「ヨモギ」の茎に、白い綿状の塊が目立つ時期になりました。
「ヨモギワタタマバエ」によって茎に形成される直径2ミリほどの球形の<虫こぶ(虫えい)>で、表面には白色の長い毛が密生、直径10~20ミリほどの綿状の塊となります。
<虫こぶ(虫えい)>そのものの側壁は薄いのですが堅く、内側には橙赤色の幼虫が一匹入っています。
「ヨモギ」には、「ヨモギマルフシミバエ」が作る <ヨモギクキマルズイフシ> などの<虫こぶ(虫えい)>なども寄生しますので、なんだかかわいそうな植物におもえてしまいます。
体長20~26ミリと、日本で一番大きな【オオアメンボ】ですが、体が大きいだけではなく、脚や触角も長く立派な姿をしており、オスの脚は40ミリを超えます。
カメムシ目(半翅目)アメンボ科アメンボ亜科に分類され、流れのおだやかな池や河川に生息、とくに水面が木陰に覆われたような環境を好みます。
<オス>は他の<オス>と<メス>を巡って競合するときに、脚の長さを比べ合うという面白い習性があります。
「ツバメ」の世界では、メスは<尾の長い>オスを選ぶようですが、【オオアメンボ】は「脚の長さ」が勝負どころのようで、なんだか身につまされてしまいます。
日本産の「アシナガバチ」の中では体長25ミリ前後と、最大の大きさを誇る【セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)】が、 「ヤナギトウワタ」 の花で蜜を吸っていました。
ハチ目スズメバチ科アシナガバチ属に分類され、働き蜂の羽化は5月下旬~7月、オスと新女王は7月下旬~9月に羽化します。
「スズメバチ」よりもほっそりとした体形で、飛ぶときには脚をだらりと広げながら飛ぶ特徴があり、餌を探しているときや休憩場所を探しているときには、左右にゆらゆらと振れながら飛んでいます。
腹部には、黒地に黄褐色の斑紋がはいりますが、この複雑な文様の形がきれいで、ついつい写真を撮りたくなってしまいます。
白色の「フヨウ」の花弁に、淡緑色の体色をした、体長5ミリ弱の<ヨコバイ>がとまっていました。
<ヨコバイ>は、カメムシ目ヨコバイ科に分類される昆虫の総称として使われています。
姿は「セミ」を小さくした形をしていますが、「セミ」は単眼が3個ありますが、<ヨコバイ>は2個だけです。
<ヨコバイ>として日本では約550種が確認されていますが、体長数ミリと小型であり、外見がよく似ている種も多く、十分に解明できていません。
姿の特徴から、「ヒメヨコバイ亜科」の一種だとみているのですが、手持ちの資料では同定できませんでした。
先ほどアップしました<ハイビスカス>の品種 「アマン」 の花弁の上に、体長25ミリほどの<オス>の 【オンブバッタ】 がいました。
普通「バッタ」類はイネ科やカヤツリグサ科の植物を食べていますが、【オンブバッタ】はクズ・カナムクラ・カラムシなどの葉の広い植物が好きなようです。
また花壇や家庭菜園などにも生息していますので、このような環境では花の咲く草花や野菜の葉を食べて害を与え、園芸植物では特に、キク科・シソ科・ ヒユ科 ・ナス科・ヒルガオ科などが被害を受けます。
今回よく観察してみていますと、驚いたことに<ハイビスカス>の花弁を食べていました。
好奇心旺盛な【オンブバッタ】で味を確認しているのでしょうか、飛び跳ねて逃げることもありませんでした。
体温の調整をしているのでしょうか、大きな石の上で日向ぼっこをしている【ニホントカゲ(日本蜥蜴)】の<成体>を見つけました。
昆虫ではなく、トカゲ科トカゲ属に分類され、 <幼体> は体色が黒や暗褐色でしっぽはツヤのあるメタリックブルーに輝き、5本の明色の縦縞が入りますので、英名としては「Japanese five-lined skink」と呼ばれています。
本来「トカゲ」とは本種を指していますが、東日本では「ニホンカナヘビ」を「トカゲ」と呼ぶ人が多いようですが、姿は似ていても下記のような違いが顕著です。
「カナヘビ」は舌先が2枚に分かれていますが、本種は分かれていません。
「カナヘビ」は体表面が艶消し的ですが、本種はテカテカと輝いています。
「カナヘビ」は全体の三分の二が「尾」ですが、本種は二分の一ほどの長さです。
「カナヘビ」は卵を産みっぱなしですが、本種は孵化するまで見守っています。
きれいな白色の 「フヨウ」 の花が咲いていましたので、どの花を写そうかと見ていましたら、花の下に【チョウセンカマキリ】が潜んでいるのを見つけました。
花に訪れる昆虫たちを待ち伏せているようですが、逆さまに花弁にしがみ付いている姿勢のままでは疲れないかと心配してしまいます。
こちらを気にしているような、カメラ目線のカマキリさんですが、どのくらいこの姿勢で待ち伏せをしてのかと気になりながら、邪魔しないように立ち去りました。
笹の葉の上で、休んでいる 【オオシオカラトンボ】 の<オス>を見つけました。
トンボ科シオカラトンボ属に分類され、名前通り 「シオカラトンボ」 よりも大型で体長は60ミリほどになります。
「シオカラトンボ」のオスとよく似た姿をしていますが、「シオカラトンボ」の複眼の色は「水色」をしており、【オオシカラトンボ】の複眼は黒褐色色ですので、すぐに見分けがつきます。
「シオカラトンボ」は開放的な水域を好むようですが、この【オオシオカラトンボ】は平地や丘陵地や樹林の沼池・湿地など、少し薄暗い環境を好んで生息しています。
< 翅裏の蛇の目紋 >
< 翅表の蛇の目紋 >
地上低く、ヒラヒラと飛んでいました【ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)】です。
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科に分類され、黒い斑点の周りに金環のついた<蛇の目紋>が特徴的な、淡褐色の小さな「蝶」です。
一般的に後翅裏の<蛇の目紋>の数は5つですが、 6~8個を持つ変異個体 も見受けられます。
よく似た仲間に「ウラナミジャノメ」がいますが、こちらは後翅表のある<蛇の目紋>がひとつですが、【ヒメウラナミジャノメ】は2つありますので区別ができます。
「ヤマトシジミ」 と「ルリシジミ」は、翅裏の黒点の位置がひとつだけずれているだけですし、昨日アップした 「マユタテアカネ」 は「ヒメアカネ」と比べて顔面に<眉紋>が入るだけの違いですが、昆虫の同定も奥深い世界です。
腹部が赤色ですので、トンボ科アカネ属の成熟した<雄>だとすぐにわかりますが、よく似た仲間として「ヒメアカネ」」や「マイコアカネ」がいます。
写真の<トンボ>は、顔面の正面に<眉斑(びはん)>と呼ばれる黒色の眉を立てたような斑点がふたつ並んでいますので、【マユタテアカネ(眉立茜)】だと同定できます。
「ヒメアカネ」にはこの黒い<眉斑>がなく、「マイコアカネ」はこの部分が青色ですから、横側からの撮影では同定はできませんでした。
未熟期には<雄・雌>とも体色は黄褐色をしていますが、成熟した<雄>は腹部が赤化し、胸部は焦げ茶色になります。
<雄>は成熟しますと、写真のように枝先などにとまり、縄張りを張る行動を取ります。
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