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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(15)『山形新幹線「つばさ」殺人事件』西村京太郎(光文社文庫)

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昨年末 『十津川警部の抵抗』 を最後として、何冊か続けて読んでいました<西村京太郎>の再登場です。本作『山形新幹線「つばさ」殺人事件』は、1993年1月「カッパノベルス」として刊行され、1995年12月20日に(光文社文庫)として発売されています。

表題の山形新幹線「つばさ」は、1992年7月1日より運行されていますが、東北方面の観光客の増加を見込んで、当時としていち早く「つばさ」の運行を取り入れた作品となっています。

山形新幹線「つばさ」で東北旅行ヘ向かった若い女性が次々と蒸発しました。囮として、旅行客に扮し単身「つばさ」に乗り込んだ「北条早苗」刑事に近づく謎の男「平沼」と名乗る男が近寄ってきます。しかし、「平沼」は仙山線の踏切で列車と衝突して死亡。運転していた車からは若い女性の右足が見つかります。山形県警が「平沼」犯人説に傾くなか、「十津川」警部は独自の捜査を展開します。

<西村>作品としては、珍しく猟奇的な内容の構成でした。また、「十津川」が、行方不明の女性「井岡和美」が軟禁されていたマンションの風呂場で、殺人犯とみなされていた男の自殺死体を発見後、また同室に戻り、遺言書を見つける当たりの流れが不自然な感じを受けましたが、読み落としがあったのかなと元に戻り精査することなく娯楽小説と割り切りそのまま読み進めました。

最後は、「十津川」警部お得意の犯人あぶり出しの罠仕掛けで一件落着となりますが、山形新幹線「つばさ」は、単に誘拐犯が女性を物色する場に利用されただけに終わり、鉄道ファンとしては少し物足りなさを感じました。
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今年の読書(14)『阿弥陀堂だより』南木佳士(文春文庫)

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著者自身が現役の石である<南木佳士>の著作は、エッセイ集として、『こぶしの上のダルマ』   ・  『からだのままに』   ・  『トラや』  ・  『いきているかい?』 などを読んできていますが、小説としての作品を読んでいないことを、昨年2月に公開されました<村橋明郎>監督による  『山中静夫氏の尊厳死』 で気づきました。

遅まきながら手にした本書『阿弥陀堂だより』は、1995年6月に単行本が刊行されており、<小泉 堯史>監督により2002年に映画化され、96歳の「おうめ婆さん」役の<北林谷栄>が第26回日本アカデミー賞助演女優賞を、「石野小百合」役の<小西真奈美>が新人俳優賞を、それぞれ受賞しています。

高校の同級生の「神谷美智子」と結婚した「上田孝夫」は文学界の新人賞を受賞したもののその後鳴かず飛ばずの作家業を続けていましたが、医者になった「美智子」は、心の病を患いパニック障害になってしまいます。妻の病気を転機に、「孝夫」は祖母と暮らした生まれ故郷の信州の山奥に移り住み。「美智子」は週3日、村の診療所に勤めることになります。

二人は、自宅奥の山里に、村の故人の霊を祀る古びた「阿弥陀堂」に暮らす96歳の「おうめ婆さん」と知り合い、また肉腫で声が出なくなった難病と闘いながら役場に勤め「おうめ婆さん」の昔話を、「阿弥陀堂だより」として広報誌にまとめている「石野小百合」と知り合うことになります。

「小百合」が重病になり、「美智子」は地元の総合病院の医師と「小百合」の治療に当たり、パニックを起こすことなく、治療に没頭することができるまでに回復していました。

都会とは違う静かな時間の流れる信州の山奥で、「孝夫」と「美智子」は新しい人生の道筋を見つけてゆく様子が、「おうめ婆さん」の生きざまを通して、心地よく響く作品でした。
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今年の読書(13)『DEATH NOTE短編集』(集英社)

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人気漫画『DEATH NOTE』(原作:大場つぐみ 漫画:小畑健)の14年半ぶりとなる新刊『DEATH NOTE短編集』(集英社)が、発売されています。

『ジャンプSQ.』2020年3月号で12年ぶりに新作読切として掲載され話題を呼んだ、{日本一頭のいい}中学生「田中実」の物語(『aキラ編』)をはじめ、2003年~2020年の間に発表された読切作品、L短編、4コマ漫画が収録されています。

『週刊少年ジャンプ』で2003年12月から2006年5月まで連載された『DEATH NOTE』(デスノート)は、主人公の秀才高校生「夜神月」が、ある日、「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」と書かれた1冊の「デスノート」を手に入れ、{キラ}と名乗りながら、生きる価値がないと思う人間たちを殺し始めるストーリーです。

{キラ}を捕まえるべく、もう一人の主人公「L」との頭脳戦などが話題となり、、テレビアニメ(2006年10月3日から2007年6月26日・日本テレビ系)、 実写映画化、<窪田正孝>主演でテレビドラマ化(2015年7月・日本テレビ系「日曜ドラマ枠」)、2015年4月にミュージカル『デスノート THE MUSICAL』として公演などさまざまなメディア展開がされてきています。

話題を呼んだ『aキラ編』は、知能テストで3年連続1位を獲得し{日本一頭のいい}中学生「田中実」の前に死神の「リューク」が現れ、出会いから2年後の世界を中心に、「実」がノートを使って計画していたことが描かれています。
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今年の読書(12)『渋沢栄一の足跡をたどる旅』(東京ニュース通信社)

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いよいよ明日7日(日)で2020年1月19日(日)放送スタートの 『麒麟がくる』が最終回 を迎えます。
次回から第60作目とるNHK大河ドラマ 『青天を衝け』 が始まりますが、主人公は、新一万円札の顔としても注目され、 約500の企業を育て、約600の社会公共事業に関わった「日本資本主義の父」と呼ばれた<渋沢 栄一>(1840年3月16日〈天保11年2月13日〉~1931年〈昭和6年〉11月11日)です。 晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度選ばれています。

本書は、 幕末~明治期における日本近代化の立役者である<渋沢栄一>の生まれ故郷である埼玉県北部(現・深谷市)をはじめ、東京や京都、大阪、北海道など、ゆかりの地を紹介する歴史紀行ガイドとなっています。

彼に影響を与えたまわりの人物にも関わり、<徳川慶喜>は一農民だった<栄一>を幕臣に抜擢し、弟<昭武>の随員としてフランスへ派遣することで、<栄一>の視野を広げたと言われています。本書では<慶喜>に関連する場所として、水戸や静岡を紹介。そのほか、幼少期から慕っていた従兄<尾高惇忠>のゆかりの地である世界遺産「富岡製紙場」や、その周辺に点在し近代養蚕を担ったとされる遺構なども掲載されています。

波乱万丈な人生と日本の近代化の過程が特集され、<渋沢栄一>の伝記的な生涯のみならず、日本の近代化の過程も知ることができるお手軽な一冊です。
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今年の読書(11)『ノーラン・ヴァリエーションズ クリストファー・ノーランの映画術』トム・ショーン(玄光社)

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本書)『ノーラン・ヴァリエーションズ クリストファー・ノーランの映画術』(訳:富原まさ)は、<クリストファー・ノーラン>監督(1970年7月30日生まれ)の長編デビュー作『フォロウィング』(1998年)から最新作 『TENET テネット』 (2020年)までを網羅しています。

脚本完成までの道、撮影方法、ビジュアルイメージづくり、演出論、音へのこだわりといった監督独自の映画術を、未公開写真や絵コンテ、シーンスケッチをもとに紐解いていく構成になっている一冊です。

芸術性と商業性を兼ね備え、数多くの名作を世に放ってきた<クリストファー・ノーラン>監督。 『インセプション』 (2010年)の構想を寮のベッドで横になりながら練ったこと、弟の<ジョナサン・ノーラン>が書いた短編を基にしている監督の色覚が2作目の『メメント』(2000年)にどう作用したかなど、彼の思考に触れる内容はもちろん、第81回アカデミー賞において8部門にノミネートされ、2部門を受賞した 『ダークナイト』 (2008年)3部作や 『ダンケルク』 (2017年)などの大ヒット作に投影された監督自身の経験、インスピレーション、これまで詳細に語られなかった生い立ちなども明かされています。
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今年の読書(10)『令嬢弁護士桜子』鳴神響一(幻冬舎文庫)

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本書は前作『令嬢弁護士桜子 チェリー・ラプソディ』(2019年・10月5日・幻冬舎文庫)に続く2作目で、正式な題名は、『令嬢弁護士桜子 チェリー・カプリース』です。

玉川パートナーズ法律事務所に所属する弁護士「一色桜子」は、祖父が購入した土地の賃貸収入で高級住宅街田園調布の一画に住居を構える法曹一家の令嬢です。仕事では一家の運転手「土岐」が運転する高級車「アルナージ(ベントレー)」で移動するという恵まれた環境に身を置いていますが、幼い頃のトラウマから「濡れ衣を晴らす」ことに人知れず執着しています。

「桜子」は、ヴァイオリンの恩師「浦上紗耶香」のコンサートに出向きますが、楽屋で悩みごとの相談があると言われます。ところが、「浦上」は、弦楽四重奏団として舞台の演奏中に停電に見舞われ、演奏中に倒れ、搬送先の病院で死亡。司法解剖で毒殺事件となります。犯人として逮捕されたのは、「浦上」の横で演奏していた第2ヴァイオリンの「小早川弘之」でした。国選の当番弁護士として恩師の事件の被疑者「小早川」の弁護人となった「桜子」ですが、恩師の相談事が事件に関連しているのではと悩みながら、事件の背景を調べるべく動き出します。

ヴァイオリンの名器の鑑定を巡る事件で推理小説を読みなれた読み手としては全体像が読める筋立てですが、改めて楽器としてヴァイオリン業界の裏側が垣間見れる一冊でした。
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今年の読書(9)『共謀捜査』堂場瞬一(集英社文庫)

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<堂場瞬一>の 『検証捜査』 に始まる『☓☓捜査』シリーズとして、 『凍結捜査』 に次ぐ6作目になる『共謀捜査』は、文庫本書き下ろしとして2020年12月25日に発行されています。

フランス・リヨンにある国際刑事警察機構(ICPO)に出向している警察官僚の「永井」が、帰宅中に拉致されてしまいます。同じく出向している「安井凛」は、同僚たちと捜索を開始しますが、犯人はミノシロキン100マンユーロを要求してきます。

同じころ日本・東京では、『検証捜査』の舞台となった神奈川県警の不正事件の関連者で退職した元刑「松崎」が銃殺された死体が発見され、『検証捜査』のチームリーダーだった「神谷」に警察庁から、「松崎」の背後を探るべく特命が下されます。

「神谷」は、「松崎」の事件の背景を調べるべく、全国に散らばる『検証捜査』の元メンバーに声をかけ秘密の捜査を進めていきます。

リヨンの拉致事件と東京のロシアマフィアの絡む事件が同時進行で進み、国際的犯罪組織崩壊のために仕組まれた奇想天外の結末に驚かされるとともに、<堂場瞬一>ファンとしては、「なぁんだ」という落胆と共に本を閉じた524ページでした。
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今年の読書(8)『蛍草』葉室麟(双葉文庫)

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武士道の世界を舞台として、ホロットさせられる人情物語の語り手として好きな作家の<葉室麟>の『蛍草』は、2015年11月15日に文庫本になっています。

また、2019年に『螢草 菜々の剣』と題しNHK BSプレミアム「BS時代劇」にて、<清原果那>主演として(7話)構成でテレビドラマ化されています。

主人公の16歳の「菜七」は、父「安坂長七郎」が藩内で犯した刃傷沙汰事件で切腹させられたことを隠し、同じ藩の「風早一之進」家の女中になります。当主の「一之進」や奥方の「佐知」に優しく迎えられ、二人の子供たちと平和に暮らしていましたが、「佐知」が病気でなくなり、「一之進」は父の切腹の原因となった「轟平九郎」の策略にはめられ、遠方へ蟄居させられてしまいます。

二人の子供たちを預かることになった「菜七」は、亡き父の仇でもある「轟」に対して、また、前藩主の不正に対して、ある決意を持って立ち上がります。

苦境に負けず、ひたむきに生きる16歳の奮闘記でもあり、ほのぼのとした恋心を秘めながら、脇を固める登場人物たちの人情味を重ねながら、物語の展開は、最後まで飽きさせることなく読み手を導く、<葉室麟>の世界に浸れる一冊でした。
#テレビドラマ #ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(7)『ブラックツイン』沢里裕二(双葉文庫)

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本書の正式のタイトルは長く『ブラックツイン 組織犯罪対策部特攻班』です。新聞広告で見つけた本書ですので、著者<沢里裕二>の作品としても初めてになりますが、双葉文庫としては本書で8冊目の文庫本でした。

タイトルを見て「組織犯罪対策部特攻班」という部署が気になったのですが、刑事物でありながら、前回(6)で読みました<福田和代>の 『星星の火2』 も新感覚の刑事物でしたが、本書もかなりぶっ飛んだ内容でした。

捜査一課の刑事「植木揚平」は組織犯罪対策部にに新設された六課へ異動になります。捜査のためなら過激な手段も厭わない新たな部署で、「植木」は曲者刑事「後藤正信」と組むことになります。夜の歌舞伎町を舞台に潜入捜査も厭わず、裏社会の陰謀を探る、二人の破天荒な捜査が繰り広げられていきます。

ミステリー的な謎解きの刑事物を期待する人には不向きな内容で、アダルトでスラップスティックな描写が目立つエンターティメントな一冊で、好き嫌いが分かれる内容でした。
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今年の読書(6)『星星の火2』福田和代(双葉文庫)

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今年の読書(6)『星星の火2』...
著者<福田和代>(53)は兵庫県神戸市出身の作家ということで、 『TOKYO BLACKOUT』、 『ハイ・アラート』、 『タワーリング』、 『暗号通貨クライシス BUG広域警察極秘捜査班』 など目に留まれば読むことにしています。神戸大学工学部化学工学科卒業という「リケジョ」らしく、2007年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』(青心社)で小説家デビューしています。

本書 『星星の火2』は、『星星の火』(2014年6月 双葉社 / 2017年8月 双葉文庫)のシリーズ2作目になり、2017年9月に単行本が双葉社から刊行、2020年12月13日に文庫本が発売されています。

『星星の火』では、在日中国人の社会の闇の部分を扱い、中国語通訳としての刑事「城正臣」と同じ官舎に住む警視庁保安課「上月千里」刑事たちが主人公の舞台は変わりません。

保安課の「上月」は、中国人の少女売春組織を捜査する過程で、〈赤い虎〉という名を耳にします。かたや中国語通訳捜査官の「城」は、池袋で発生した刺殺事件の捜査を通じて中国の裏社会の組織である〈赤い虎〉に辿りつきます。組織の裏側には中国残留孤児にまつわる暗い陰が横たわり、同法のトラブルに日本の法律や警察対象外の闇の組織が出来上がっていました。

東京の池袋を舞台として、ヤクザでもない半グレ集団の暴走を描くとともに、通訳として捜査に従事する刑事たちの私生活や信条を絡ませた、新感覚の警察小説でした。
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