present and future.
(6) Indulgence:
This dimension is defined as the extent to which people try to control their desires and impulses.
3. Useful website to compare cultural dimensions
When you think about planning to make long stay or immigrate to foreign countries, I suggest you check to see what culture difference looks like, how similar or how different?
You can see very useful website below which helps you find them in 6 dimensions above.
https://www.hofstede-insights.com/country-comparison/japan/
See you tomorrow!
Yoshio, Professional Coach
2月
1日,
2022年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day18)「貢献に焦点を合わせると人間関係が良くなる」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part2:働くことの意味が変わった
第3章「貢献を重視する」
【よい人間関係をもつ秘訣】
(1)自らの仕事や人との関係において、貢献に焦点を合わせることにより、初めてよい人間関係が持てるのである。
こうして、人間関係は生産的なものとなる。まさに生産的であることが、よい人間関係の唯一の定義である。
(2)我々は、貢献に焦点を合わせることによって、コミュニケーション、チームワーク、自己啓発及び人材育成という、成果を上げるうえで必要な人間関係に関わる基本条件を満たすことが出来る。
(3)第一に、長い間、マネジメントの中心課題であったコミュニケーションが可能となる。
これまで研究されてきたのは、経営管理者から従業員へ、上司から部下へ、という下方へのコミュニケーションだった。
(4)これは上司が部下に何かを言おうと努力するほど、かえって部下が聞き間違える危険が大きくなる。
部下は、上司が言うことではなく、自分が聞きたいと期待していることを聞き取る。
(5)仕事において貢献する者は、部下たちが貢献すべきことを要求する。
「組織、及び上司である私は、あなたに対してどのような貢献の責任を持つべきか」「あなたに期待すべきことは何か」「あなたの知識や能力をもっともよく活用できる道は何か」を聞く。
(6)その結果、まず部下が「自分はどのような貢献を期待されるべきか」を考えるようになる。
そこで初めて上司の側に、部下の考える貢献について、その有効性を判断する権限と責任が生じる。
(7)第二に、貢献に焦点を合わせることによって、横へのコミュニケーション、即ちチームワークが可能となる。
「私の生み出すものが成果に結びつくためには、誰がそれを利用してくれなければならないか」との問いが、命令系統の上でも下でもない人たちの大切さを浮き彫りにする。
(8)知識組織においては、成果を上げる仕事は、多種多様な知識や技能を持つ人たちで構成されるチームによって行われる。
彼らは、フォーマルな組織構造に従ってではなく、状況の論理や仕事の要求に従って、自発的に協力して働く。
(9)第三に、自己啓発と人材育成はその成果の大部分が、貢献に焦点を合わせるかどうかにかかっている。
「組織の業績に対する自らのもっとも重要な貢献は何か」と自問することは、事実上「いかなる自己啓発が必要か」「いかなる強みを仕事に適用すべきか」を考えることである。
(10)貢献に焦点を合わせるならば、部下、同僚、上司を問わず、他の人の自己啓発を触発することにもなる。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
1月
31日,
2022年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day17)「知識労働者の果たす責任とは」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part2:働くことの意味が変わった
第3章「貢献を重視する」
【知識ある者の責任】
(1)知識労働者が貢献に焦点を合わせることは必須である。
(2)知識労働者が生産するのは、物ではなくアイディアや情報やコンセプトである。知識労働者は、ほとんどが専門家である。
(3)事実彼らは通常、一つのことだけを非常によく行える時、即ち専門化した時にのみ、大きな成果を上げる。専門家の産出物は、他の専門家の産出物と統合されて初めて成果となる。
(4)必要なことは、ゼネラリストを作ることではない。知識労働者が彼自身と彼の専門知識を活用して成果を上げることである。
(5)知識ある者は、常に理解されるように努力する責任がある。素人は専門家を理解するために努力すべきであるとしたり、専門家はごく少数の専門家仲間と話が出来れば十分であるなどとするのは、野卑な傲慢である。
(6)貢献に責任を持つためには、自らの産出物すなわち知識の有用性に強い関心を持たなければならない。
(7)ゼネラリストについての意味ある唯一の定義は、自らの狭い専門知識を、知識の全領域の中に正しく位置づけられる人のことである。
(8)自らの貢献に責任を持つ人は、その狭い専門分野を真の全体に関係づけることが出来る。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
1月
30日,
2022年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day16)「組織がなすべき三つの『成果』とは?」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part2:働くことの意味が変わった
第3章「貢献を重視する」
【三つの領域における貢献】
(1)なすべき貢献には、いくつか種類がある。あらゆる組織が三つの領域における成果を必要とする。すなわち、直接の成果、価値への取り組み、人材の育成の三つである。
(2)これら三つの領域すべてにおいて成果を上げなければ、組織は腐り、やがて死ぬ。(中略)もちろん、この三つの領域の重要度は組織によって、さらには、一人一人の人間によって大きく異なる。
(3)第一の「直接の成果」については、はっきり誰にでも分かる。企業においては売上や利益などの経営上の業績である。病院においては患者の治癒率である。
(4)直接的な成果と言っても、誰にも明白なものばかりとは限らない。だが、直接的な成果が何であるべきかが混乱している状態では、成果は期待しえない。
(5)組織には人体におけるビタミンやミネラルと同じように、第二の領域として「価値への取り組み」が必要である。組織は常に明確な目的を持たなければならない。
価値への取り組みは技術面でのリーダーシップを獲得することである場合もあるし(中略)、もっと安く、もっと品質の良い財やサービスを見つけ出すことである場合もある。
(6)第三に、組織は死という生身の人間の限界を乗り越える手段である。従って自らを存続させえない組織は失敗である。明日のマネジメントに当たるべき人間を今日用意しなければならない。
(7)人間社内において、唯一確実なものは変化である。自らを変革できない組織は、明日の変化に生き残ることは出来ない。
(8)貢献に焦点を合わせるということは、人材を育成するということである。人は、課された要求水準に適応する。貢献に照準を当てる人は、ともに働くすべての人間の視点と水準を高める。
(9)貢献に焦点を合わせるということは、責任をもって成果をあげるということである。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
1月
27日,
2022年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day14)「成果を出すためには『習慣化』が必要」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part2:働くことの意味が変わった
第2章「なぜ成果があがらないのか」
【それは習得できる能力である】
(1)もし成果をあげる能力が修得できるものであるならば、問題は次のようなものとなる。
「その能力は何から成り立つか」
「具体的に何を修得すべきか」
「修得の方法はいかなるものか」
「その能力は知識か。知識として体系的に修得できるか」
(2)私はこれらの問題を長年考えてきた。コンサルタントとして多くの組織と仕事をしてきたが、成果を上げることは私自身にとっても二つの意味で重要だった。
(3)第一に、知識の権威としてのコンサルタントは、自らが成果を上げなければならない。
(4)第二に、客のもっている成果を上げる能力が、結局のところは、コンサルタントが貢献し成果をあげられるか、単なるコストセンター、あるいはせいぜい道化師の役割しか果たせないかを決定する。
(5)成果を上げる人間のタイプなどというものは存在しない。成果を上げる人たちは、気性や能力、仕事や仕事の方法、性格や知識や関心において千差万別だった。共通点は、なすべきことを成し遂げる能力を持っていたことだけだった。
(6)成果を上げる人に共通しているのは、自らの能力や存在を成果に結びつける上で必要とされる習慣的な力である。
(7)成果を上げることは一つの習慣である。習慣的な能力の集積である。そして習慣になるまで、いやになるほど反復しなければならない。
(8)私は小さいころ、ピアノの先生にこう言われた。「残念ながら、君はモーツァルトをシュナーベルにように弾けるようにはならない。でも音階は違う。音階はシュナーベルのように弾かなければならない。」
(9)偉大なピアニストたちでさえ、練習に練習を重ねなかったならば、あのように弾けるようにはならなかった、ということである。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
1月
26日,
2022年
自分のキャリアを、立ち止まって見直すということ(第二話)
「キャリアを見直す」
というタイトルで綴って行きます。
そして今日は、私が大学院へ通っていた時に気付いたことを、ストーリー仕立てにしてお伝え致します。
章立て
1.相談
2.学びの中で気付くこと
3.決断
1.相談
「砂村さん、でもよく決断されましたよね?」
少し酔ったのか、同期入学の佐藤さんはこう単刀直入に質問を投げてきた。大学院の週末授業が終わった直後の、打ち上げの宴席でのことである。
「確かに、佐藤さんにはそう見えるよね。でも30年以上も同じような仕事をしていると、そろそろ良いかな、と感じることも多くなっていたのも事実なんだ。」
2.学びの中で気付くこと
佐藤さんは続ける。
「私は今42歳。ちょうど砂村さんが仕事を求めて海外へ行こうとして時期に重なります。これまで日系企業で海外市場の開拓や海外子会社の管理、経営企画などを経験してきたんです。あっという間の20年でした。」
「なるほど!大学院の授業での佐藤さんの発言を聞いていると、優秀でこれまで様々な成果を上げてきただろうな、と思いましたね。私にもこんな部下がいたら、毎日の仕事も楽しく感じただろうに、と。これは失礼、ちょっと愚痴っぽくなってしまった。」
「いや、砂村さんにそう言われると照れますけど、はい。色々なことをやらせてもらいました。なので、そろそろ....いえ、私の話は良いんです。
そもそも砂村さんはどうしてそのお歳で、失礼な言い方でごめんなさい、大学院でMBAを取ろうと思ったのですか?既に中小企業診断士も持っていらっしゃるのだから、今更必要ないんじゃないんですか?」
かなり酒が回って来たのか、口調がぞんざいになってきた佐藤さんだが、質問は妙に的を得ている。
「確かにそうだよね!必要は無かったのかも。MBA学位には20代の頃から憧れていた。学卒で入社した外資系企業で私のアメリカ本社の友人は全員、MBAホールダーだった。
それから、この歳で入学した理由は、友達が欲しかったからかも?同じ学ぶ仲間を探していた。独立起業のためのアイディアを得たいと考えていたんだ。」
「なるほど、その理由を聞いて良く分かりました。MBAの授業は砂村さんの独立起業に役立っていますか?」
「とっても役立っているね!先生たちの言う理論が必ずしも実践できる訳ではないけど(笑)。自分のビジネスで「トライ・アンド・エラー」出来るメリットは大きいね。」
「そうですか!それは良かったです。他はどうですか?例えばキャリア構築という点で。」佐藤さんは畳みかけるように問いを投げてくる。
「実は、授業で若い皆さんの見解を聞きながら、感じることがある。
もし自分が佐藤さんと同じくらいの年齢で、この大学院でMBAクラスで学んでいたら、その後の人生はどうなっていたのだろうか?と。」
「え、どうなっていた、と思うのですか?」
「それまでの仕事や職種を狭い世界に閉じ込めていた、と感じて、キャリアの方向性を変えていたかも知れない。
外資系企業で仕事をしていると自分の専門分野や専門スキルを特定化することにどうしても焦点を当てることになってしまう。これはキャリア構築にはもちろん良いことだと一般的には考えられている。」
「はい、むしろ日系企業で働いていると、その点が手薄になっていると非難されます。だから最近『ジョブ型』と言われ出した、みんなビビっているんです。」
「そして専門スキルや専門分野での経験値が上がれば、より上のポジションをより高給で転職出来るようになる。しかし私の場合、逆にジェネラルマネジメントをもう少し実地で学ぶ機会があったら、社長業への転身ももっとスムーズに出来たかも知れない、と感じるんだ。」
「『社長業』ですか?」
3.決断
私は酔った勢いも手伝ってもらって、想いを伝える。
「今のMBAクラスに通学している人の殆どが、大企業のミドルマネジメント層だ。恐らく皆さんはその延長線上でキャリアを進めていくのだと思う。外資系企業に勤務している人はMBAホールダーとしてより高い職位へと転職していくことも多いような気がする。」
「まあ、そうでしょうね!それが分かりやすいです。」
「一方、折角MBAでケースから沢山学んだのだから、中小中堅企業へ転職して、その立て直しや戦略立案と実践で活躍して欲しい、と思うね。
そして、このキャリアチェンジは40代の前半が最後のチャンスだと思う、私が家族を連れて海外へ行ったタイミングだ。」
佐藤さんは私の話を穴が開くように聞き入っていた。
大学院を修了して少し経ったが、佐藤さんがその後どのようなキャリアを選択したかは聞いていない。今の会社で順調に昇進する道を選んだのか、MBAホールダーとして転職を果たしたのか? それとも......
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
1月
25日,
2022年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day13)「成果を上げるための能力が必須!」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part2:働くことの意味が変わった
第2章「なぜ成果があがらないのか」
【成果を大幅に改善する方法】
(1)仕事や成果を大幅に改善するための唯一の方法は、成果を上げるための能力を向上させること。
(2)もちろん際立って優れた能力を持つ人を雇うことは出来る。あるいは際立って優れた知識を持つ人を雇うことも出来る。
(3)だがいかに努力したとしても、能力と知識の向上に関しては、大幅な期待をすることは出来ない。従って現在の人間を持って組織をマネジメントしなければならない。
(4)経営管理者に関する本は、あらゆる分野において天才的な才能を発揮できる人を求める。しかしそのような人は、いつの世にも稀である。
(5)我々は、せいぜい一つの分野に優れた能力を持つ人を組織に入れられるだけである。一つの分野に優れた能力を持つ人と言えども、他の分野については並みの能力しか持たない。
(6)従って我々は、一つの重要な分野で強みを持つ人が、その強みを元に仕事を行えるよう、組織を作ることを学ばなければならない。仕事ぶりの向上は、人間の能力に飛躍的な増大ではなく、仕事の方法の改善によって図らなければならない。
(7)一方、企業・政府機関・病院のいづれの世界においても、今日の若い高学歴者のもっとも困った点は、自らの専門分野の知識で満足し、他の分野を軽視する傾向があることである。
(8)しかし専門分野以外について「いかなる分野であり、なぜ必要であり、何をしようとするものなのか」については知らなければならない。
(9)万能の専門家が必要なわけではい。我々に必要なのは、専門分野の一つに優れた人を、いかに活用するかを知ることである。
(10)成果を上げる方法を知ることこそが、能力や知識という資源からより多くの優れた結果を生み出す唯一の手段である。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお