黒地の翅に、前翅と後翅を貫くように青緑色の帯がよく目立つ【アオスジアゲハ(青条揚羽)】ですが、この帯には鱗粉がなく、鮮やかなパステルカラーで透き通っていてとてもきれいです。
花にとまり蜜を吸うときも、せわしなく前翅を動かしているときが多く、なかなかきれいな写真が撮れません。
アゲハチョウ類は、静止時には通常翅を閉じて止まりますが、この【アオスジアゲハ】は多々 翅を開いてとまる 傾向があります。
湊川神社の西側の花壇で見つけましたが、幼虫の食草として「クスノキ」がありますので、神社の境内で生まれた蝶かもしれません。
<ファルコン昆虫記>の中で、おそらく一番登場回数が多い【ヤマトシジミ(大和小灰蝶)】が、「ユキヤナギ」の葉にとまりました。
ヒラヒラと地上近くを飛び回りますが、なかなか花や葉に留まってくれませんので、見かける割には撮影する機会が少なく、今年最初の一枚になりました。
前翅長が15ミリ程度と小さく、瞬時に翅裏の黒点模様を見分けるのはできませんが、パソコンに取り入れ、「ルリシジミ」や「シルビアシジミ」ではないかと期待して見るのですが、いまだにこの2種とは遭遇できていません。
「シルビアシジミ」は絶滅危惧種Ⅰ類に指定されていますので、見つけることは難しく、せめて「ルリシジミ」だけでもと、毎回期待してレンズを向けています。
< クリックすると、大きくなります >
むやみに草の上などに姿をさらすことのない【ニシキリギリス】ですが、アスファルト道路の上にじっとしているのを見つけました。
足音などを聞きつけますと、草むらなどの奥へ奥へと逃げてしまうのですが、不思議と逃げません。
近づいてみますと土ではなく、なんとアスファルトに産卵管を突き刺して排卵中でした。
卵は冬眠から覚めて、5月上旬ごろになりますと孵化して土の中から出てきますが、産卵した翌年に孵化するのは数%で、多くは2年目・3年目に孵化します。
それにしても、産卵管はアスファルトを突き刺すほど強いモノなのかと、珍しい光景に驚きを隠せません。
山道を歩いておりましたら、ゴミのような白いモノがヒラヒラと舞っているのが目につきました。
昆虫に興味のない方は何も感じずに通り過ぎることだと思いますが、風に吹かれての飛び方には見えず、落ちたあたりを観察しますと【アオバハゴロモ(青羽羽衣)】でした。
カメムシ目(半翅目)ヨコバイ亜目アオバハゴロモ科アオバハゴロモ属の昆虫で、体長は6~7ミリ、翅の長さは10ミリ前後で胴体は翅の下に隠れています。
学名に 「Geisya(芸者)」 と命名されているだけあって、薄緑色のきれいな翅色で、後端の縁だけに薄赤い縁取りが入っています。
卵で越冬、幼虫は5~7月頃に孵化し成虫は7月頃から出現、樹木の汁を餌としますので、大量発生しますと害虫として成木を枯らしてしまいます。
蛍光スタンドで文庫本を読んでいますと、体長2ミリほどの【クズヒメヨコバイ】がとまりました。
カメムシ目(半翅目)ヨコバイ科ヒメヨコバイ亜科に分類されている昆虫です。日本では約100種ほどの<ヒメヨコバイ>が確認されていますが、ほとんどが4ミリ以下の体長です。
今年の3月31日、北九州市八幡東区の県立八幡高校の生徒7人が、校内で体長3ミリの新種の<ヒメヨコバイ>を発見、学名は「トリフィダ ビロバータ」、和名は発見された高校名から「ヤハタヒメヨコバイ」と名付けられています。
まだまだ研究の進んでいない分野ですので、これからも新種の発見があるかもしれず、小さな昆虫ですが興味は尽きません。
明後日8月7日(木)は暦上「立秋」ですが、まだまだ 【クマゼミ】 の元気な鳴き声は、日の出から正午頃まで元気に響いています。
【クマゼミ】の寿命は約2週間程度とされ、日本産の蝉の中では「ヤエヤマクマゼミ」に次いで大きくて体長は70ミリ程度あり、今回横から<オス>の姿を撮影できました。
一般的には「サクラ」や「センダン」・「キンモクセイ」 などの木にとまり樹液を吸うのですが、「サルスベリ」の木で見つけるのは珍しいとおもいます。
多くの蝉の研究者がおられると思いますが、暑いさなかに蝉の好きな樹木を統計学的に分析されているのかなと、ふと考えてしまいました。
アルミサッシの窓枠の下に、【オオバナミガタエダシャク】が止まっているのを見つけました。
チョウ目(鱗翅目)シャクガ科エダシャク亜科に分類され、「エダシャク」の仲間としては、開帳は50ミリを超える大型の部類です。
夜行性で、昼間は樹木の幹などに翅を広げてべったりと張り付くようにとまる特徴があり、翅模様が幹への擬態模様になっていますが、このときも翅を広げたままで、睡眠中なのでしょうか、触角を折りたたんで伸ばしてはいません。
淡い茶色の地に、前翅に3本の暗褐色の波形模様が目立ち、前翅の裏側の先端部には、白色の紋が入っています。
前回にアップした 同定できない(34)<ゴミムシ>(2) と同じ種のようで、うまく体全体が写せましたが、やはり手持ちの資料では「これだ」という種名までたどり着くのは無理でした。
<ゴミムシ>はコウチュウ目(甲虫目)オサムシ科に属し、世界中で4万種、日本では約1600種が分類されていますが、全体を網羅した図鑑などがありません。
自然生態系のなかで、地表を徘徊する捕食者として必要な働きを行い、その生態的な特性から農業上の主要な害虫の捕食者として知られています。
また森林や農地・水田環境など、様々な環境の指標昆虫として注目を集めている昆虫です。
先週は、【アカヤマアリ】が 「クマゼミ」の死骸 をせっせと巣に運ぶところに遭遇いたしましたが、今回は 【アブラゼミ】 でした。
【アブラゼミ】は、カメムシ目(半翅目)ヨコバイ亜目セミ科アビラゼミ属のセミで、多くのセミは透明の翅を持ちますが、前翅・後翅とも不透明な褐色で世界的に見ても珍しい翅色です。
表側からの写真はよく見かけますが、腹部側から眺めますと、大きな前翅と小さな後翅の形態がよくわかります。
都市部では天敵の鳥に襲われますと、素早く身を隠す木々が少なく、【アブラゼミ】にとっては住みやすい環境ではありません。
翅蟻を見つけますと「シロアリ(白蟻)」かなとドキットとしますが、体長7ミリほどありましたので雄アリではなく、<結婚飛行>に飛び出した「アメイロケアリ」の<女王蟻>のようです。
「アリ」はハチ目アリ科の昆虫で完全変態で成虫になり、「シロアリ」はゴキブリ目シロアリ科で不完全変態で、頭部・胸部・腹部それぞれにくびれていませんの、一目で区別ができます。
巣の中で産卵ができるのは女王蟻だけで、普段は働き蟻しか産みませんが、コロニーの数が増えてきますと、繁殖期に翅の生えた<女王蟻>と、同じく翅をもつ雄蟻が産まれ、<結婚飛行>に飛び立ち空中で交尾を済ませます。
飛行が終わると雄は死に、<女王蟻>は翅を落として新しい巣作りに励み、10~20年生きながらえますが、雄からもらった精子を体内に蓄えて産卵を繰り返します。
<アリ>の種類によって、「クロナガアリ」は4月、 「クロオオアリ」 は5月、「ケアリ」は7月、「シリアゲアリ」は9月、「トゲアリ」は10月等、<結婚飛行>の時期が違います。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ