我が家の山側にある団地には法面があり、この時期になりますと、チェーンソーの音が鳴り響き、法面の 「ニセアカシヤ」 や野草たちの伐採が行われます。
棲み家を追われたのでしょう、【ニシキリギリス】の<オス>がアスファルトの道路に飛び出していました。
うっとおしく茂る「ニセアカシア」は、視線を遮る為に防犯上はよくないのですが、下草的に生えている 「ヒメジョオン」 や 「ササ」類などの野草まできれいに刈り込むのは、【ニシキリギリス】や「ヤブキリ」の棲み家をなくし、蝶たちの餌場もなくなります。
力強い後ろ足で飛び跳ねながら、無事に新しい下草のある場所が見つかればいいのですが、<オス>君の生命力に期待したいところです。
「カモジグサ」の枝先に、体長5~6ミリほどの昆虫を見つけましたが、同定できませんでした。
体の特徴からカメムシ目(半翅目)カメムシ亜目までは分類できるのですが、手持ちの資料では該当する種が見つかりませんでした。
カメムシ目は、「タガメ」・「アメンボ」・「セミ」・「ウンカ」などを含み、世界に134科82000種に及びます。
翅が革質と膜質で構成されている<カメムシ>らしい姿をした「カメムシ亜目」と、翅が一様に膜質だけでできている「セミ」を代表とする「ヨコバイ亜目」の二つに大きく分けられています。
本種の特徴として、胸部背側に隆起が見られ、小楯板に黒い点が2ヶ所ありますが、該当する<カメムシ>は見当たりませんでした。
歩いていますと太陽の光に当たり、キラリときれいな上翅の色が目に付き、ヨモぎの葉の裏に【ルリテントウダマシ(瑠璃偽瓢虫)】がいるのがわかりました。
ヨモギの先端を折り曲げ、逃げ回るところをなんとか撮影できました。
甲虫目テントウダマシ科の昆虫で、日本では「ヨツボシテントウダマシ」や「キイロテントウダマシ」など40種余りが知られています。
前胸背板は光沢のある黒色で波打ち、前翅は光沢のある瑠璃色をしています。
姿は「テントウムシ」とよく似ていますが、触角が長いので区別ができます。
以前に、旅路の果てのかわいそうな姿の 【ルリテントウダマシ】 をアップしましたが、体長5ミリにも満たない小さな昆虫ですので、多くの天敵が待ち受けていそうです。
熟したイネ科の「カモジグサ」の茎に、【ウズラカメムシ】がいました。
体長8ミリ程度と小さく、淡い褐色体色と茎の色がよく似ており、注意して観察していないと見過ごしてしまいます。
カメムシ目(半翅目)カメムシ科の「カメムシ」で、縦に入る褐色の縞が特徴的で、鳥の「ウズラ」に似ている模様が名前の由来です。
「カモガヤ」 ・ 「ススキ」 ・ 「エノコログサ」 など、イネ科の植物の汁を餌としています。
とがった顔の部分が特徴的で触角は赤色、正面から見ますと「バク」のような顔つきをしており、 「マルカメムシ」 のような臭い匂いを出さない愛らしい昆虫です。
「クズ」は、マメ科クズ属のつる性植物ですが、繁殖力が強く駅までの道では、はみ出すようにつるが伸びてきています。
日本では根を用いて食材の葛粉や漢方薬が作られ、また昔から 「秋の七草」 のひとつに数えられています。
その「クズ」の葉の上に、「クズ」や「ハギ」などのマメ科を好物とする【マルカメムシ】がいました。
人にとって都合の悪い昆虫を一般的に「害虫」と呼んでいますが、「不快害虫」・「衛生害虫」・「農業害虫」と3つに大別できます。
【マルカメムシ】は、このうちの「不快害虫」に当たり、腹面にある<臭腺>から出す<トランスー2-ヘキセナール>などを主成分とした悪臭が嫌われています。
臭い匂いがなければ、体長5ミリほどの愛嬌のある顔をしており、上翅も光沢のある暗黄褐色のきれいな体色の昆虫です。
「クマゼミ」の抜け殻である<空蝉>を、多く見かける時期になりました。
三者三様という言葉がありますが、樹の幹での羽化は一般的として、フェンスや葉の裏側などアクロバット的な場所での羽化は困難な動作だっただろうと想像してしまいます。
羽化の時は無防備な体制ですので、天敵の「スズメバチ」や「カマキリ」などから身を守るために日の落ちた夕方、地中から終齢幼虫(3~17年)が地上に出てきて周囲の高い場所に上り、明るいうちは羽化を始めません。
夜の間に羽を伸ばし、天敵の現れる朝方までには飛び立てる状態になっています。
固いしっかりとした樹の幹では足を固めるのも容易でしょうが、細いフェンスや揺れる葉先では難しい動作にならざるを得ず、苦労したことだと眺めておりました。
今年は梅雨らしく長雨が続く日もなく、はや 【クマゼミ】 が活動を始めています。
【クマゼミ】に何事が起ったのか、分断された腹部に【アカヤマアリ】が一生懸命餌の確保のためにせわしく動き回っていました。
小さい餌ですと、そのまま力強い顎で引きずって巣まで持ち運ぶのですが、さすがに【クマゼミ】は日本特産の大型のセミですから、移動させるのは無理なようです。
腹部の形状からすると、橙色の<腹弁>がある形が見て取れますので、これは<オス>の【クマゼミ】のようです。
この【アカヤマアリ】は、奴隷狩りをする蟻として有名で、「クロヤマアリ」などを狩り、奴隷として巣に住まわせ、ほとんどの巣で他種の蟻と混生社会を構成しています。
ヨモギの葉先に、逆さまにぶら下がっている【チョウセンカマキリ】を見つけました。
少し逆光気味ですが、体長4センチばかりの褐色タイプのまだ幼虫ですが、背中の中心部に通る濃い褐色の筋が早くも見えています。
写真を撮る間、じっとしていましたたが、この体制から餌を捕獲するとなるとかなり至難の業だと思いますが、虎視眈々と動くことなく、逆さまのままでおりました。
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体長3センチ弱の【ハラビロカマキリ】の幼虫でしたが、葉の上にいた「アリ」を捕獲して食事中でした。
カマキリ目カマキリ科ハラビロカマキリ属に分類され、他のカマキリの幼虫と違い、腹部の端部を上に向けている姿は、本種の特徴です。
まだ翅も生えそろえていない幼虫ですが、全体の形は成虫と同じで、攻撃的な姿は一人前です。
幼虫の色合いは緑色と褐色が混ざっていますが、多くの成虫は緑色が多く、褐色方は少ないです。
一般的に単に「ムカデ」と呼ばれていると思いますが、多足亜門ムカデ網に属する節足動物の総称で、人家等に出没する嫌われ者は【トビズムカデ】です。「ムカデ」は「百足」と表記されますが、本種は21対もしくは23対の脚を持ちます。
オオムカデ目オオムカデ科に分類され、体調が8~15センチ、まれに20センチ近いモノもおり、日本産ムカデの中では最大級です。
昆虫などのように幼虫や成虫の区別は、基本的にありません。
体色に個体変異が多く、赤い頭に黄色い脚や、朱色の頭と脚を持つものなど多彩です。
通常は朽木や雑木林の落ち葉の中など湿り気のある場所に生息していますが、ゴキブリやバッタなどを捕食する肉食性ですので、しばし民家などに餌を求めて出没します。頭部には毒腺を持つ<顎肢>があり、刺されますとヒスタミン・セロニン等のアミン類で激痛を伴います。
おばあちゃんの知恵袋ではありませんが、植物油に本種を漬け込んだものは、火傷や切り傷、中耳炎の民間療法として利用されています。
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